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とあるエンジニア組織が成長していく軌跡(第4回 3カ年計画編 後編)

ビジョンの種を見つけ出し、3か年計画を立て始めます

前回の振り返り

ビジョンを見つけるために、3年後どうなっていたいか。を考え、2年後どうあるべきか。1年後に何をしているべきか。とブレイクしていきました。

3年後(という理想的な)の組織イメージ

今の採用を考える上で、選ぶ側だと思っている方は少ないと思います。
売り手市場だから。とかではなく、働く人の考え方が根底から変わってきていますよね。もはや、企業が人を選ぶ時代なんて終わっています。

また、キャリア形成を重要視する風潮は、より一層強くなります。
企業がキャリアを創ってくれる、なんて幻想ですし、キャリア形成の為に会社を選ぶ事は、当たり前の事です。

如何に優秀な人に選んでもらえる組織であるか。
また、働く人のキャリアと、組織の求める成果を結べる組織であるか。

この2点を叶えられている組織である必要があります。
そしてこれらが出来ているためには、その時代に応じた素晴らしい組織的な取り組みを、率先して行われている組織であり、他社からも参考にされるような組織になっているはずです。

2年後の組織イメージ

他社から参考にされるような、素晴らしい取り組みが行えるためには、沢山の試行が行える組織にならないといけません。
かといって、試行がトップダウンで行われる形では、考え判断するトップがボトルネックとなりますし、大きな成功、大きな失敗のどちらかになりやすく、また、長期に渡ってしまうため、試行回数も減ります。

そのため、より小さな成功と失敗を繰返し、是正していく事が当たり前になることが最優先です。またそれは、なるべくチャレンジが発生する現場の近くでチーミングが行われている事が望ましい状況です。

※チーミング
こちらの本で定義されている、チーム一丸となってタスクに取り組み、細かい反省・改善を繰返し、チームとして最大の効果を発揮するためのフレームワーク

そのため、

各チーム単位で自律しており、同じベクトルに向かい改善し続け、成果を出している組織

になる必要があると考えました。

1年後の組織イメージ

自律し、チーム単位で改善を繰り返す場合、一番問題と成るのが、そのチームの発言力と発想力です。

3年後のイメージを達成するためには、自チームの課題のみを追求する(個別最適化)のでは、まったくもって意味が無く、フロー上の問題を見つけ、それを改善する事が必要になります(全体最適化)

その時、フロー上の問題(ボトルネック)が、自チーム内に内包されていないケースがあります。この時、関連チームの問題を想像しうる発想力と、その解決策に説得力を持たせる、発言力の両方が必要となります。

発想力は、まず「相手を知る」事が必要です。相手(の想いや仕事内容等)を知り、解消につながるプランニングを共に立て、それを解決に導くことで、より発言力が高まります。

相手の領域に踏み込み、信頼を勝ち取り、発言力を増す

この状況を作らなければ、自らが感じる問題点の解消は、そもそも出来ない。という事ですね。

端的に表すワードを考えて、年間VISIONにする

これらのイメージを、1年ごとに一言レベルに置き換えました。

1年目: Just in Time Delivery
2年目:自律する組織
3年目:参考にされる組織
※まんま過ぎますが、わかりやすさ優先で。
※1年目は、モノづくりする上で、発言力を増すためのキーワード

そして、半期ごとに、これらのVISIONを達成するためのVISIONを、
テーマ として設置し、より方向性を統一しやすいようにしました。

後は伝え方を考える

プレゼン練習しまくりましょう。

まとめ

省略してますが、部内の課長陣には事前に考えを伝え、賛同を得つつ、CIOとの価値観すり合わせて、メンバーに展開しています。

また、これらの戦略は3か月ごとに見直していて、自分のメンバーを見る目も、この年間ビジョンを主となる観点として、見るようにしています。

結局、どれだけ大層な事を考えていても、伝え実行していくことをしなければ、本当に無意味になりますし、そもそも考えなしに組織運営するのは愚の骨頂。組織成長は、ミッションの達成とメンバーのキャリアの底上げに貢献すべきですから、振り返りしながら進めないといけないですね。

次回は

評価制度の見直しについて、書いていけたらと思います。

このシリーズの投稿はこちらにまとめています