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墓まで持っていきたいゲーム Graze Counter

前置き長いんで本題まで飛ばすことを推奨。
STGうまくなりたいです

以下STGのプレイ歴
グラディウスシリーズ
ダライアスシリーズ
レイシリーズ
雷電シリーズ
アインハンダー
式神の城シリーズ
カラドリウス(最高難易度EX1㏄可)
ストラニア
Hellsinker.
サイヴァリア
アンダーディフィート
沙羅曼蛇
REVOLVER360
怒首領蜂 大復活
斑鳩
アスタブリード
思い出せばもっとあるかも

STGとは

STG、というゲームジャンルを御存じだろうか。
アーケードゲーム文化とともに生まれたそれは、縦STG、横STG、3ⅮSTG、弾幕STGと分家しながらも1点のゲーム性では共通している。
撃って敵を倒せ。そして敵弾を避けろ。
まず最初に3つの残機(ライフ)を持ち敵弾に当たったら即死。道中で残機を増やしていきつつもその残機が無くならないうちに全5~8面+EXのステージをクリアするのが基本的なSTGのルールだ。
シンプルなルールであるが、その内容は死に覚えゲー。何度も死んで敵の配置や攻撃パターンを覚えて自分の動きを最適化させ研ぎ澄ませてクリアする。そのクリアした先にある達成感のカタルシスは筆舌に尽くしがたいものがある。
その感覚自体は死にゲーのソウルシリーズにある意味では近いが、決められた自機を駆ってここでボム、ここでハイパーと緻密にパターンを組んでいく反復練習による達成感は現代死にゲーより原初に位置する快感だと考えている。

少々歴史のお話し

STGが最も流行ったのが90~10年代。

80年代

グラディウスやゼビウスといった後世に名を遺すSTGの祖が誕生する。またR-Typeという現代でも通用する陰惨たる世界観やバックストーリーを持ったゲームも生まれ、単純なゲームシステム以外にも着目されストーリー表現の場としてのSTGもこの時点で確立されていく。

90年代

レイストームやアインハンダー、レイディアントシルバーガンなどの多彩な攻撃方法を持った自機を操るゲームが流行し始めより一層STGというゲームジャンルは隆盛を極めることとなった。

0年代

東方シリーズや怒首領蜂などの弾幕STGによって更に激戦に。特に東方はゲーム性だけじゃなく音楽やキャラクターなども人気もあり二次創作しやすい環境も相まってゲームを知って遊ぶためのとっかかり作りが非常に強いゲームだった。
敵の同色弾に当たってエネルギーを貯める斑鳩、敵の弾にカスることによって無敵を得るサイヴァリアなど敵の弾を利用して進んでいくゲームも生まれSTGというジャンルは多様化を突き進めていった。
そしてそれらすべてのSTGの究極系であり伝説ともいえるHellsinker.の誕生。Hellsinker.、是非とも遊んでみてほしい。チュートリアルとマニュアルがラスボスともいえるほど難解なのでとっつきにくいが…。

現在

2022年現在ではSTGは流行っているとは言い難い。同じくアーケード文化の格ゲーが衰退ジャンルだと言われているのを目にするが、正直なところSTGファン目線でもこちらの方が衰退していると感じる。だって新作出ねぇんだもん。
理由は主に難易度のインフレ化だ
音ゲーは100円で3曲、格ゲーやガンダムは100円で負けるまで。といったように回転率が良いがSTGは100円で遊べる時間が1~5面で30分近くかかり、クリアできる腕前さえあれば長時間を遊べてしまう。開店から閉店までの10数時間をたった3000円で過ごすこともできてしまう。
そして上記のコンティニューさせるもしくはゲームオーバーで100円を入れさせるアーケードゲーム文化が根付いているゲームジャンルの為、難易度を上げることがお金の回収率に繋がってしまうのだ。インフレした先の裏ボスや真ボスをクリアしてしまう非人間もいるし….
また動画文化など高難易度のスーパープレイ動画により難しいゲームという印象を持たれがちだったのもあるだろう。実際のところ難易度が分かれているものも多く、クリアだけを目指すなら簡単なゲームも多いのだが…。

