航空料金の格差 続き



これは、2018年8月に、書いたものである。

グーグルフライイツの使い方を説明している記事のなかに、米国から日本よりも、中国に飛んだほうが安くあがるという記述があったので、今回はこれを確かめることにしよう。

最初は、ハワイのホノルルから上海への往復料金を調べる。

10月16日10時10分、ホノルル発、上海着は翌日の14時50分、中国東方航空の直行便である。帰りの詳細は省略。所要時間は、行きが10時間40分、帰りが9時間50分。往復料金は8万7803円。

ホノルル成田間の最安値は、大韓航空による8万0299円。往復時間は15時間50分。ホノルル上海間よりも5時間ちかく短いのに、わずか7000円ほどしか安くならない。

グーグルフライツでは、出発地と到着地を1クリックで、交換できるので、入れ替えてみると、上海発ホノルル着の往復料金は、なぜか料金不明と表示された。

では、中国系アメリカ人も多い、西海岸のロサンゼルスから北京へ飛ぶことにしよう。

出発と到着時刻は省略。アメリカン航空による直行便の往復料金は、なんと破格の7万0120円。

ロサンゼルスから羽田へは、最安値でも8万2743円もかかるから、中国へ向かうほうが安くつく。

ロサンゼルス北京間の所要時間は、行きは13時間、帰りが12時間25分。ホノルル上海間に比べて、およそ5時間も長く航空燃料を消費しているのに、1万7000円ちかく安い。

北京ロサンゼルス間は、中国国際航空とアメリカン航空が、同じ5万4797円。もちろん、往復料金である。中国政府は、航空会社に補助金を出しているのではないかと、思わず疑ってしまう。

同じ日に北京から羽田に飛ぶと、最安値は、全日空を使う4万0867円。これも、往復料金。

北京ロサンゼルス間の往復時間が、24時間50分、いっぽう北京羽田間は7時間35分にすぎないのに、料金は、5万4797円と4万0867円。これは、いかにも不条理ではないか。

最後は、東海岸のニューヨークから北京へ。はたして、直行便はあるのだろうか。

10月中旬に2週間の中国旅行を考えるニューヨーカーの支払額の最安値は、中国国際航空による8万6565円。往復時間は27時間。

同じく、10中旬に2週間のアメリカ旅行を考える中国人にとって、9万0022円が最安値である。

同じ期間にニューヨークから羽田に飛ぶなら、最安値は、全日空とユナイテッド航空の12万7802円。

確かに、ニューヨークからは、羽田よりも北京に飛ぶほうが、4万円あまり安くなる。

バスや鉄道では、遠くまで行くほうが安くつくなんて、まず考えられないが、航空料金は、本当に摩訶不思議としか言いようがない。

結論。ロサンゼルスやニューヨークから飛ぶときは、日本よりも中国へ行くほうが安い。

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