子宮頸がんとHPVワクチンのこと

子宮頸がんとそのワクチンについて、昨年の夏頃から、質問をいただくことが増えています。

昨日も、一昨日も、質問を受けました。
親が当時の騒動を知っていて、お子さんがちょうど中学生、という方からの質問です。いわゆる『あの時の映像を見て怖くなって、そのままにしてしまっている』方々でした。

10月22日に出た『2000~2003年度生まれの女性では、避けられたはずの患者が計1万7千人、死者が計4千人発生するとの予測を、大阪大チームが22日までにまとめた』このニュースは皆さん、ご存知でした。

※画像 末尾※

打たないことで、娘さんたちが将来、命に関わる病気になってしまう可能性、大きなリスクをわかってらっしゃる。

それでも、尚、安全性に心配がある、ということをお聞きしていました。

『医療現場の行動経済学』(東洋経済新報社)から引用すると

まず、重篤な副反応(疑い)が1接種あたり0,007%しかなく、一方、日本でのHPVワクチンによる子宮頸がん減少効果は約60%

このことをお話したとき、その方々が、10人に一人?という反応を示したことからも、相当数、副反応が出ていると思われていることがわかります。
実際には10万接種あたり7件です。

「慢性の痛み診療・教育の基盤となるシステム構築に関する研究」の研究班資料によると(中略)認知行動療法アプローチにて、約7割の人に症状の改善がみられている

とあります。回復している方が多い、ということも知られていないことかと思います。(7割の方にとあり、残りの3割のほうが気になる方もいるかと思いますが、このアプローチだけではないので・・・)

また、「子宮頸がんワクチンの有効性と安全性の評価に関する疫学研究」の一環として行われた「全国疫学調査」においては、HPVワクチンを接種していない女子においても、接種後に報告されている症状と同様の多様な症状を呈する者が一定数存在することが明らかにされた。すなわち、多様な症状が必ずしもHPVワクチン接種者に固有にものではないことが示された。

とあります。接種していなくても同様の症状が発生する子がいるということ。こちらにもあります。

さらに名古屋市の「子宮頸がん予防接種調査」の結果が名古屋市立大学の研究者によって論文発表された。それによると、調査対象の多様な症状の発生頻度は、接種者と非接種者で統計的に有意な差が検出されなかったのである。一方、HPVワクチンぼ有効性を示す国内のデータも次々に発表されている。

ここでも打ったか打ってないかで、症状発生の有意差がないことが出ています。
それからこれから対象年齢のお子さんがいる方に配布される予定の厚生労働省のパンフレットには、

『因果関係があるかどうかわからないものや、接種後短期間で回復した症状をふくめて、HPVワクチン接種後に生じた症状として報告があったのは、接種1万人あたり、約9人です。うち報告した医師や企業が重篤と判断した人は、接種1万人あたり、約5人です』

とあります。

先程の資料(10万人あたり7人)より数字が大きいと思いますよね。これは厚労省の資料となると『因果関係があるかどうかわからないものや、短期間で回復した症状を含め』ないといけないそうなのです。本当はここ、改善できたらいいのですが。。。(これについてはかねてより私も指摘している点ですが・・・)詳しくは以下にあります。

そして、この日、私はひとりの保護者の方から、とても難しい質問を投げかけられました。

反対している人たちは、なぜ、反対しているのか?

私にも、過去に、何かそこ(反対する人々)に、真実や確証たるものがあるのではないかと思った時期(以下)があるので

その思考回路、その気持ちはわかるのですが、これまでの期間(13年半)、反対している方々の声をネット等で見たり、また直接投げかけられ(厚労省の予防接種に関する参考人を務めていたことで)、私は、反対運動をする方々には意義を見出せなくなっています。(心配する親御さん、とは別の話です)
副反応を心配しているからでも、そのお子さん達を助けたいと思っているからでも、まして医学的に問題のあるワクチンだからでもないんだな、というところにたどり着いています。

そして

HPVワクチンについてはこちらのサイトにも

こちらのサイトにも

詳しくあるので、是非見てみてください。情報が集まって&詰まっていますね。

なぜ、この記事を書いているかというと、いま、まさに、新しくパパ・ママになった方々、そして乳幼児を育てている方々はなにか特別なものと思うこともなく、他のワクチンと同様に、年齢がくれば、という風に考えられている方が多いと感じます。

しかし、この7年間の、接種勧奨の中止していた期間に、小学生〜高校生だったお子さんを育てる親御さんの中には、なんとなく、という方じゃない方も一定数いらして(なんとなく、の方もいますけれど)、情報が少しでも届くようにと思います。

ちょうど息子(2004年生)と同年齢の子達が、一人でも、将来、悲しい目にあうことがないように。。。この予測調査は2000~2003年で出ていますが、その後、接種が増えてきているとはいえ、まだ爆発的に増えているわけではないので、罹患数と死者の予測はこのままだと続いてしまいます。

将来、わかっていたのにあのとき・・・ということがないように今、一緒に考えていきたいと思います。

何が何でも打て、とは思えないんです。
リスクは低いとはいえ、0.003%が気になるのもわかります。そこに当たる可能性を考えてしまう。10万人のうちの7人に我が子が、と思うことの怖さはわかります。でも、同時に、2000年~2003年生まれの女子で、将来、死に至ってしまう4000人、かかってしまうことを考えると1万7000人(その結果、子宮を摘出したり・・・)となるそのリスクと比較して、できるだけ正当に評価したいと思います。

対象年齢を過ぎてしまった人たちへ制度面で費用の補助、キャッチアップが必要だとも思いますが、その前に、親御さんが必要性を正当に認識できるよう、お伝えしていきたいと思います。

※画像は厚生労働省 小学校6年~高校1年相当 女の子と保護者の方へ大切なお知らせ(概要版)パンフレット詳細版より※

1回目の接種が9月末を過ぎてしまった高校一年生の子達については、こちらにあります。

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