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【連載小説+あとがき+エッセイの勉強中】恋愛ファンタジー小説:正直な王子と正直じゃない姫君(6)命削る魔力 +エッセイの勉強中「トラが吠えた」

前話

 戦がはじまった、らしい。小競り合いとは言っても大きいようだ。負傷した兵が運ばれてくる。あたしは多数の使用人に混じって治療にあたった。見るも無惨な傷跡にあたしは目を背けたくなった。それでも必死で見る。そしてあたしだけにできる、魔力を使った治療を行う。

「ああ。姫君。ついに私の所にも」

 あたしが普通の医療行為でない事をしているのは噂が立っていたらしい。立てるなら行列を作りたい、と言った兵士もいた。異端視されようがされまいが、この人達の役に立てれば、と必死で魔力を使った。そのあたしの肩に手を置く人がいた。

「王妃様」

「その手はやめなさい。あなたが死んでしまうわ。魔力とは自ずと使える範囲がある。これ以上すれば、あなたは命を落としてしまう。エルンストも悲しむわ」

 王妃の言葉にあたしは首を横に振る。

「この方達はこの国のために怪我をされました。出来る事があるならしたいのです。どうせ、あたしは二千年前に死んでいた人間。今更、この命惜しくもありません」

 そう言って王妃の手を振り切って治療に当たった。治療している間に王妃はあたしの頬を平手打ちにした。ぱしん、と渇いた音が響く。

「王妃様!」

「あなたは今を生きているのよ。昔に生きている人間ではないはず。今、このときを生きているの。命を無駄に散らすのだけはやめなさい。この争いが終われば城を出ることも一般市民になる事も許すわ。でも、ここで死ぬことだけはやめて頂戴。死がどれほど悲しいことか解ってるでしょう?」

「はい」

 治療していたあたしの手が落ちた。ここでは死んでいく人も多数いる。そして遺体を引き取りに来た家族は泣いていた。これ以上、ここをかき乱すことはおやめなさい、と暗に王妃は言っていた。これ以上余計な死人を出すな、と。

 あたしは治療場と化している広間から出て行く。走りながらあたしの頬に伝うものがあった。涙、だった。

 城のなかで固いオークの巨木が立っている所まで一気に走った。オークの木にすがりつきながら、あたしは泣いた。わんわん、と。それからしばらくして涙は止まった。

「こんな情けない姿、見せちゃいけないわね。まだ、姫、だもの」

 そうしてまた元の場所に戻ろうとした。だけど、足が動かなかった。魔力以外の治療方法を知らない。あたしは、なんて無力なんだろうか、とずりずりと地面に座りこんだ。

 そのあたしに手を差し出した人間がいた。すぐに誰だか解らなかった。甲冑をつけていたから。下から上を見上げるとエルンストが兜をあけてにっ、とへたれ笑いを披露していた。

「エルンスト!」

 あたしは、知らず知らず、エルンストに抱きついていた。

「役得。役得」

「馬鹿」

 そう言って出ている頬をぺちっと叩く。エルンストは死ななかった。それだけであたしはここにいることはよかったんだ、と思った。

 死人が生を許されている事に神に感謝したかった。そしてそれを教えてくれたエルンストや王妃にも。

「エリアーナ」

「何?」

「この戦は終わった。城を出よう」

 !

 あたしはエルンストを凝視するばかりだった。



【あとがき】
なんやら、この話は移動が多いわね。場面展開が多い。カフェインをとってるにもかかわらず、野球が動かないのを見ていると眠気がやってくる。ので暇つぶしにパックを始めました。たまにはケアを。ドラゴンズが先制したけどね。あとがきにも、エルンストがかっこいい。ヘタレなのにラストは決めた。ウルガーもこういうやつだったら面白いのに。いつもかっこいいウルガーなんだよね。他人には高圧という別の面もあるけれど。パックも終わり、夜食にトーストを食べて戻ってくると危機。2点目入れられてます。目覚めてくれるのを期待して、ゆっくり観戦を続けます。根気比べだ。明日はデイゲーム。昼間だしね。同じ時間を過ごすということでリアルで見てます。もう八回。。はや。そういえば、この物語大方終わりそうです。家出したらほぼ終わりです。同棲生活。でも清い仲というのがここの強さ。健全よね。健全のはずがお姉さんには通じなかった。で、自主規制で改稿したんですよね。でもさらに凶暴な長女がいる。これはどう解決すれば……。そして姪の一人の早熟さ。姉はともかく妹が……。遊び人が相手なんで。眠り姫シリーズとして少しずつ載せていきます。お楽しみに。

【エッセイの勉強中】「トラが吠えた」
 二点先制されてたけれど同点まで持ってきました。執念のトラさんです。去年のねばりが出てきました。そして今、なぜか俳句と現代物小説にとりつかれている私。澄川市物語の一つの形を追求してしまい、他のものが浮かばない。そして歳時記をみては章立てに使ってます。俳句の年間はいったけど、まだ投句する気にはなれないな。墓参が季語のような。季節関係ないの? もう夏の季語よ。今、春なんですけど。ゴールウィークには夏になりますが。公休が続くので、明日は昨日買いに行ったペチュニアとサフィニアを植えて、それからラストになる土曜の夜には……。シリーズ30作目を書こうと思ってます。季語は決めてませんが、第一話の主人公に恋をもたらそうかと。ちょうど。野球も青柳さんに戻ってるし。しかし、駆け出しの小説家がBarの取材して誰と恋に落ちるの?? いや、公募の作品の取材か? 明日は考えよう。延長かもね。野球は。その間にスマホでUSBに保存したものを入れてよう。春の霞と山笑うまで行きました。春にするか初夏にするか。山笑うの章が字数足りないんでもうちょっと書きたいんですけど手に焦る試合状況。これが終わってから見ます。原稿は。また眠くなってきた。延長は怖い。もう、何も手につかなくなる。その前に終わって~~~~。目が疲れてきた。パソコン用のめがねかけているんだけど。最近、目の疲れが激しい。こまったもんだ。あ。漢検忘れてる。仕事行くので必死。今から書こうかな。腰が痛くて野球に身が入らない。延長決定。座骨神経痛なんすよ。お風呂で温めたけれど、痛い。仕事の時から歩けなくなるかと思うほど痛かった。そのときは股関節で右の膝も痛み、早退か? と思いつつやりきりました。ほんと神経系の痛みってやっかい。さて、土曜日の夜には……。書こうっと。明日をお待ちください。ここまで読んでくださってありがとうございました。


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