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健康道場④

美しく素敵な生活だ。
8時間睡眠と三食。8時間の労働に納税。
社会貢献を是として生きていられる。
働いて飯を食う、誰かのためになる、こんなに素晴らしいことはない。
決まった時間に起き、決まった時間に飯を食い、決まった時間に寝る。こういった規則正しい生活が真っ当な人間を作るのだ。
気分もすっぱり晴れやか、燦々と燃ゆる太陽が気持ちを暖めてくれる。心地よい。


勘違い甚しい。
お前はそちら側じゃないだろう。
いつかの言動を思い出しては息が詰まり、今日の後悔と明日への不信感が頭を支配する。この感覚こそがお前を私たらしめるのだ。
他と自分を並べて、あぁここが俺の悪いところだ、けどあいつよりは、、、と己に不相応な値踏みを人知れずし、僻みや羨望で狂いそうになる。
そのことは誰にも知られないように、注目を浴びないように、日陰へ隅へ行こうとするのが私じゃないか。
住居が変わった程度の外部変化でなにを期待しているのか。
その程度で人が変わるなら、私はなぜここにいるのか。八畳1Kのボロ屋は似つかわしいが、認識を誤っている。

愚かしくも、愚かしくも、理解してもらいたいと一縷の希望がこんなにもあなたを苦しめている。もしかしたら、いつかは、誰かが、と期待することは私のような中身のない、潰れやすいビニール袋のような私がしていいことではない。すべきではないではなく。

嗚呼かわいそうに、知らないふりして私自身を振り切れたなら、私を愛せたなら、そんな振りだけでもできたら、もう文章なんて書かないで、素直になれたかもしれないのに。

楽になるのは簡単かも知れないけれど、僕はそうはなれない。生きている限り苦しみを耐え忍ふ。歯を食いしばって地面を睨みつけ、ときに目が潤むかもしれんが、それでもここに自分の片鱗を見るなら、終わった時には、その時には褒めてあげられなくもないか。

気合い入れて憾めよ、自分を。

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