この標本はとある鉱物店のくじ引きにて、最下賞の景品にされていたものだ。当時くじ引きで見事に外した私は最下賞の景品を物色し、偶然にもこの標本を発見した。
標本のタグには「プレナイト」と表示されている。
だがどう見てもプレナイトではない。明らかにアポフィライトだ。
しかし、タグは「プレナイト」と主張している。
おかしい。
考えてもキリがないので店員さんに「これ、アポフィライトですよね？」と聞いてみた。すると「これはプレナイトがくっついたアポフィライトなんですよ」と答えてきた。店員さん曰くアポフィライトの隙間にちまちまとある丸っこい結晶がプレナイトなのだそう。
これなら「プレナイト」の表示は間違いではない。
でもメインはアポフィライトじゃねぇか！
突っ込みたいのはやまやまだったが、さすがに失礼だと思い何も突っ込まずその標本をくじ引きの景品としてもらうことにした。
まあ経緯はめちゃくちゃだがこの標本自体はなかなかおもしろい。カクカクとした氷砂糖のようなアポフィライトとつぶつぶまるまるで可愛らしいプレナイトが対象的で、なんともユニークである。
しかし何故これが最下賞の景品だったのか？
あと、これはもともと500円で売られていたようだが、本当に500円で良かったものなのだろうか？
謎である。