そして極めつけはSTGより簡単で新規参入もしやすく手軽に遊べるゲームが増えた事。簡単に言ってしまえば現代の娯楽の多様化だ。STGにもストーリーや設定こそある物のゲーム内で一切語られないことも珍しくない。何のために戦っているかもわかりにくいままゲームが始まって、淡々とボスを倒してスタッフロールを見てゲームクリア。ストーリー一本筋が通ったゲームが主流な中でこれは心もとない。それらを反省してか萌え要素や道中の会話演出などを挟んで新規顧客を取り込もうとしたSTGも出てはいるが硬派気取りのゲーマーには受けが良くはないため話題にはなりにくい。めんどくせぇプレイヤー層だなシューターってのは本当に…。

ただ全部のSTGが難しいかというとそうでもなく、被弾時にボムを消費して被弾を無効化するオートボムの搭載やサブショットの弾消し要素など簡単に遊べるゲームも探せば多い。
カラドリウスなんかは自身の周囲の弾を消す完全無敵化サブショットを8秒近く張り続ける事が出来るので簡単にクリアできる初心者向けSTGになっている。
そんなSTG衰退の歴史の中で生まれた「Graze Counter」。このゲームには開発のSTG愛が詰まっていて、初心者でも上級者でも楽しく遊べるゲーム性というのを見事に確立している。

本題 Graze Counterについて

危険行為推奨系弾幕STG。

そのキャチコピーが意味するところは敵の弾にカスること。つまり当たってはいけない敵の弾にわざと近づくことだ。
この危険行為推奨というシステムはSTGとしては古くから存在していて、至近距離で撃破すると倍率がかかる「オメガファイター」「式神の城」、カスルどころか当たる「斑鳩」などだ。そして本作に最も近いのが「サイヴァリア」だろう。かすり続けて自機を強化し、避けようがない弾の中を無敵で突っ込んでいくゲーム性。
この「カスリ」は敵の弾を利用し自分の力に変えるというシステムとも相性がいい。


グレイズカウンター(ボム)とブレイクモード(ハイパー)

カスリ続けることでカウンターゲージがチャージされ、ゲージが50~100%の時は自機の正面にグレイズカウンターという照射ビームを放つことができる。100%の時は完全無敵のおまけつきだ。このビームには弾消し効果があり、弾の中にあえて飛び込むことでゲージを溜め、窮地から一転して無敵を持って激しい攻勢に出る事が出来る。
そしてそのグレイズカウンターを当て続けることで今度はブレイクゲージが溜まる。こちらのゲージは100にならないと使用できないがいざ溜まってしまえばブレイクモードを発動し全ての弾を消した上で攻撃力と範囲が大幅に強化される。ブレイク時もカスり続ける事が出来るためカウンター→ブレイク→カウンターで敵の弾を消し続けて弾幕を封殺していくプレイが可能。

初心者こそノーマルでも弾幕に圧倒されるかもしれないが恐れることはない。敵弾は全てカウンターを撃つためのエネルギー源。カウンターを溜めるために避けるだけでそれ以外は基本避けずに弾を消していけばいいのだ。
何度やっても避けられない弾幕が来た時、決めボムならぬ決めカウンター決めブレイクで弾幕をスキップしていくのも立派なパターン構築となる。
ただブレイク時にカウンターを撃つとブレイクは終了しゲージは即座に0になる為、高火力を撃ち込み続けるためにもブレイク中は素避け出来るところは素避け出来るとベストだ。Graze Counterはこのあたりのバランスが非常に上手い。

本作の操作方法は上記のカウンターとブレイクと後はメインショットと低速移動ボタンくらいだ。
クリアで開放されるのだが合計8種類の自機に3つのパッシブスキルが選択できる。
1.被弾を一度無効にするシールドを定期的に自動で貼るオートシールド。
2.カスり続けることで弾を消してその上ブレイクゲージを貯めるオーバーグレイズ。
3.カウンター50%から無敵になるエクステンドガード。

どれを選んでも生存性が上がるため非常に初心者に優しい。
ゲーム中にアイテム取得やショット変更といったアイテムもなく、被弾して画面に散らばった強化アイテムを取り戻そうとしてまた被弾…のループが起きない優秀な設計だ。



クリアするだけなら簡単でスコアを詰めると難しいゲームはSTGの理想形だと私は考えているが、本作はスコアを稼ぐことで自機が増えていく仕様の為スコアを詰めても簡単になるという性質を含んでいる。
ステージ最初にスコア倍率をカンストさせるアイテムを落とすのだが5面すべてでそれを回収してから進めた場合5面ボスに到達する頃には自機が10機近くになっていることもあったくらいだ。
パワーアップ要素排除、シールド要素搭載、自機はスコアで増殖と、ここまで安心して被弾できるSTGは他に見た事が無い。

