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山下かつみ物語 第四章~ガンとの闘い

まさかのガン!

音楽活動を再開し、毎日の生活も充実してきた2010年50歳手前、市のがん検診の無料券が送られてきた。
今まで健康診断なんて受けたことがなかったが、「タダで受けれるんやし、たまには検診しとき!」と娘たちに言われて受診。
一週間後「要再検査」という結果が!
組織検査を2回もしたが、結果は悪性・・・
2010年10月2日、50歳の誕生日は「乳がん」手術日となってしまった。
左胸半分を切除。
まあ、自慢できるような胸でもなかったのが幸いしたのか(汗)左右差をそんなにも感じずに済んだ。
手術はそんなに時間はかからなかったが、麻酔から覚めるのが遅かったそうで、目が覚めるまでずっと小声で鼻歌を歌ってたらしい。

副作用という産物

退院後は仕事を途中で抜けさせてもらい通院、放射線治療が始まった。
痛みはなかったが、回を重ねるごとに火傷になっていき、治療を終える頃には真っ黒に!
数週間後には一皮剥けてしまった。

放射線治療と並行してホルモン療法。
お腹に注射をするのだが、太い注射針の痛みをなくすために2回も麻酔注射をする。
私のがんのタイプは女性ホルモンが活発になると再発の確率が上がるため、このホルモン療法は生理を止める目的に施された。
ところがあまりにも副作用がきつくてギブアップ!
内服薬にて「抗エストロゲン薬」を服用することになった。

そこからが体調不良との戦いの日々。
50才という年齢、多くの女性は自然と更年期になる年頃。
ところが人為的に注射や薬を使用したため、「動悸、酷いめまい、急な汗」という豪華3点セットに苦しんだ。
身体が慣れるまで数年かかった。
いつどこでこの豪華3点セットが爆発するか予想ができず、外出する気にもなれず、家に籠りがちになっていった。
身体がしんどいと思考も前向きになれず、発する言葉もついネガティブに。

全てが悪循環のスパイラルに陥ってしまった。
色んなことに自信を失くしてしまった。
もう女性でなくなってしまうのかも・・・
複雑な感情が常にグルグル渦巻いていて、今から思い返してもかなり不安定な精神状態が続いた。
それでもなんとか通院だけは毎月頑張った。

やっと5年!
ようやく辛い薬からも卒業できると思って心が軽くなったのも束の間、
「まだまだ。乳がんの場合は安心できるのは10年ですよ」と
主治医はさらりと言ってのけた。
えええーーー⁉️
服用している薬と再発率の関係を聞いてみた。
「再発率70%のところが60%くらいになりますかね。」
ええええーーー!
たった10%しか変わらんの?
たった10%だけのためにこんな辛いんをずっと我慢しながら薬飲んでたんや・・・
もうその場にへたり込みたい気分だった。
先生にはお礼だけを言い、病院をあとにした。
その後、一度も定期検診もしていない。

失恋

笑顔だけは忘れたらあかん!と言い聞かせ・・・

病気になったこと、手術後も辛い治療が続いたこと、薬の副作用のせいで精神的にもかなり参ってしまった。
本来のかつみでは考えられないくらい、ネガティブでマイナス思考、周りに発する言葉も相当ウザかったと思う。

この先の人生を共にすると信じて疑わなかった人が、突然踵を返したようにいなくなった。
5年間、仲良くしていたボーイフレンドが愛想をつかしてかつみの元を去っていった。
これまでの数々の試練、どんなに辛いことがあっても笑顔だけは忘れずに生きてきた。
でもこの失恋は完全にノックアウト。
どん底・・・

最愛の娘たちと愛犬


現在がん治療から13年目!
こうやって元気で生きてます!
弱りきってたあの時代も今となれば結果オーライ(^^♪

次回に続く~お楽しみに

第一章~なんやかんやで音楽!
「第二章~暗黒の日々
「第三章~稲妻が走る!」
「最終章〜ボーダーレスの音楽祭へ」


かつみが立ち上げ毎年開催している音楽イベント
あまがさきJAMフェスティバル


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