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純ドメTOEIC900超えが日本の会社で経験したこと、社会人留学して気付いたこと

新卒から4年半勤めた大手通信キャリアを退職し、2018年9月より、カリフォルニア大学サンディエゴ校の社会人向けのプログラム(UCSD Extension)に留学しています。今回、英語及びTOEIC関連の記事を書こうと思ったキッカケは、Twitterで以下のようなTweetを見かけたからです。

(余談ですが、Tweetをされた中西さんは、私が留学前に大変お世話になったセブ島の語学学校Brighture English Academyの共同創業者の方です。)

このTweetにはただただ共感です。「TOEIC900って英語ペラペラでしょ?」っていう幻想を、かつて私も抱いていました。そして、いざ自分が900を超えて悟ったのです、「あれ?ペラペラどころか“ペラ”にも到達していないぞ...」と。

さらにこちらのTweetに辿り着きました。

TOEICが最強の「錯覚資産」である。なんともインパクト大な主張ですが、これにも共感です。私自身も以前の会社でTOEIC900を超えていて、非常に美味しい思いもしましたし、逆にとても悔しい経験もしました。

日本の会社で経験したこと

新入社員の頃、会社が「TOEIC900を超えた人にはボーナス100万円」という大盤振る舞いな施策を実施していたため、それはもう死にものぐるいで勉強しました。学生の頃はTOEICの教材に注力し過ぎず、多読多聴などで英語力全体の底上げを意識した学習をしていましたが、最終的には戦略本も読み漁りTOEIC力に磨きをかけた結果、無事TOEIC900を超え、ボーナスをもらうことができました。(この時の努力とそれによって得た100万円が自費留学の資金の一部になっていると考えると感慨深い...)

そんな会社に所属していたわけなので、TOEIC900を超えていると受験経験がない上司には、「部下の中に何やら100万円貰えるほどの高い英語力を持った若手がいる」となってしまうのです。ある日、ついに恐れていた事態がやって来ました。急な用件で海外から来社することになったVIP顧客との会議に、急遽通訳として同席するように指示されました。それに対して、自分の英語力がその仕事に到底値しないことを必死に上司に訴える情けない自分がいました。(ちなみにこの仕事は海外育ちのバイリンガルの同期が問題なくやってのけました)

この瞬間、自分の英語力がビジネスで通用するレベルに無いことが判明してしまったばかりでなく、自身をアピールする最大のチャンスを逃したのです。なんだかんだで学生時代に本気で取り組んだのが英語だったので、この経験は4年半の社会人経験の中でも最も悔しい出来事の一つでした。
その後は、英語の勉強をする時間が全く無くなるほど仕事に忙殺されることになるのですが、そんな中でも海外で挑戦したいという内なる炎が消えることなく、最終的には退職して社会人留学に踏切るまでになったのは、この悔しい経験があったからこそだと思っています。

社会人留学して気付いたこと

ここまでTOEIC900超えていたからこその美味しい話と悔しかった話をしてきました。しかし、この記事を書いている理由は、TOEIC900を超えた後その先は何をすれば良いのかという問いに、私なりに現時点で感じていることや見えてきたことを共有したいと考えたからです。「TOEIC高得点なのに、全然ダメだ。。。」と感じている日本人の方が私の他にも多くいるのではないかと思ったからです。

日本にいた時からTOEIC900こそ本当のスタートラインという言葉は聞いたことがありました。でも、スタートラインに立ったはいいものの、これからどこを目指して勉強すれば良いのかよくわからない、というのがここ数年の自分の悩みでした。

ここからは、現地の会社に勤めるアメリカ人に混ざって、アメリカの大学で4ヶ月ほど英語”で”勉強してみて、気付いたことをまとめます。

1 発音のトレーニングが超大事(今こそ発音を学ぶ時!)

