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ひとりゲームジャムのススメ

2021年12月、新作ゲーム開発がちょっと行き詰まっていた私は、息抜きにゲームジャムに参加しようと思い立ちました。

ゲームジャム(英: GameJam)とは、ゲームクリエイターが集まり短時間でゲームを制作するイベントのことである。(Wikipediaより引用)

しかし、

-意外とオフライン開催が多い(デスクトップPCは持ち込めない)

-グローバルゲームジャム(GGJ)は日程&体力(年齢…)的にキツい

-良さそうなジャムが海外開催(英語…)

などの理由から、参加を諦めていたところ同僚から煽られたため「じゃあひとりでやってやるよ!!」と売り言葉に買い言葉で「ひとりゲームジャム」を開催することにしました。

補足:冒頭に挙げたGGJは例年2泊3日で開催されることが多いのですが、今調べたら2022年は10日間の日程になっていましたので、例年より緩そうです

ひとりゲームジャムとは?

1人でゲーム開発することです。

……普段の開発と何が違うのか? という話ですが、

-期間をある程度区切って、完成を目標に開催する

-開催をtwitterなどで宣言する

-ひとりで開発する

……上記の条件を満たせば、それは即ちひとりゲームジャムなのです!


ひとりで程よい目標を設定します

私の場合、以下を目標としました。

-徹夜、エナドリは禁止。目覚ましで起きない。無理はしない。(無理ができるならGGJに参加すればよい)食事と睡眠はきちんと摂る。

-金曜日下準備、土日開催、完成と公開を目標とする。データ公開はRPGアツマールを予定。後日ふりーむにアップするのもいいかも。

普段からSteamでゲームを販売しているのですが、ストアで公開しようとすると「翻訳を前提で作る」「有料に見合う品質にする」といった「面白いゲームを作る」とは逆のパブリッシャー的な要素に振り回されがち、「楽しくゲームを作ろう」も「売れるゲームを作らなくては」という焦りに取って代わられがちです。それが不純だとは思いませんが、たまには純粋に「作ること」に集中したい。

フリーゲーム投稿というとふりーむさんのイメージが自分は強いんですが、アツマールは遊びやすいフォーマットなので、今までのゲームと違う客層に届いて宣伝になるのでは、という期待もあり、まずそちらへ投稿するつもりで挑みます。

およそ目標が決まり「ゲームを作るためなら」と気合も入り準備が捗り、12月4〜5日に開催することを決定しました。

同僚に「なんかいい#タグない?」「開催したら差し入れよろしく」と集(たか)れば準備完了です。


1日目:ゲーム開発が予定通りに進むと思うなよ

始めたものの初日からいきなり予定通りに進みません。物量的にはいたって順調なのですが、自分が立てたスケジュールを無視して後半の作業から始めたりするためです。1人だと予定を変更しても誰にも迷惑かからないのでこうなる。

ただ、普段のゲーム開発と違い商用の要素を全部忘れて、文字数を気にせず日本語で好きなだけ書いていいし、キャラクターも描き下ろしじゃなくてフリー素材やシルエットをガンガン利用できるので、ゲームが仕上がっていくスピードは平時の比ではありません。

また、無料配布と決めているため「面白くならなくてもいい」、なんならクソゲーでも多分笑ってスルーしてもらえるだろうという制約のなさも、プレッシャーから開放される大きな要素です。

とはいえ作りたくもないゲームを作るのはまた違った苦痛となり得ます。私の本来得意とするところはシナリオのはずなので、できれば「短いけどお話は面白かった」と言ってもらえるよう設定を組み立てます。

短期間で作るという制約の中、現代物であれば説明も最小限で済み、背景素材も見つけやすくなります。


2日目:ゲーム開発が予定通りに進むと思うなよ

2日目は1日目よりもかなり進捗悪かったです。1日目なんとかしたはずのテキストボックス(メッセージウィンドウ)をまだなんとかしようとしてしまい、これで3〜4時間は潰れてしまいました。

夕方の時点でシナリオがほぼなんも書けてない状態だったので、早々に諦めがつき当日公開を諦めます。

画面がゲームっぽくないので、この辺りはどうにか直したいところです。


2日目を終え、ジャムを振り返る

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めちゃくちゃ勉強になりました。というか勉強にしかならんかった。普段からなんとなくそうかな〜と思っていたことを身をもって知ることになりました。

ゲームを完成させるには、普段から積み重ねている「経験」も必要ですが、同じくらい素材やスクリプトなどの「リソースストック」の多さ、すなわち「探す」「調べる」時間をいかに短縮するかが鍵であり、それはジャムのみならず、ともすれば制作期間が延び日の目を見ず終わる残念な個人開発あるあるを打破する「銀の弾丸」になり得ます。

などと偉そうに言うてますけども、本当のシルバーブレットは、豪華なケーキを差し入れてくれた同僚と、使用ツールRen'Pyにめちゃくちゃ詳しい助言をくださる知人のプログラマさんです。誰かに助けてもらうという点では「ひとりひとり詐欺」ですが私が勝手に決めて始めたジャムなのでOKとしましょう!

続・ひとりゲームジャム宣言 〜チート期間突入〜

予定通り2日間では完成しなかったゲームジャムですが、私の実力からすると想定内です。

今後は、やってみたいことを一通りテスト+シナリオ大筋準備して、+2日で作るのはどうかな? と思い立ち、現在スクリプトのサンプルを切り貼りしたり、アイコンの画像なんかを作ってリソースストックを貯めています。

2日以内になんとかしなくては! というプレッシャーから一旦解き放たれ、3〜4日リソース収集に集中できる、この緩急もなかなかいい感じです。

次回開催は12月11日〜12日を予定しています。準備は順調ですが、これでも完成しないかも知れない、その場合はまた延長すれば…と、どんどん原型がなくなっていきますが、そこそこの期間で完成と公開すればいいことにします。

緩い、無理しない、自由、なのに勉強になる。それがひとりゲームジャム。みなさまも挑戦してはいかがでしょうか。


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これは差し入れのアップルパイ(ル・プチメック)


追記:ジャムゲー完成&公開しました


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