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【読書記録】LGBTを読みとく ─クィア・スタディーズ入門

戸籍訂正済トランスジェンダーの新生光です。詳しいプロフ記事はこちら

読書会したことありますか?

本を読むのが好きだ。
先日、読書会に久々に参加したので、その記録をしてみたいと思う。


■以前、読書会を企画してました。


数年前に、

アウトプット読書会

というものを企画してやったことがある。

課題図書自体はなくて、
自分が読んだ本を
集まったメンバーにプレゼンして、

どのメンバーのおすすめ本を読みたくなったかを投票する!

という企画。

プレゼン力が鍛えられるのと
アウトプットを意識した本の読み方を
提案するものだった。

すごくおもしろかったし、
3~4か月くらい継続して行った。

一番多いときで、
15人くらいあつまって、
時間が足りなくなったりした。

こういう集まりは、
有意義な時間を過ごせてるなと感じていたから、
機会があればまた参加するなり、
企画するなりしてみたいと思っていた。


■読書会に参加するきっかけと課題図書


最近、
情報発信するようになって、
一気に読書量は増えたが、
インプットしっぱなしになりがちだった。

そんなときに、
言葉が難しすぎて読み進められない本に出合った。

「LGBTを読みとく~クィア・スタディーズ入門」
森玉至貴 著
ちくま新書

今回の読書会の課題図書は、
この本である。

この本に対して、
Twitterを通して知り合った方も、
同じような感覚を持っていたようだったんだけれども、
その方が、

「読了した!」

というツイートをしたときは、
本当に尊敬した。

僕は読み進める手が止まっていたけど、
「再スタートするぞ!」
という気持ちになった。

そして、
その方が読書会を企画してくれたので、

「よっしゃ!やるぞ!」

ということで参加することにした。


■本の感想と読書会の進め方

一言で、この本の感想を言うと、

「言葉が難しすぎる」

ということ(笑)

しかし、
本の「はじめに」の部分に、
この本の主題が集約されていたと思う。

「知っていれば他者を傷つけずに済むことがあれば知っておきたい」


今回の読書会の進行は、
最初に自己紹介から始まって、
「問い出し」としてキーワードや疑問点などを出し合って、
それを深堀していくことと、
4つの簡単なルールをもとに進めた。

キーワードとしては、

良心ではなく、なぜ知識が必要なのか。
知識があれば、差別偏見がなくなるのか。
良心は正しいのか。

これはまさに、
この本から学べる核になることだなと、
会の最初の段階から感じた。


■クィア・スタディーズのポイント

まず、
クィア・スタディーズの3つの視座はこちら。

1.差異に基づく連帯の志向
2.否定的な価値づけの積極的な引き受けによる価値転倒
3.アイデンティティの両義性や流動性に対する着目


クィア・スタディーズの定義は
このように書かれていた。

「クィア・スタディーズ」とは・・・
ほとんどの場合、セクシュアルマイノリティを、
あるいは少なくとも性に関する何らかの現象を、
差異に基づく連帯・否定的な価値の転倒・アイデンティティへの疑義といった視座に基づいて分析・考察する学問

3つの視座も定義も言葉が難しいけれども(笑)
僕なりの言葉で言い換えると、


「性についての違いを、3つの視座で分析して考える学問」である、

と思う。

ざっくりいうと、
「クィア・スタディーズ」とは、

性の多様性を扱うための比較的新しい学問領域である。

大事なのは、
クィア・スタディーズがどんな学問なのか、

ということよりは、

著者の主張が何なのか、
と読み取っていくことだと思う。

これはどの本でも同じだけれども。


■LGBTQから「SOGI」の認知普及へ

LGBTQというキーワードの認知が広がってきたのは、
ここ数年のことで、
僕が治療のただなかにいた15年くらい前は、
この言葉は存在してなかった。

この本を読んでいく中で、
LGBTQという言葉が発している

マイノリティ感」への抵抗を感じた。

以前から僕は、
LGBTQという言葉への抵抗感を持っていて、
その正体がわからずにいた。

自分がセクシュアルマイノリティの
当事者であるにもかかわらず、
このキーワードに対して違和感があったのに、
あまりにも認知が広がってしまったために
仕方なく使っていたというのが本音だ。

しかし、
同じ当事者仲間に聞いても
同じような感覚を持っている人も一定数いた。

マイノリティ。
少数者。
差別偏見の対象。

僕の中に、
そんな図式が刷り込まれているのかもしれない。

それがイヤで、
この「LGBTQはセクシュアルマイノリティの総称です」
という説明をしたりすることに、
抵抗感があったのかも。

はっきりとはまだわからない。

しかし、SOGIという言葉なら、
マイノリティだけではなく、
全人類に当てはまる言葉だから、
みんな自分事として考えられるだろう。

この本の中でもSOGIを推奨していたし、
僕も今後SOGIをたくさん使っていこうと思う。

まだまだ
認知度が低い言葉だから
なおさらだなあ。



■巻末の読書案内

膨大な量の関連書籍が紹介されていた。
分野ごとに分けられてピックアップされていたけど、
それをマインドマップに
まとめるだけでも大変だった。

それらを全て読んでいるという
著者の読書量には本当に脱帽したし、
勉強になった。

全て紹介したいけど、
ここでは割愛して、
ぜひこの本を手に取って
確認していただければと思う。


■他の読書記録


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