フィルム写真にメリットはない
私は写真を撮ることが好きで、ミラーレス一眼を購入してからかれこれ3年くらいが経っている。最近、祖母からフィルムカメラを授かった。今ではほとんど記憶がないが、私が幼い頃に亡くなった祖父のものだ。
フィルムは36枚撮り1つで2000円弱くらいするし、現像+データ化で更に2000円弱くらいする。おまけに解像感、撮れる枚数、露光、データ保管、仕上がりなど、ほぼ全ての項目についてデジタルの方が扱いやすい。
「誰が使うんだこんな遺物」
と思いながらも、写真好きを名乗るにはフィルム触っておくかという気持ちで、試しに撮ってみることにした。それに、使わずに批判するのは気分が悪い。
フィルムはkodak gold 200を購入。早速、写真を撮りに行った。36枚を撮り終えるまで3日くらいだった。あっという間のようで密度がある、独特な時間だ。
フィルムを使う前は特にメリットの無いお金に余裕のある人の娯楽と思っていた。実際に使ってみても特にその意見は変わらないが、なんかもうどうでもいい。
楽しい。
しっかりと写真を撮る、その行為がいい。フィルムをセットして、レバーで巻く、露光を測る、どんな画にしたいかを想像する、フォルムを巻き上げる、その所作。
1枚に100円程度かかっているとなると嫌でもどんな画にするか思考をする。構図や物の配置、露光を意識して撮影するモードになる。まあこれはフィルムの値段が高騰している現代ならではの所作だろうか。
現像してもらった写真を見てもやはり、フィルムがデジタルに勝っているところはない。色味が安定していないし、変な光が入るし、露光も取りずらいし、水平も難しい。これからもデジタルを使っていくだろう。
ただ、写真はカメラが撮るのではない。私が撮る。そして、フィルムカメラは私のモードを変える。
これは、性能やメリットを超えている。
性能が高ければパフォーマンスを出せるわけではない。
写真が上手い人はどんなカメラを使ってもいい写真を撮るだろう。
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