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No.73 ベニトアイト

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高級感のあるロイヤル・ブルーと品のある輝きが印象深いベニトアイトのルースだ。大きさは米粒ほどしかないが大きさ以上の存在感があり、凛とした強さがある。
ベニトアイト。
この鉱物はダイアモンドを凌ぐ希少石として有名だ。
市場に出回ればダイアモンドよりも高額で取引されることが多い。
このルースも小粒であるにも関わらず1万円以上の値段がついていた。
何故底まで希少なのか?
ベニトアイトは大粒で産出しにくい。その上主要産地であったサン・ベニト鉱山が閉山しているため、とにかく出回っている数が少ないのだ。ましてやルースにできるものなどほんのひとにぎりである。
しかしながらポテンシャルは高い。ベニトアイトは屈折率がサファイア並みに高く、分散光も強い。おまけに硬度や強度も申し分なく何よりその美しき青さが高く評価されている。そのため需要が高い。
需要はあるのに数は少ない。こんな状況であれば高価になって当然である。
だが、もしかしたらそんな現状も近いうちに変化するかもしれない。
行きつけの宝石店の方から聞いた情報によると、近年ブラジルでベニトアイトが見つかり、少しずつではあるがブラジル産のベニトアイトが市場に出回りつつあるそうだ。どうやら色味でサン・ベニト産のものに劣るようで今の所売れ行きは芳しくないようだが、近いうちにブラジル産のベニトアイトがポピュラーになる日が来るのかもしれない。
それだけじゃなく、もしかしたら他の場所でもサン・ベニト産の品質に負けないようなベニトアイトが出てくるかもしれない。もしそうなればきっとダイアモンドやルビー、エメラルドなどに並ぶ人気宝石になるはずだ。そしてそれは近い将来に起こるかもしれない。いずれにせよ今後が楽しみだ。
最後に余談だが、ベニトアイトは日本でも発見されている。だが到底宝石にできるレベルのものではないようだ。しかしひょっとしたら日本から宝石質のベニトアイトが出てくるかもしれない。そして日本がベニトアイトの産出国として有名になるかもしれない。
夢のような話だが、ありえない話ではないだろう。

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