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【訳あり姫君スピンオフストーリー】恋愛ファンタジーショート:宰相殿下様の奇妙な日々 第3話

前話

弟3話
必死に小走りでついて行く。殿下は足が長いから歩もまた大きい。書類をゆさゆさしながらついて行く。途中で、ピタリ、と殿下の足が止まった。見下ろす窓からは華の宮が見えていた。今では、ウルガー王太子様の婚約者ゼルマ姫が住んでいるという。今は、木の宮にいていらっしゃらないけれど。殿下は、もしかして・・・。
 考えるだけできゅっと胸が苦しくなった。何が自分に起こったのかわからなかった。それを無視して先に陛下の執務室に行こうとすると何かに引っかかった。
 ずべっ。
 私は絨毯の角に足を引っかけて豪快にと自分で言うのもなんだけどすっころぶ。書類が散乱する。
「ああ~。待って。飛ばないで~」
 風が書類を飛ばしていく。それでも必死になって集める。いつしか誰かがの手が書類を集めていた。ふっと顔をあげると呆れた殿下の顔があった。
「見事に転んでくれたね。どうすればそう、失敗の山を築けるんだ?」
「失敗はまだ二度目です」
「そうだったね。これでは順番がバラバラだ。もう一度まとめ直さねば。手伝ってもらってもいいね」
 断定だった。そりゃ、飛ばしたの私だもの。肯くしか無かった。また執務室に戻る。
「えーと。これが一でこっちが十で・・・」
 ぶつぶつ言いながら頁をそろえていく。すっすっ、とそれは簡単にできた。
「へぇ~。そういう細かい作業はちゃんとできるんだね。そりゃ、メイドの試験に受かるわけだ。ざるの網をくぐったんだね」
「ちゃんと試験はうけました。裏口入学できるほど家にお金はありません!」
 思わず言うと、宰相殿下様はまた目を点にしていた。
「君。メガネ外してみれば?」
 いきなりメガネを外されて私は戸惑ったのだった。


あとがき
いやー。あるあるネタの連発です。なんでかダーウィットお兄様の恋愛の話が当時浮かんだのですよね。マティアスはあまりなかったのに。今日も大奥。目が離せません。野球は今週はオープン戦も見れない。中継してくれない。ので、明日仕事頑張って土曜日にハイスペックPCを手に入れるぞー!

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