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天菓(あまか)と言います! 「太陽の国の話。」という物語を執筆中です。 あたたかく見守…

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天菓(あまか)と言います! 「太陽の国の話。」という物語を執筆中です。 あたたかく見守っていただけると嬉しいです。 よろしくお願いします。

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  • 太陽の国の話。

    時は零和。とある星に「太陽の国」という、小さな国がありました。闇に覆われていたその国は、光を求めていました。

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太陽の国の話。 ~目次~

時は零和。とある星に「太陽の国」という、小さな国がありました。 闇に覆われていたその国は、光を求めていました。 太陽の国の話。〜目次〜 序章 青天の霹靂(1話〜7話)    〜あいひめの物語〜  1   2  3  4  5  6  7  第一章 犬も歩けば棒に当たる(8話〜11話)     〜小柴くんの物語〜  8  9  10  11 第二章 狐の嫁入り(12話〜19話)     〜桐山くんの物語〜  12  13  14  15  16  17  18  19

    • 太陽の国の話。[56]

      「希望」という歌の詞が 次の年の水害を 予言しているかもしれないと 気づいたあいひめでしたが もう一つ この歌には あいひめが反省しなければならない 小さな「過ち」が あることを思い出しました。 それは 一つの 「いつわり」でもあったのです。 この歌の詞は もともとは あいひめと 「おともだち」が 二人で作っていました。 そのおともだちは あいひめが中学生のころ 同じ部活だった 女の子でした。 あいひめとけんかしたことも あったのですが とても元氣で明るい 女の子で

      • 太陽の国の話。[55]

        あいひめは 長年 琴の演奏活動をしてきました。 不思議なことに 夢の中で  歌の一節が 浮かんでくることが多かったので あいひめは その一節から 歌全体を仕上げ 歌い手と共に 演奏して回っていたのです。 そんなことを ちょうど十年 続けてきたのでした。 その中で いくつか不思議なことを 経験したのですが そのうちの一つが 「歌の詞が現実になる」 ことだったのです。 「旅路」 という歌を作れば たくさんの演奏旅行に 出かけられるようになり 「冬のせつな」 という歌

        • 太陽の国の話。[54]

          今のあいひめは なにかを 信じても 信じていなくとも いませんでした。 それは どちらをとっても 可能性を 限定してしまうからです。 全てのことを 決めつけず そうかもしれないし そうでないかもしれないと 空にゆだねるようになりました。 そして 全ての出来事に 感謝していたのです。 おばあさんのベッドで 寝ることをやめた時から あいひめの朝の心は 回復しました。 もし その時に おばあさんのことを 嫌いになったり 恨んでいたら あいひめは あの「声」を 聞くことが

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        太陽の国の話。 ~目次~

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        • 太陽の国の話。
          57本

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          太陽の国の話。[53]

          第十一章 「禍福は糾える縄の如し」 あいひめには 悩みが二つありました。 一つめは  あいひめの体が 太ってきたことでした。 はのんと 美味しいご飯を 食べていると あいひめは どんどん 肥えていくのでした。 二つ目は 水場に行くと 想像の世界に 迷い込んでしまうことでした。 風呂場や 台所など 水場で何か しはじめると どんどん いろんな考えが 浮かんできてしまうのです。 今までは 水を扱うと 心が癒されていたのですが ここのところ あいひめは 水を扱いにくくな

          太陽の国の話。[53]

          太陽の国の話。[52]

          あいひめの意識は 徐々に戻りつつありました。 「声」を聞く前の自分とは なにかが変わってしまったようなので 不思議な感覚はありましたが はのんや 周りの人に支えられ 少しずつ元氣を 取り戻していきました。 あらためて 「声」のことが氣になったあいひめは 「古代の神々」のことについて 知りたくなりました。 あいひめが借りた本によると 太陽の国に古くから伝わる 神々には 共通点があることがわかりました。 それは 一度 不幸を経験していることでした。 容姿に恵まれず 悲

          太陽の国の話。[52]

          太陽の国の話。[51]

          あいひめは 夢中になって取り組んだ 琴の活動を 一時期 後悔していましたが ようやく 受け入れることが できるようになりました。 そして さらに あいひめは 自らの両親との関係に 思いを馳せました。 あいひめは 自分の親に 安心して心を開くことが 今までできませんでした。 「どうせ わかってもらえない」 そのように 思い込んでいたのです。 ただ あいひめの両親は あいひめに 物やお金で 苦労をかけたことが 一度もありませんでした。 あいひめは それも一つの 「愛情

          太陽の国の話。[51]

          太陽の国の話。[50]

          心機一転、あいひめは 結婚相手探しに 新しい仕事探し さまざまなことを前向きに捉え 精を出して 取り組みました。 毎週 異性や仲間と逢い 自分の周りの人たちとの 交流を 深めていったのです。 縁談相手の異性や 仲間である小柴くん 桐山くん 龍の人・・・ さまざまな出逢いがありました。 出逢いを重ねていくうちに あいひめはふと思いました。 「今まで  琴の活動ばかりしてきたことに  後悔をしていたけれど    琴があったから 私は  色々な経験ができ  成長できたので

