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山手線周遊 JR新橋駅界隈 毎度、古い話で申し訳ないが、もう70歳台半ばにさしかかる、長く人生をやってきた人間にとって、記憶のなかから湧き出るように蘇るのでご容赦ください。 新橋というと、ドキュメンタリー映像で見る街頭テレビを取り囲む、どよめく群衆が驚愕だった。20何インチかの小さな（当時として大きかった）テレビが広場にぽつんと2台、群衆はそれぞれの小さな画面を押し合いながら小さなん画面をのぞき一喜一憂する。出し物のメインはプロレス中継だ。昭和29年、1954年、力道山と木村正彦。敵は鬼畜シャープ兄弟。僕はまだちいさくてリアルに見ているわけでもない。我が家にもまだテレビはなかった。 中学生になった時、はじめて西口広場に立った時、群衆のどよめきが蘇ったことが増幅されてさも自分もそこにいたような気がした。 大学時代に新橋に行くことはあまりなかった。いつのまにか駅前広場は整備されSLが鎮座していることも知らなかった。 独立してフリーランスの写真家になると僕はクルマ生活となり、ほとんど電車に乗ることもなくなった。電通の仕事するようになり、なんどか友人と新橋で飲んだことがあった。 1982年父親が亡くなった年、葬儀の折知りあった、僕と同世代の父親の教え子たちと、後日父の行きつけだった新橋にある飲み屋に、誘われて行った。 僕は父親とそのようなところに行ったことがなかった。フリーになったばかりのころ、僕がある雑誌の東ドイツ取材に行く前、西ドイツに駐在したことのある父の同僚を、料亭のようなところで紹介してくれたことがあったぐらいだ。まだ僕も若く、父親と対等に酒を飲む関係ではなかった。 新橋の飲み屋女将に挨拶したが、僕の知らない父親の話を聞いても会話は弾まなかった。 　　横木安良夫

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COVER PHOTO   AKIKO KURATA

7月15日　撮影会⁺写真集 参加募集　JR 高輪ゲートウエイ駅界隈
https://note.com/alao_yokogi/n/nba1d4e806a44?fbclid=IwAR3xMgiT2i46DMIbnGsjy9oRYAvF6cmUqCyOaHMZcvaQd-hjyqhQAPMOBAM