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シームレスに生きたい

さてさて、あっという間に12月。12月に入ると色々なところで聞く「今年が今までで一番早い1年だったわ!」って言葉。毎年言っている。そんなこんなで、2023年のお正月も何なら去年の仕事納めの日も先々週くらいの感覚で鮮明に覚えているのに、1ヶ月以内に同じ光景を目にするなんて、ワープでもしたんか?ってくらいのスピードで日々は過ぎる。

タイトルの「シームレスに生きたい」という言葉は私の言葉ではなく、元カレの言葉なんだけど、未だに忘れられない言葉。たしか、ワーカホリックな彼が毎日深夜まで働いていて、週末は平日の為に1日中寝て過ごすような生活をしていて、休みもほとんど取れず、2人で出掛ける思い出なんてほぼない状態の時に、私が時間の使い方に関して聞いたら返ってきた一言だったと思う。ちなみにその時の私の問いは「仕事ばかりしていて、プライベートの思い出もなく日々が過ぎていっていいの?」みたいな単純に質問だった。

私は、生きるうえで「時間」というものが何よりも大切だと思っている。自分に与えられている時間はいつ失ってもおかしくないからね。ネガティブな意味ではなく、当たり前に明日は来るかは分からないくらいに思っている節がある。だから過ぎる時間の中で「刻む」ということが大切なのだ。

「刻む」というのは「思い出を刻む」「記憶を刻む」ということ。
2023年はここに行って、こんな思い出を作った。こんなことを達成した。2023年はこんな1年だった。と毎年その1年が自分の中で刻まれて思い出が出来るように過ごしている。1ヶ月ごとにその月にやりたい事、行きたい場所、買いたいものなどを決めて、それを1年間積み上げていくのだ。
そうやって積み上げたものを年末に振り返って、今年はこんなことが出来た1年だったなぁ。今年の目玉はこれだな!とか考えることでその年を特別なものにする。
過去を振り返っても必ずこの年にはこれをしたというものがある。私にとってだいたいは旅行がその役割を担っていて、この年にはこの国に行ったなって思い返すとそれぞれの年を鮮明に思い出すことが出来る。

そんな刻みたがりの自分からすると彼の「シームレスに生きる=日々同じことを繰り返す」という生き方が理解できなかった。もちろんそういう生き方を否定することはないけど、これが価値観の違いなんだろな。

毎年季節は繰り返すし、行事が変わるわけでもないけれど、それでも毎年季節の草花を見て楽しみたいし、季節のイベントだって盛大に祝いたい。
もしかしたら、これは育った環境が影響しているのかもしれないけれど、元々我が家は両親がイベント好きで特にクリスマス好きの母は毎年家のあちこちにデコレーションをして、クリスマスの日はチキンを丸ごとオーブンで焼いてくれたり、父は毎年動画を撮って毎年のクリスマスを記録したりした。
それに加えてアメリカで暮らしていたこともあって、イベントにかける街中の本気度をビシビシと感じながら育ったから、1年の中でも色々なイベントを大切にして思い出を重ねていくことが当たり前だと思っていた。
そうして日々を生きていることで、1年を終えるときに今年はこんなことがあったねと思い出して充実した気持ちになれるのだ。

人はベルトコンベアーに乗っているように生きている。
時間は何も考えていなくても、同じことをして過ごしていても、気が付いたら過ぎてしまっているものだ。過ぎた時間には戻れない。
だから忙殺されて、なにをしていたんだっけ?と記憶のない日々を送るより、今年はこんなことが出来た1年だったねと言って締めくくれるように時間を大切に過ごしたい。たくさん刻んで生きていたい。

さぁ、2023年も残り1ヶ月を切ったけど、残りの時間で何を刻もうか。



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