【私小説】続、図書室とマリーちゃんと私 7、校長先生のおたのしみ
※1~6話は「図書室とマリーちゃんと私(本編)」に一括して収録しています。
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7、校長先生のおたのしみ
私が子供の頃、校長先生とは怖くて、太っていて、話が長い人のことを指す言葉だと思っていた。
しかし、私が働いているいずみ小学校の校長先生は少し違う。
細身で小兵《こひょう》。いつもニコニコしていてフットワークが軽い。
フットワークが軽いと言うのは、ただ単に足取りが軽いと言う意味だけはない。正直、暇なのかと思うくらい校舎内をうろうろと練り歩いているからだ