そして肝心の難易度選択

アーケードモード

難易度はNOVICE、ARCADE、EXPERTの3種類。

密度が薄く弾も遅いので安心して避けられる

NOVICEはランクが無く弾密度も薄め。STG完全新規の初心者さんでもノーコンで5面まで行けるくらい。

ここから密度濃いめ

ARCADEはランクシステムを搭載しプレイが上手いと高難易度化。時間経過でランクが上がっていき敵の弾が早くなるがそれに応じて自分のカウンターゲージチャージも早くなる。

緑が撃ち返し弾 チョン避けで避けられるのでカウンター回収に助かる場面もある

EXPERTはランクが最大固定で撃ち返し弾が発生。弾の密度も大幅に濃くなるが、カスってカウンターをチャージするシステムに於いて弾が多いという事はカウンターの溜めやすさにもつながり以外と死なない。というかEXPERTの方がカウンターを溜めやすくて火力が出やすい説まである。

ちなみに難易度選択画面で上を押しながら決定するとパシフィストモードが決定される。これはメインショットとブレイクが打てずカウンターだけで敵を倒すモードになる。ここだけ聞くと難易度を上げるマゾ仕様に思えるかもしれないが、カウンターの溜まりが2.5倍になるため本作特有のカウンターの楽しさが詰まっているのだ。


キューブを飛ばしてくる敵や悪名高いティガリリなど他作品オマージュも多め。知ってるともっと楽しいかも。


プラクティスモード

名前の通り練習モード。
特定のステージのみをプレイできるため苦手な部分を練習するのに持って来い。
それ以外にも自機の無敵化なども選択できるので詰まったら無敵化して先を見るのもいいだろう。

ミッションモード

チュートリアルに相当するモード。全25個存在し1~10は基本操作、11~25はボス戦などを交え応用となる。敵の強さや弾密度はNovice準拠で再挑戦しやすいためまずはここから初めて全ステージをクリアできると吉。バレットエンジェルに苦戦するかもしれないけど1個1個次の弾幕を見て避けて先に進めるようになる快感を味わっていこう。
このゲームが初心者向けで人に勧めやすい最大の理由。

自機紹介

機体周辺の飛翔体からエネルギーを吸い取って自機の力に変換するシステムを搭載した戦闘機型攻撃プログラム。
私みたいに自機が人間のSTGが苦手で戦闘機のSTGしかやりたくないって拗らせてるシューターにもおすすめです。

銀寄卯月 エイプリルディバイダー 広範囲型ショット
男性
古山皐月 フリーダムダンサー 正面集中型ショット
”元”男性
火鳥疾風 リボルギア グレイズ中に自動攻撃
女の子の尾行が趣味の前科250犯
個人的お気に入り機体 パシフィストとの相性がいい
霧雨斬子 キリサメブレード ブレード搭載による近接戦特化型
卯月君大好きなヤンデレ

残りの4機は色を変えた常時ブレイク状態の所謂公式チート機体という奴です。
それにしても主人公が女装男子とTS男性なのは業が深…素晴らしい性癖をしている。
ちょっと話は逸れるけど同人STGは作者の「好き」を詰め込んでいるゲームジャンルだから性癖のごった煮ゲーになりがちで、Hellsinker.で金髪オッドアイふたなり即身仏ロリを見た時は震えた。


最後に

続編であるGraze Counter GMが2022年発売予定。体験版も配布しているので今のうちに遊んでおこう。アンリミテッドエキスパートをクリアしたが完成度が圧倒的に高くなっている。

Graze CounterGM発売までに絶対EXクリアします。


墓まで

これを呼んでいる読者の方々には好き過ぎて墓まで持っていきたいゲームというのはあるだろうか。
私ににとってこのゲームはHellsinker.とカラドリウスと同じく墓まで持っていくつもりだ。
様々なSTGをいいとこどりし初心者が躓きやすい所を全力で廃した遊びやすさはインターネット老人STGオタクとしては非常に嬉しい。
プレイの楽しさ、破壊とカスリの快感、STGのお約束を踏襲したストーリーやデザイン、懐かしくも新しい16bitサウンド、この全てがGraze Counterを手放しで褒める事の出来る神ゲーであることを証明してると言えるだろう。

神ゲーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


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