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適切な支援

高速道路を降りて施設に近づくにつれ、異様な数のトンビが周回していて気味が悪くなった。ヒッチコックの映画「鳥」のように襲ってきたら怖いなと想像してしまうほどの大群だった。 その施設は、県立の障害者施設で、病院も併設し、かなり重度の障害者の方が入所している。 障害の重さと支援の必要性は、必ずしも一致しない。 手帳の等級が重いからと言って、支援の必要性も高まるかと言うとそうではないし、手帳の等級が低いからと言って、支援の必要性が低いとも言えないのである。 だから、手帳とは別に、「

    • 怒っている人は困っている人

      休み明けの朝一に取った電話は、子だくさんママの山本さんからだった。なぜだか既に怒っていて、ヒステリックな感じ。 この前窓口に来たときは、気持ちよく手続を終わらせて帰っていったのに、なぜ。 怒られながらも話を聞くと、精神障害者保健福祉手帳と特別児童扶養手当の手続を1つの診断書で出来ると思い込んでいたらしく、手帳が届かないことにご立腹だ。そりゃあ、手続きしていないのだから、手帳はいくら待っても届かない。その代わり、特別児童扶養手当は今月から受給しているはず。 手当の手続はちゃんと

      • 7年前

        4000g近くある赤ちゃんを産んで、すくすく成長してくれたから、1歳半検診も特に心配はしていなかった。 それなのに、保健師の児島さんが真顔で「発達相談を受けることをおすすめします。」と言った。今思うと、児島さんにとってあの表情は、笑みも哀れみもない、精一杯の無表情だったのかもしれない。 その無表情が、私はとても怖く感じた。続いた説明は「視線が合わないことが気になるから。」という簡潔なもので、それ以上のことは一切言われなかった。 指差しをしない、模倣もしない、ママともマンマと

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