【連載小説】恋愛ファンタジー小説:正直な王子と正直じゃない姫君(2)外の世界
「まって。姫君~」
エルンストが走って追いかける。あたしは早々に横付けされていた白馬に乗る。やっぱり、王子様って白馬に乗っているのね。妙に感心しながら馬のたてがみを撫でる。
「いい子ね。あんな薄らぼんやりしたヤツからあたしに乗り換えない?」
不思議と馬の感情があたしに流れてきた。小さな男の子がいる。それに乗ろうと必死になっている。乗れたとき、少年の顔に笑顔がぱっと花開いた。
「なるほど。それがあいつなのね。仕方ないわ。王子の国に行くからそれまでは乗せていって」
お願いをすると白馬は一声鳴く。
「そいつは・・・って。姫君、馬乗れるの?」
「姫君としてのたしなみよ。馬ぐらい乗れるわ」
「おいしょっと」
エルンストがあたしの後ろに乗る。
「姫君は女の子乗りがいいよ。ドレスの下から足がにょっきりでている」
「悪かったわね!」
恥ずかしさの余りあたしは叫ぶと女の子座りになった。要するに、またがるのではなくて足を馬の背の片側にそろえて出す、という乗り方だ。これならドレスはめくり上がらない。
「そうそう。それと国に入っても驚かないでね。今、世界は魔法と機械が両立してるんだ。二千年も経てばそれぐらいは変わってるよ」
「余計なお世話よ。それぐらい知ってるわ!」
ムキになるあたしをあたし自身が不思議と思ってみていた。どうしたのかしら。あたし。きっとシャバに出たのが久しぶりすぎて気が立ってるんだわ。
「じゃ。行くよ」
エルンストがぱかぱか馬を歩かせる。業を煮やしたあたしはエルンストに噛みつく。
「早足ぐらいできないの? 国に着く頃にはあたしはおばあさんになってるわよ」
「あ。早駆けしても大丈夫? 俺、さっさとトイレに行きたいんだ」
それぐらい、道ばたでしろー!
言いたいのをぐっとこらえる。
「じゃ、しっかり掴まっててよ。走るから」
エルンストは白馬の胴を叩くとそれを合図のように走り出す。風が髪の毛を撫でていくというより大暴れしている。結んだ方がよかったかしら。
「ひ、姫君。髪の毛で前が見えないっ」
「国の戻り方ぐらい馬が知ってるわよ」
そうしてたどり着いた国にあたしは覚悟したいたとはいえ、カルチャーショックを受ける。
「金属が動いてる!」
「だから言ったろう? 不思議な現象が起こってるって」
*
「とりあえず、トイレトイレ」
エルンストが城に駆け込んでいく。男ならトイレに限らずどこでもトイレになるのに。と、あたしが思ってみてると急にお腹が鳴った。
「ちょっと。二千年間何も食べてないのよ! メシぐらいおごりなさい!」
修行ぐらいで起こされたあたしは妙ないらだちと不思議な感情を抱えて叫ぶ。速攻で帰ってきたエルンストが手招きする。
あの手、ちゃんと洗ったのかしら?
清潔好きなあたしから見るとうさんくさそうに見える。まぁ、手招きしているのは衛兵も見てるから入れるでしょ。
そう思って城の橋を渡る。と。衛兵に阻まれる。
「ちょっと! エルンスト! 見てないで城に入れてよ!」
衛兵の向こうにいるエルンストに怒鳴る。
「あ。ごめんごめん。この子、俺のお嫁さんだから顔を覚えてね」
『ワカリマシタ。カオニンシキトウロクシマシタ』
「え? これ、金属?」
ふらぁっと意識が遠のいていく。まさか人間の金属があるなんて・・・!
空腹で倒れているのかカルチャーショックで倒れているのか、あたしはわからぬまま、意識を手放した。
布団の中を敷き毛布で暖めている間、夜食に走るのではなく、(走りそう)部屋でおとなしくしてようと思って前に更新していた眠り姫のシリーズ1を出してます。改題してるのと表現を少々変えています。これはコミカルなので大丈夫だと思います。とりあえず、やっぱりおなかがすいた。パン食べてきます。一晩中暖めると水分不足で風邪を引くので寝る前に暖めることになってます。さっきは母が意地で直した加湿器をつかって湿度を上げていました。コンセントがたこ足状態で怖いです。まえはブレイカー落ちたし。
とりあえず、パン焼いて食べてきます。おやすみなさい。また、お話を継続して読んでいただける方を募集します。ブロックした若造が読んでくれてたけれど態度が失礼なので致し方なく。投稿しないで籍おくという神経がわからない。ではパンやめて早速寝ます。眠い。ここまで読んでくださってありがとうございました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?