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シラクーサ考古学地区の、ギリシャ劇場

<イタリア旅行記(2013年 シチリア横断)no.77>

シラクーサ(Siracusa )の考古学地区は、鉄道駅の北側に広がっています。
考古学博物館の裏にあるのが、こちら、カタコンベです。

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サン・ジョヴァンニ・エヴァンジェリスタ教会
(Catacombe di San Giovanni)

「カタコンベ(Catacombe)」とは、「地下墓所」のこと。
元々、シラクーサの初代司教であった聖マルツァーノのお墓があり、
6世紀、そこに建てられ教会で、当時は、大聖堂(Catedrale)としても使われていたそうです。

大聖堂としての役割は、残念ながら、7世紀に、オルティージャ島の改築したアテネ神殿に移ってしまい、そこからは苦難の道。
破壊、再建を経て、1693年の大地震で崩壊。
現在の姿となったそうです。

中に入る事もできたのですが、私は、カタコンベは、少し苦手でして…。
外観のみを堪能しました。

そのまま、テオクリト通り(Viale Teocrito)を西へ。
さらに広がっている考古学地区の入口付近に、祭壇跡がありました。

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ヒエロン2世の祭壇
(Ara di Ierone Ⅱ)

紀元前3世紀に、公の供物(くもつ)を捧げる為に造られた場所で、
当時の大きさは、22 m× 198 m 程あったとか。
イメージをするだけでも、かなり大きいですよね。
祭壇前に広がるスペースには、真ん中に四角い穴が開いていて、プールとして使われていたそうです。
ちょっと分かりにくいですが、見えるでしょうか。(写真・右奥)

さらに進むと、見どころのひとつでもある、ギリシャ劇場(Teatro Greco)が、目の前に現れます。

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ギリシャ劇場
(Teatro Greco)

記録では、紀元前5世紀、既に、演劇を上演していた先在の小劇場があり、
その場所を、紀元前3世紀に、ヒエロン2世が、拡張させ造らせたもの。

石場をすっぽりと、くり抜いていて、最大1万5000 人を収容できたそうです。
16世紀以降、観客席の上部は、取り崩されて、要塞等の建材として使われ、現在の姿は、少し小さくなっています。

観客席の一番上まで上がり、そこから全体像を眺めました。

イタリアの、他の街にもあるギリシャ劇場。
同じ石造りでも、本当に、様々です。
それぞれの特徴がありますが、シラクーサの劇場も、目の前は、すこん!と抜けていて、その奥には、碧い海、青い空が広がっています。
ふと、タオルミーナ(Taormina)のギリシャ劇場を思い出しました。


ちょうど、夏フェスティバルの時期(6月末)だったので、
この遺跡にも、タオルミーナ同様、簡易シートなどが設置され、演劇&コンサート等が上演できるように、準備されてました。

それにしても、本当に、気持ちが良いな。
ここで、少しの間、ゆっくりと劇場と海、空を眺めていました。


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