TOEIC900を超えている方であれば、仮にビジネスで使う自信はないにしても、英会話スクールやオンライン英会話では、大きな不自由なくネイティブやフィリピン人の講師と会話ができるのではないでしょうか。また、英語圏への海外旅行でも困ることはほとんどないはずです。私も通っていた英会話教室のアメリカ人先生からは、「よく話せるから、留学しても全然大丈夫!頑張って!」と背中を押されて旅立ちました。

しかし、ここが落とし穴なのですが、英会話講師は日本人の発音に順応しています。日常会話が比較的スラスラと話せるレベルの場合、こちらから特別なリクエストでもしない限り、多少発音が間違っていても指摘されることはないのが現実です。私のように長期間の海外生活経験がなかった方(いわゆる純ドメの方)にとっては、現地に来てからが本場での実践の機会になるのですが、発音が間違っていると通じなくて言い直す場面が多発します。「発音は重要じゃない、通じれば良い」と主張する方もいるのですが、正しい発音ができるに越したことはありません。コミュニケーションが円滑になります。確かに日本人目線だと、インド人や中国人の訛りの方が激しいです。しかし、海外に出ると日本人の方が圧倒的にマイノリティになるので、少なくとも日本人特有のアクセントは直して、可能な限り正しい発音ができるようになるのが理想です。

私の場合は、事前に現地の大学のESL(語学学校)に通いたかったのですが、予算の関係で4週間のセブ島留学に変更しました。Brightureという宿題が多くてスパルタで有名な語学学校に通ったのですが、結果として大正解でした。そこで徹底的に発音のトレーニング(というより矯正)を受けたおかげで、「正しい発音」がどんな音なのかを理解できました。私自身、まだまだどうしても苦手な発音があり、言い直す場面もしばしばあるのですが、具体的に自分のどの発音がダメなのかを把握できたのは大きな進歩だったと思っています。他の非ネイティブの方が間違った発音をしている時にそれがちょっと気になって気が散ってしまうという今までに全くなかった感覚も味わっています。

発音を学習する大きなメリットがもう一つあります。リスニング力が向上します。これは発音のトレーニングをするまで全く気づかなかったのですが、考えてみれば、「自分で発音できる音=耳で聞いても聴き分けられる」なわけです。この効果は嬉しい想定外で、Brightureにいた4週間のうちに今までリスニングで聞こえたことがなかった音が聞こえる感覚を確かに感じました。発音に関しては、アメリカ滞在中にしっかり意識して確実に身につけて帰れるようにしたいと考えています。

2 最終的には多読多聴が長いながらも最短の近道である

TOEIC 900を超えている方であれば、「多読多聴」の説明は不要ですね。多くの英語学習レジェンド達が提唱し、効果があることは心の何処かで薄々感じながらも、辛いので避けてしまう、あれです。私は日本にいた時は多読多聴は難しい、辛いと感じてしまうことが多くて3日坊主を繰り返していました。現在通っている大学の授業では宿題で1週間に数冊本を読まなければならない時があったりと信じられない量のInputを強いられるため、多読に関しては幸いにも半強制的に習慣が身に付きかけています。

多読多聴の良いところはたくさんあるのですが、1)語彙力が上がる(類推できるようになる)、2)自然な英語(Natural English)が身につく、3)背景知識や会話の際のネタが見つかる、4)読むスピード向上・リスニング力向上、等への効果をここ数ヶ月続けて実感しています。

「でも忙しくて時間が取れないし、何よりもそんなに勉強するの辛い」という方はまずは勉強するという感覚を捨ててみてください。TOEIC900を超えている方であれば、自分の好きなこと、興味のあること、専門分野等に関する洋書・Article・Podcastであれば、スラスラ読んだり聴けるのではないでしょうか。「そんなこと、わかってるけどいい本・Podcastがみつからないよ」という方、英語でググってみてください。こんな単純なことに日本にいる時は気付かなかったのですが、ネットにあふれている英語の情報量は凄まじいです。私は随分長い間、自分が楽しいと思える内容のPodcastを見つけられずにいました。iPhoneのPodcastアプリのランキング上位にあるBBC Worldや各Talk Show、TED Radio等を試しましたがいずれも3日坊主が続いていました。ある日、大好きな旅行のPodcastを探そうと思い「travel podcast」と英語でググったところ、日本のまとめサイトのようなブログが大量にヒットしたのです。その中からお気に入りのPodcastに出会うまでにはそう長くかかりませんでした。単純なことかもしれませんが、「なるほど!」と思った方は試してみてください。(検索結果が英語サイトで出てくるようにGoogleの検索設定の変更が必要な場合があります

ここまで長文を読んでくださった方、ありがとうございました。まだアメリカに来て5ヶ月も経っていませんが、整理すると予想外に多くの気付きがありました。現在はアメリカで就職することを目標に頑張っていますので、その過程で他の気付きがあった場合には随時情報をアップデートしようと思います。コメント大歓迎です!

最後に、まだ始めたばかりなのですが、良かったらtwitterもフォローしていただけると幸いです。

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