          太陽の国の話。[50]

          太陽の国の話。[49]

          「がん」を患った女の人の歌を あいひめや 演奏者は みんなで歌いました。 その歌は 未来への希望を 感じさせる歌でした。 歌を歌い終わると 女の人は あいひめたちに言いました。 「私は来年 ここにいるかわからないけど  このうたは 託したわよ」 その時あいひめは ふと気づきました。 「わたしはずっと  自分のことをみじめだと思って  生きてきたけれど  今 この時、この瞬間は  たった一度しか来なくて  その一度を 頑張って  生きることは  尊いことなのだ。」

          太陽の国の話。[49]

          太陽の国の話。[48]

          第十章 「病は氣から」 あいひめがまだ、臆病者だった頃。 あいひめは ずっとずっと 自分に自信が 持てませんでした。 思うように笑えない。 思うように力を出せない。 感謝の気持ちが湧いてこない。 一人前になれない。 そんな自分のことを みじめだと思い 好きになれなかったのです。 その時のあいひめは 遅くなって結婚相手を探し始め 自分のことを人と比べたり 振り返ったりするようになっていました。 そして、自分が 琴の活動ばかりやってきたことや 長年心の調子がすぐれないこ

          太陽の国の話。[48]

          太陽の国の話。[47]

          あいひめは はのんを 少し不信に思いながらも また二人で 会う約束をしました。 約束のその日は 青空がまぶしく 山々が映えて 氣持ちのよい朝でした。 はのんとあいひめは 二人で車に乗り 遠くの村へ 行くことにしました。 はのんが あいひめと 一緒に行くと決めていた店は なぜか どこも 臨時休業だったのですが はのんは いくつも 店の候補を 頭に入れていたので すぐに切り替えることができました。 あいひめは はのんと 楽しい時を過ごすうちに ふと  思い出したことがあ

          太陽の国の話。[47]

          太陽の国の話。[46]

          あいひめは 頭の中のことが はのんに筒抜けなのだと 悟りました。 そしてそれは 距離や時間軸に とらわれることも ないのだとわかったのです。 しかし、その時のあいひめは まだ完全には 体調が元通り 回復してはいませんでした。 あいひめにとって はのんは 交際相手であったと同時に 変わらず 励まし続けてくれた 伴走者だったのです。 いつでも あいひめを 可愛がってくれ そしていつでも 支えてくれる。 そんな はのんのことを あいひめもまた 大切に思っていました。 は

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          太陽の国の話。[45]

          あいひめは あいひめで 相手の考えていることが よくわかるように なっていましたが、 まさか はのんにまで 同じような力があるとは 思っていませんでした。 しかも、あいひめには 相手の考えている 言葉まで わかることはできませんでしたが どうやら はのんには 言葉まで 当てる力があるようなのです。 思い返してみると はのんは  あいひめが 困った時には必ず たとえ 遠く離れていても 手紙で的確な助言をくれたのでした。 また、はのんはお店で あいひめに何も聞かずとも

          太陽の国の話。[45]

          太陽の国の話。[44]

          第九章 「ミイラ取りがミイラになる」 はのんとあいひめは 変わらず仲良く お付き合いをしていました。 はのんはあいひめに 短い髪の方が似合うのではないか こんな靴が似合うのではないか と、 たくさんの助言をしました。 その助言を聞いて あいひめは、はのんに好かれたかったので 髪を切り 靴を買い どんどん自分を磨いていきました。 その結果、 あいひめは見違えるように 綺麗な女性になり、 益々異性からの人氣が出るようになりました。 あいひめは 少しずつ 調子に乗り始めま

          太陽の国の話。[44]

          太陽の国の話。[43]

          あいひめは、自らが 「太陽の女神」 というお告げを聞いた後、 3つのお願い事をしていました。 ひとつ目は、素敵な交際相手が見つかること 二つ目は、自分に合った仕事が見つかること 三つ目は、国中の異性から注目を浴びること でした。 その時のあいひめは 自らのみじめな姿に たいそう落ち込んでいたのですが 「高い望みを持った方が叶いやすい」 「下方修正はいつでもできる」 という発想が浮かんだので 少々贅沢な望みを描いてみたのでした。 あいひめは頻繁にお寺に通い 朝晩、祈りも

          太陽の国の話。[43]

          太陽の国の話。[42]

          時は、少しさかのぼり、 あいひめの仕事が決まる前のお話。 自らのからだの具合に合わせ はのんとの関係をあたためながら あいひめは毎日 静かに穏やかに暮らしていました。 すると、 久しぶりに 安達さんから連絡が入ったのです。 安達さんは、 あいひめがお世話になったお友達。 あいひめにとってお兄さん的な存在でした。 安達さんは、突然 あいひめと連絡が取れなくなってしまったので あいひめはとても心配していましたが 安達さんは、突然気を失ってしまったものの 今は元氣に回復し

          太陽の国の話。[42]