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すべては花嫁のために。ジュエリスト【Fairliant】加藤麻衣子

全国各地の経営者様をインタビューし、事業の特徴や人柄をお伝えするインタビュー企画。今回ご登壇いただくのは、ジュエリスト【Fairliant(フェアリアント)】代表の加藤麻衣子さんです。

小さい頃にキラキラ光る石を拾ったところから、石に関わる仕事がしたいと思った加藤さん。小さい時に抱いた思いは今も変わりません。仕事を通してお客様に寄り添いたいと話す加藤さんに、今までのキャリアや事業について伺いました。


加藤麻衣子/ ジュエリスト
1981年生まれ、東京出身のジュエリー販売・デザイナー。ジュエリー会社や画廊で働きながら、ジュエリーやデザインを学び、その他の業種の転職、結婚、出産を経て2008年独立。東京のほかに、関西・九州など、他のエリアにも拠点を作りながら、広く活動中。料理やお菓子作りが好きで、食器や調理器具をつい集めてしまい、娘によく叱られます。

ホームページ:https://3dbj-fairliant.com/
Instagram:https://www.instagram.com/maiko_fairliant/
小幡 渉(おばた わたる)/ライター
2021年よりSNS運用代行・コンサルタントとして独立。Web集客に力を入れたい企業様の代わりにSNS運用や発信のサポートを行なっている。人と距離を縮めること、文章を書くことが得意。滋賀を中心に活動中。野球、お笑い、筋トレが好き。特に好きなのは、オードリーとなかやまきんに君。

note:https://note.com/all_happy
Instagram:https://www.instagram.com/obata__line/



光り輝く石を拾うところからスタート

ーーいつ頃から今のお仕事をしようと思ったんですか?

小学生の頃からです。私の実家のそばに鉱物研究の第一人者、堀先生の自宅兼ラボがあったんですよね。堀先生のところには光り輝くものがあって。研究をしていると欠片が出てくるじゃないですか。当時小学生だった私からすると、その欠片が光り輝いて見えたんですよね。そこから石拾いや石集めにのめり込んでいきました。

小学生の私の夢は、石に関わる仕事をすること。私の夢は小さな石を集めるところからスタートしました。中学・高校でも石拾いは続けていましたね。


堀先生・ホリミネラロジー



一生を捧げたい志事に出会えた

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ーー加藤さんのキャリアについて教えてください。

高校卒業後はジュエリーの販売やデザインの勉強ができる、総合商社のような会社に就職しました。たくさん学ばせてくれる会社だったので、とにかく必死に食らいつきましたね。

ある時、ブライダルジュエリーを販売する部署に異動することに。そこにはワクワク、喜び、不安、ドキドキ、色々な表情を持つカップルがいました。私はこの仕事を通して、花嫁さんに関わる仕事がいいなって思ったんです。この異動がキッカケで、ただの夢だったものが、一生を捧げられる志事(仕事)にしたいという気持ちに変わっていきました。私の人生のターニングポイントの1つです。


ちなみに、【Fairliant】という屋号には、『All for the bride(すべては花嫁のために)』というメッセージを加えてあります。


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大事にしている気持ちを言葉で伝えてほしい

ーー仕事を通して気付いたことを教えてください。

今までたくさんの新郎新婦を見てきた中で、気付いたことがあります。それは、結婚がゴールになってしまっている方が多いということ。特にご主人様に多いです。

女性として扱われなくなった、感謝の言葉を伝えてくれなくなったなど。最初は思いが一緒だったはずなのに、段々ズレが生じてくる。そうすると、相手に対して思いやりを持つことが難しくなってくるんですよね。


婚姻組数に対して、プロポーズや挙式披露宴(写真等)だけでなく、結婚後も、節目に何かしらの事をしている人とそうでない人では、してない方々の離婚率が8割を超えるというデータがあります。

この事実が本当に悲しいなと思っていて。離婚する組数が増える分だけ悲しむ子供も増えるんですよね。言葉で伝えること、行動することの有無で結果が変わるのなら、少しでも実践してほしいなと思っています。


ーー具体的な数字があるのは知りませんでした。このようなデータを踏まえて、加藤さんが行っていきたいことはありますか?

私の仕事を通して、言葉で伝えることの重要性を発信していきたいです。「ありがとう」「大切だよ」「これからも一緒にいよう」など、言葉としてちゃんと伝えてほしいなと思います。”伝える”と”伝わる”では全く違う。そもそも伝えなきゃ1ミリも伝わらないんですよね。

私はジュエリー屋さんなので、ジュエリー以外はご相談に乗ることはできません。だけど、『ありがとうを届ける』のにジュエリーでなければいけないとも思っていません。ほんの少しだけ頑張って、「ありがとう、大切だよ」を届けたい人のお手伝いが、これからもできたらいいなと心から思っています。



