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初めてのIMAXレーザー体験はトップガン マーヴェリックだった

筆者は軍用機が好きである。
無骨で実用性に特化したフォルム。様々なテクノロジーを搭載した機体。そして何より、ミリタリー趣味の魅力は知的好奇心が満たされることにあると思う。
普段一般人の目に触れる機会は少ない航空機、または兵器の性能、効果、歴史を知ることは人間の戦争の歴史を知ることでもある。

前置きは短めにしたいので早々に切り上げるが、多くのミリオタたちの例にもれず、筆者も公開日の翌日には「トップガン マーヴェリック」を見るために新宿の劇場に足を運んだ。
日本でも数少ないIMAXレーザーの劇場がある新宿TOHOシネマが目当てだった。

数日前のチケット予約争奪戦になんとか勝利した筆者は当日、新宿の地に降り立った。
映画は好きだが、今まで一度もIMAXレーザーで鑑賞したことはなかった。IMAXのある劇場は限られているし、価格も少し高めなのでわざわざ観に行く理由がなかったので、基本的には近場のDollby  Atmosの劇場でみることが多かった。

しかし予約の前日、トップガンのPR記事で「F/A-18にIMAXカメラを6台搭載して撮影した」という一文を見かけてしまった。見てしまったのである。

「IMAXカメラ6台?」

IMAXカメラは昔、トランスフォーマーの撮影に使われている映像を見たことがあるので「結構大きいな」という印象を抱いていた。そしてもちろん、戦闘機のコクピットの狭さは知っている。そこに、カメラを6台?

その言葉に興味を持ってしまったこと、そしてトップガン マーヴェリックはIMAXに最適化されていることを知った以上、IMAX以外でみるという選択肢はなくなってしまった。しかもIMAXだと他の劇場のスクリーンに比べて画角が広いという。

映画というコンテンツが好きな筆者は、撮影クルーたちが作った映像を最大に活かされた環境で観たいと思ってしまった。
ということで激戦区新宿の映画館を予約することになったのである。

映画館には慣れている。月に一回くらいの頻度で劇場に訪れている。IMAX3Dは何度か見たことがある。しかし、裸眼のIMAXは初めてであった。

3Dの劇場に劣らない音質。大きく明るいスクリーン。
予告が終わって本編に入った瞬間に、あっというまに映画の世界に引き込まれた。映画が始まった瞬間、そこは確かに空母の上であり、トップガンアンセムが流れた瞬間に筆者は2022年に居ながら、心は80年代のアメリカにタイムスリップしていた。

筆者はトップガン(前作)が好きなのである。
そこには古き良きアメリアへのあこがれとロマンが詰まっている。お気に入りの映画として、スター・ウォーズ初期三部作とともにiPhoneにダウンロードしていつでも観れる状態になっている程だ。
さて、「トップガン マーヴェリック」の感想に入る前に、前作についてかるーく触れて置きたい。これは重要なことなのである。
もうこの時点で1000文字を超えているが、読者の皆様には頑張っていただきたい。ここが、この記事の折り返し地点である。


トップガン一作目で筆者が一番好きなシーンは、Danger Zoneが流れる発艦シーンでも、終盤のドッグファイトシーンでもない。
マーヴェリックがバーでナンパするために唐突に歌いだし、その場に居る海軍全員で合唱を始めるところが、なによりも好きなのである。
なぜならあのシーンには、日本人の、アメリカ映画に憧れた一般人の、古きよきアメリカに対する郷愁(偏見)が詰まっているからだ。
「ああ、これこそアメリカ海軍だよ!」という、なぞのテンションがあのシーンにあるのだ。

というわけで、前作と同じようにTopGun Anthemから始まった作品を、当時のそのテンションで視聴を開始したとたん、現代のトム・クルーズが画面に出てくる。本人所蔵のP-51 マスタングとともに。
ちなみにあのP-51がトム・クルーズ本人の私物だということはあとから知った。ハリウッドセレブは規模が違う。

IMAXでみてよかったと思った理由の一つに、画角の広さはもちろんなのだが音質が非常に良いという点が挙げられる。
F/A-18のエンジンの爆音が、劇場の高音質スピーカーから重低音の振動となって肺を直撃するのである。やはり音はボディで体感するのが一番良い。動画配信サービスで視聴するのも便利で良いが、劇場ならではの体感はまた別格なのだ。

ということでIMAXの音圧を肺に受けつつ、高画質のスクリーンを一秒たりとも見逃すものかと目を見張って鑑賞した結果、上映後はいつも以上に疲労を感じることになった。
こんなに疲れる映画は未だかつてなかったのではないだろうかと思う。

ちなみに筆者は前作のトップガンは劇場で観たことはない。生まれる前の作品だ。だからこそ、今作を劇場で観てよかったと思う。
前の週に横田基地の友好祭で見た実物の空軍戦闘機、輸送機とはまた違った音圧の強さという体験が劇場でできたのだから。

雨上がりの横田基地に鎮座している米空軍のF-15

映画の感想はいろんな方が書いているだろうし、今更書くこともそんなにない。とにかく最新の技術と郷愁が詰まった映画であるという点だけ強調させていただきたい。もし、前作を観ていないままトップガン マーヴェリックを鑑賞しようと思っている方がこの記事を読んでいたら、ぜひとも前作を観てからにすることをおすすめする。絶対に後悔はしないから。

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