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1年8か月続けた学習支援の有償ボランティアを振り返る

2022年の7月から始めた、個別指導学習塾での有償ボランティアですが、今日で一旦終了となりました。
毎週木曜日に2時間だけ、担当の子の学習支援を行ってきましたが、お世話になっているスクールの、放課後等デイサービス事業が中止になってしまうためです。

そこで、これまでのことを、うるう年2024年2月の晦日に振り返ってみたいと思います。

学習塾の有償ボランティアを始めたきっかけ

お世話になったのは、僕が発達障害と診断されて間もない頃に出会った代表の方が運営している施設です。

  • 不登校の小中学生が通い、自分のプロジェクトで学習するフリースクール

  • やりたいことに集中できる通信制高校・大学

  • 同年齢の子とペースが違ってもちゃんと学習に取り組める学習塾

  • 発達障害の小中高校生のための放課後等デイサービス

を展開しています。
2022年のある日、代表の方のSNSに
「学習支援を手伝ってくれる方いないかな」
という書き込みがありました。
成績上位の高校を目指す中学生や、大学に必ず行くような進学校に通う高校生と違い、いわゆる
「ちょっと勉強はイマイチ‥な感じ」だけど、
「わからないからみっちり教えてほしい!」という子たちのための、個別指導型の学習塾です。

代表の方に相談したところ、学業成績面・社会科の教員免許保持という資格の面で、発達障害の特性面でも十分大丈夫だろう、あとは副業の可否の件さえクリアすれば大丈夫!と言われました。

何とか力になれないかと会社の上司に相談したところ、
「別の事業所と労働契約を結ばないこと、交通費(足代)だけの支給であれば大丈夫」
とのことで、少し多めに交通費を出していただく代わりに授業での時給は0円という形で、ボランティアとして始めることができました。

ゆっくり・じっくり教えることは好きだし、発達障害の特性があるからこそ、勉強に集中できなかったり、どうしたらいいかがわからなかったりする子どもたちの気持ちは、平均的な人達よりはわかると思ったからです。


担当の子とのやりとり

僕が担当したのは当時中学校三年生の女の子でした。
ハマったときは集中して課題に取り組むのですが、わからないところがあると、いつまでもボーっとしてしまったり、他の子が遊んでいるとそっちのほうに注意が向いてしまったり‥という感じの子でした。
でも僕は、強制や命令は嫌いなので、時々声掛けこそしますが、無理に「やろうよ」と言うことはしませんでした。

パソコンを使って、わかりやすい解説や教科書に載っていない画像を見せてあげたり、
一問一答問題に挑戦してもらったり
漢字の読みでできなかったところを、Wordに復讐問題を作ってタイピングで答えてもらって、キーボード操作に慣れてもらうことをしたり
やり方は思いつきですが、僕ならではのアイディアで、学習に向き合ってもらうきっかけや面白さをお届けできたかな?と思っています。

めでたく私立・公立の高校は両方とも合格し、進学後も個別指導をお願いされて、ずっとその子の学習への支援を続けてきました。
中学校の5教科と違い、高校のお勉強はめちゃくちゃハードなのかな、自分に教えられるかな、と心配でしたが、中学校の延長上レベルくらいの内容もあったり、他の先生方にも協力してもらったりして、なんとかやってこれました。
つい最近では、サイン・コサイン・タンジェント‥いわゆる三角比の問題にてこずりました。

中学校の頃はそこそこの好成績だった僕も、高校生の頃は全然勉強についていけなくて、授業中はちんぷんかんぷんで、塾には行かず(いけず)、ひたすら先生をとっ捕まえて聞いて、なんとか課題を仕上げ、赤点とらずに高校3年間を過ごしたのでした。

今日は担当の高校一年生の子との最後の日。
やっと期末テストが終わり、高校社会の「公共」の部分を教えてほしい、とのことでした。
「にしむーは社会は強いし、明日の予習にと思って」
と開いた箇所は、「日本の安全保障と防衛」。
高校公民の免許は持っていませんが、大学の憲法の授業で習ったことなんかも思い出したりしながら
「久しぶりに腕が鳴るぜェ」
って感じで、難しい語句や説明をかみ砕きながら教えていきました。


終わってみて

毎週木曜日の勤務が終わってからの2時間を副業ではなく、足代だけのボランティアに使うのは大変でしたが、自分の力が人の役に立ったのならやってよかったと思いますし、
発達障害の僕でも、中学生・高校生にお勉強を教えることができる、ということで、自分に自信が持てました。

生まれそこないの社会の先生の資格がこんなところで役に立つなんて思わなかったですし、
何より、毎日通っている担当の子が、木曜日担当の僕のことを嫌がらずに、ちゃんとついてきてくれたことがうれしかったですね。

ここでの経験は、きっとどこかでも役に立つだろうし、
これからもできることは協力していきたいと思います。

施設の代表の方、スタッフのみなさんにこの場をお借りしてお礼を申し上げます。

最後までお読みいただきありがとうございました。


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