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吉祥寺、銭湯暮らしの日々

今思えば贅沢な話ですが、大学進学で上京してから、ずっと風呂付のアパートに住んでいたものの、残り一年となったところで、どうしても名曲「神田川」的な生活を送ってみたくなり。

通学経路からすると中央線一択。それまで賑やかな中野に長く住んでいたので、もう少し静かなところがいいなと、吉祥寺の井の頭恩賜公園近くに、風呂なしアパートを見つけました。

今は閉館した前進座劇場と昔ながらの銭湯が近くにあって、毎日通いました。赤い手拭いをマフラーにして二人で行く相手はいませんでしたし、石鹸も液体でしたが、ユニットバスと違って、広いお風呂は気持ちよく、楽しい日々。

閑静な住宅地を抜けるとすぐ公園で、四季折々の自然や水鳥や魚たちを眺めつつ散策。平日でも来園している人は多く、なんだかみな楽し気で。駅に近い公園入口の焼き鳥「いせや」はいつも賑わっていました。

卒業後、故郷に帰りましたが、ドラマや映画で吉祥寺がロケ地となることも多く、『高校教師』や『愛していると言ってくれ』、『PARKS パークス』などを見ると懐かしく。あの時、たしかに自分はそこにいたんだなと。

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