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君の名は

私には息子がふたりいる。上が7歳、下が4歳。かあちゃんとしては、まだまだひよっこで日々右往左往している。
ひよっこかあちゃんの私にも、目標とする母親像がある。

ジャイアンのかあちゃんだ。ドラえもんの。

剛田商店を切り盛りしながら、地域活動にも励み、何より無敵と思われるあの息子が恐れている数少ない人物なのだ。それでいて、あったかい雰囲気。
友達の間では暴君で知られる息子も、かあちゃんの為なら、野球やスネ夫と共謀してのび太をからかう合間に健気に家業の配達を手伝うのだ。働き者のあったかい肝っ玉かあちゃん。

スネ夫の母は、あまりにも息子にベッタリで私のスタンスに即さない。何より、我が家はお金持ちではない。
のび太の母は、子供の頃から好きではない。あのガミガミと叱る感じといい、呑気に煎餅を齧りながら観るともなしにテレビを眺めているあの姿が退屈の象徴のようで。
私の母がガミガミと叱るタイプでそれがとても嫌で、その部分をのび太母と重ね合わせていたのかもしれない。
ちなみに、私の父は全く褒めてくれたことがなかった。高校の時に、国語と英語の成績で通知表の10段階評価中10をとっても褒めてもらえず、「頑張ったな」の一言もなく、当然だと言わんばかりのリアクションをされた時は、一体この人はどんなことをしたら子どもの頑張りを認めるのだろうかと、やや絶望的な気持ちになったものだ。

閑話休題。

しかし残念ながら、私の現状はのび太の母に近い。彼女と違い、せんべいは好物ではないが。
私が目標とする理想の母親像のジャイアン母。
名前が知りたいと思い調べてみたが、公表されていないようだ。
腕っ節が強く、こどもに厳しいが愛情深い働き者の肝っ玉かあちゃんに相応しい名前はどんなものだろうかと、こどもたちの寝顔を眺めながら考えている。

#エッセイ #こども

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