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いつかフリースクールをつくるための糧

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スウェーデン社会で学んで働いてきた自分だからできるフリースクールをいつか日本につくりたい。それをできるだけ具体的な目標にしていくために、福祉や教育について綴ります。
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記事一覧

山を越えたからこそ見える新しい道

うつと自分の性格とできるだけ正面から向き合って、薬とカウンセリングによる治療にも前向きに取り組んで、約二年が経とうとしています。当初を振り返れば、まあ酷い状態でした…今の自分との違いを思うと、うつとは本当に「体」の「病気」なのだなと実感します。そして育ちによってできてしまった認知の歪みや生き方の傾向も、変わりたいという強い想いがあれば少しずつ変えていくこともできる。大事なのは、その「変わりたい」という思いを育て、支えてくれる人々や環境が周りにあるかどうかなのではと思います。

子どもみたいな屁理屈がウケる子どもみたいな社会で

先月6月はプライド月間で、こちらスウェーデンの第二都市でも色々なイベントや啓発運動が催されました。首都ストックホルムのプライドイベントは例年8月に行われ、今年もきっと盛大に開かれることと思います。 最近は日本でも多様性を受け入れる動きが目に見えて表れていますね。こちらの図書館のアカウントがあると「Pressreader」というアプリを無料で利用できることを知り、その中に毎日新聞も含まれているので時々読んでいるのですが、記事の見出しに「多様性」や「ジェンダー」という言葉が大き

発達障害は本当に増えたのか?

ここ数年、子どもか大人かに関わらず、何かしら伝達に難があったり、著しく協調する力に欠けていたりすると、まず「発達障害」を疑うことが一般的になりつつあるように思います。それは発達障害のある人間が増えたからなのでしょうか? 私個人の感覚では、今の世で「発達障害」と言われるような行動を取る人は昔からある一定数いて、それが今までは特に大きく問題にはならなかったのが、最近になって「問題」として取り上げられるようになってきたということではないかと感じています。 情報に溢れ、変化が多く

フリースクール支援と本来の学校の存在意義

滋賀県東近江市長の問題発言でスポットライトが当たったフリースクール支援。「不登校の大半は親の責任だ」という発言が一番問題視されているようだ。切り取られた発言を見るだけでは意図を正しくは測りかねるし、子どもの不登校に親の影響があることは、全てではないにしろ事実ではある。正論だとしても思いやりのない発言のし方は不和や誤解を招き、リーダーとしての素質を疑われる行為なので、市長は叱られるべくして叱られているのでそれはそれとして。 その後の弁解では、「文部科学省がもう少し運営の基準や

「オヤカク」に背筋も凍る

いつものようにNHKニュースのヘッドラインをチェックしていて目に泊まった「オヤカク」「保護者が就活に」という見出し。その字面だけで日本社会の歪みがひしひしと表れているような気がして、早速記事を読んでみた。 オヤカクとは 親確。就職活動において、企業が学生に内定を出す際に、保護者の確認を事前に取っておくこと。子どもの内定企業から保護者に内定への賛否の問い合わせの電話が来たり、「入社誓約書」などの文書に保護者の署名を求められたり、方法は様々。2024年1月のマイナビの調査で、