ジュエリーの役割

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ーージュエリーについて詳しく教えてください。

「婚約指輪は給料の3ヶ月分」とよく言われますよね。あれは、「僕(男性側)に何かあった時、指輪を売って当座をしのいでください」という意味があるんです。これからあなたを守っていきますという、決意や甲斐性の表れ。

ジュエリーは身に着けるだけでなく、自分の財産を守ったり形成したりするためのものでもあるんです。祖母から母へ、母から娘へ、のように受け継ぐこともありますよね。世代を越えて受け継ぐことができるのも、ジュエリーの魅力の1つです。


大切な思いを届ける、資産を守る、メッセージとして伝えるなど、ジュエリーには色々な役割があります。私たちがやるのは、ジュエリーの役割を伝えること。特別な存在ではなく、ジュエリーのことをもっと身近に感じてほしいです。



シングルマザーを救いたい

ーー現在注力されている事業について教えてください。

最近では、貧困に苦しむシングルマザーが増えています。そこで「あともう一歩、もう少しがあれば」という思いがある人たちを、私の仕事を通して何か貢献できないだろうかと考えました。

それが、ボディジュエル*を採用・購入した瞬間から社会貢献がはじまるプロジェクト、Luffine(ルフィーネ)です。社会的課題の解決に参画する企業が、Luffineにボディジュエルを発注する。Luffineは業務委託をしているシングルマザーに業務を委託する。シングルマザーとしては、定期的に仕事・収入が入ると嬉しいですよね。企業、Luffine、シングルマザー。私たちは、ボディジュエルに関わる人たちがプラスになる仕組みを作っています。


*ボディジュエルは、素肌に繰り返し貼って使える、シールのような感覚の新しいボディアクセサリー。


私はボランティアだけでなく、ビジネスで救えるものもあると思っていて。利益が生まれるからできることがある。泣いている人がいるのなら笑顔になってもらえるように。私の仕事を通して、1人でも多くの人に寄り添っていきたいです。


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奥様のために一生懸命行動した旦那様

ーー加藤さんがこのお仕事をされてきた中で、印象に残っているお客様はいらっしゃいますか?

サラリーマン(男性)のお客様です。結婚10周年の記念に指輪を作ろうとされていたのですが、予算が全然なくて。他のお店に行っても「この予算じゃ作れません」と言われていたんですよね。いくつものお店に断られた後、知り合いの紹介で私のところへやって来られました。

予算自体5万円があるかないかで、私も最初は厳しいなと思いました。そうは言っても、簡単に断るようなことはしたくない。指輪を作れないのではないかと悩まれていたお客様に対して「作らせてください」と伝えました。


結果的に予算内で指輪を作ることができ、予算が少し余りました。余ったお金で花束を買い、私たちからは手紙・カードをプレゼントし、奥様に渡すことに。

奥様からは後日、手紙が届きました。手紙には「主人からもらった初めてのプレゼントなんです。10年間本当に大事にされていたことが伝わって、本当に嬉しかった」と書かれていました。私にとっては、その手紙が今でも宝物です。

実はその旦那さんは数年前に亡くなられました。でも、奥さんには想いがたくさん詰まった一生の宝物がある。それだけで思い出も慰めてくれるじゃないですか。私自身、お客様の一生の宝物に携わることができて本当に良かったと思っています。この仕事をしていて良かった、届ける・伝えるって大事なんだなと改めて思った出来事ですね。



伝える努力をしてほしい

ーー今後取り組んでいきたいことを教えてください。

パートナーそれぞれがお互いに努力することで、良い関係性を築くことができる。このことを、私は仕事を通して広めていきたいし伝えていきたいです。


事故や事件で、突然大事な人とお別れしてしまうことがありますよね。私はその時に「こうすれば良かった、あれをやっておけば良かった」と思わない自信があるのなら、今のままで良いと思うんです。でも、自信がないのなら大事な人に感謝の気持ちを言葉で伝えてほしい。伝えるだけでいいんです。

みんなに明日が来る保証はないので、伝えるべきことは今すぐ伝えきってほしいです。やり尽くしても後悔することはあるので。せっかく縁あってパートナー・配偶者になったのであれば、これからのためにも言葉で伝えてください。大切な日、記念日だけでもいいので、伝える努力をしてください。この仕事を通して、伝えることの重要性を強く感じています。


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入り口(結婚)から出口(最期)まで、寄り添っていける、関わっていける、保険屋さんのようなジュエリー屋さんになれるよう、これからも頑張っていきたいです。



編集後記

加藤さんのお話を聞いて、言葉で伝えることの重要性を改めて感じました。伝えたつもりでは伝わらない。相手に届いてこそ、自分が伝えたことになる。この事実を胸に刻もうと思います。また、幼少期からの夢を実現させ、強い一本の芯を持ちながら仕事をされている姿に感銘を受けました。何をするにも強い気持ちが大事ですね。

加藤さんと繋がりたい方、加藤さんが取り組まれていることに興味がある方は是非ご連絡ください。お繋ぎさせていただきます。


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