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数字で選手を見るということ。

個人的に球速表示というものを信じていない。
その数字が出たことは事実としても、それに振り回される選手の観方をしたくないと常々思っている。
すごい数字が出れば、へぇとは思う。
でも、その数字が出ているから良い選手なのか?
打たれないのか?
プロで通用するのか?って首を傾げてしまうから。
その表示で判断できるなら、スカウトが疲弊してまであちこちの球場に向かうのは何故だろう。
かなりの球速を出した選手が指名されないのは、どうしてなんだろう?
指名された全選手が140キロ台後半以降なんだろうか?
へそ曲がりの理論だけど。
もちろん、それだけの球速を持っているのは武器だし、ないよりはあったほうがいい。
しかし、実際球速で話題になった選手がどれだけNPBで成功しているんだろうか。
結局はそれだけでは勝負できないんだから、プラス頭が良いか悪いか(学校の成績ではない)性格が真面目か、強いか、礼儀はきちんとしているかも大きく影響してくる気がしている。
いろんな意味で「球速バカ」は、選手として一流にはなれないんじゃないかなとか。
知らないけど。
私たちファンもそこを支点にして選手を見るという偏りを捨てたほうが、もっと良い選手を見つけられる気がする。
いや、本当に知らないけど。

この数字に関しては、リアルタイムを知らないのに後から振り返って打率や防御率だけで選手の判断する見方にも疑問がある。
試合の大勢がほぼ決まったような試合とか、優勝が決まった後のある種の消化試合で固め打ちした3割と、試合の勝敗に影響するヒットを打っている2割5分で、前者が「すごい」と言われるのは納得できない。
中継ぎがメインだった投手のイニング数や勝利数の少なさで「大したことがない」と言っているのも許せないと感じる。
そんな選手たちがどれだけ、当時のチームに貢献していたのかは、残っている数字では10分の1もわからないのだ。
当時を知らないことが悪いのではない。
ただ観ていない、知らないのなら、残っている数字だけで「大したことのない選手」などと侮った言葉を言ってはほしくない。

目立つ数字や、情報の断片だけ伝える数字を見て、好し悪しを判断するのは、愚の骨頂だ。
ついやってしまうのが人間だけれど、なるべくしないように心がけたいと最近改めて感じている。

――数字で選手を見てはいけない。

つまりはそういうことだ。

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