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【連載小説】ファンタジー恋愛小説:氷晶の森の舞姫と灼熱の大地の王子第十五話前編 煌めく剣

前話

 アデーレの手に引かれてレオポルトは舞姫の練習場、湖の氷の上にやって来ていた。老賢者のアイシャード付きである。と言うか保護者か。
「おにいちゃん。剣舞できるんでしょう? おねえちゃんとやってー」
「やってー」
 アデーレの声に重ねてニコが声色と変えて言う。
「ニコ! お前も剣舞だぞ!」
「俺も、か?」
「トップバッターニコ! さぁ。ローレライとやってこい!」
 ニコの後ろに回り込むとばん、と背中を押す。おっとと、と練習舞台に出る。ローレライが近づく。
「やるのか?」
「ええ。もちろん」
 ローレライが手を引いて舞が始まる。銀糸が風に流れ美しい舞が始まる。ニコは剣を抜くと剣舞を合わせだす。騎士らしい剣舞に沿うようなローレライの舞。二人はお似合いだった。舞と剣舞が終わると、ローレライはニコに笑いかける。ニコもまんざらでないような表情だ。
「さ。レオ! ユレーネ様!」
 ニコが声をかける。
「様はつけないで。私はただの舞姫よ。さぁ、レオ、行くわよ」
「へいへい」
「レオ!」
「はい!」
「よろしい」
 二人の会話を吹き出さずに聞くのが無理だ。いつでもどこでも夫婦漫才だ。
 だが、舞と剣舞が始まると皆、口を閉ざした。
 そこには氷晶の様に舞うユレーネと灼熱の情熱を持ったレオポルトの舞と剣舞があった。
 若者の恋のような躍動感あふれる舞と剣舞。ユレーネに沿う形でレオポルトは時々、ユレーネの鳴らす腕輪に細身の剣をあわせてカキン、と音を鳴らす。雪が降るような舞に合わせていた剣舞が次第に熱を帯びてくる。レオポルトの情熱的な視線にユレーネもどきり、として気が一瞬散るが、すぐ剣舞に合わせ始める。大人の情熱的な恋が演じられる。やがて、大人の静かな愛に変わり、二国を背負う宿命的な二人がそれを越えて愛を通わす舞と剣舞に変わる。未来の婚礼の式を見ている気がする観衆である。
 やがて、もう一度、ユレーネの腕輪とレオポルトの煌めく剣が重ねて音を奏でると舞と剣舞は終わった。余韻がその舞台に残る。しばらく誰も口を開けなかった。
 口火を切ったのはアデーレだった。
「おにいちゃん! お姉ちゃん! すごいー。リリアーナもできる?」
 目をキラキラさせてアデーレが二人の元へ行く。
「リリアーナは女の子だからな。ユレーネに舞を教えてもらえ」
 そう言うとニコが揶揄する。三人以外はもう一大イベントを終えて安らいでいたのであった。


あとがき

気づけば二千字書いていました。ので分割しました。読みやすいように千五百字までぐらいにしてあります。大抵千二百字ぐらいです。四千字を一気か書きすることがなくなり、困ってます。提出小説は四千字タイプ。あと一話で第一部が終了する話があるのですが、これが書けないでいます。毎日千字書いて一日四千字が書けない。困った。もともと四千字でやりくりしていたのですが。
そして、やっぱり野球観戦中です。カルピスが飲みたくとも買いに行けないー。そして時間内に終わるのか? という所です。あと一時間ぐらいなのですが。今、飲むと血糖値が。レモン汁飲んでよう。

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