【LOOP8】ネタバレ感想② 個別エンドについて

個別エンド感想 まとめ
ネタバレ感想①と一部内容を重複するやも。
小説既読済み、各人の全イベントを見た前提。
クリアした順に並べてますが、感想の時系列はバラバラです。

小説を読んでからまた回収して、感想を書き足しました。…しかし、キャラ毎の贔屓が露骨じゃない?

わかりやすく個人の所感をまとめると、以下の通り。
◎タカコ、ベニ、マックス、ミッチ
◯イチカ
△テラス、ホオリ、マキナ

イチカ
個別エンド解放後、即回収しました。確認したいことがあったので2回も見てしまった。「ダメ」の選択肢を選ばなくても個別にいけました。「選択」の連続とは提案連打のことなのか?
イベントでは、デートと遊びの違いがよくわからなく、もうちょびっとトキメキと触れ合いが欲しかったです。手を繋ぎたいって言われて、繋がせろ!? いや、繋げや、ニニ!!となったのは、私だけではあるまいて。
神の入れ物として育てられた少女が、恋を知り、その気持ちに戸惑いながらも、幸せを感じていく様は大変よろしい。
本来ならば、真のヒロインであるところのコノハがシステム上、ヘイトを溜めやすいので、彼女の方が人気になりそう。寿命が短いというのも、まさにコノハナノサクヤヒメなのだなぁ。
神の意識上なのか、本当にそうなのかはわかりかねますが、コノハとは姉妹なのだと思います。要所ごとにその対比関係がわかってしまい、それもまた可哀想で…。絶対に救ってやるからな!と個別エンドを真っ先に見ましたが、駄々を捏ねれば解決するんかい!?といささか拍子抜けしました。テラスさんには頭が上がりませんね!
このエンディングではっきりとイチカに憑く神と、ニニに憑く神が夫婦だと明かされるので、ニニはやはりニニギノミコトなのでしょうか? なんかルート毎にそのへんも揺らぐような?
イチカとの会話で、ホシガミカガセオとニギハヤヒノミコトの可能性も示されるのですが…。そもそもその人たちのことは知っているのに、自身に憑いた女神の伴侶であるニニギノミコトの話を知らないの、変じゃない?
この世界、ニニギノミコトって本当に存在しているのかな?
ガイドブックには関連性の高い神の項目があるのですが、ニニのところには「天照大神」としか記されてないんですよね。コノハとイチカにはイワナガヒメとコノハナノサクヤヒメの名があるのに。
でも、こうやって気にしてても、謎は解明されないんだろうなぁ…。

ホオリ
こちらも確認したいことがあり、2回ほど個別エンドを見ました。愛情値の方が高くなりやすいのは仕様なんでしょうか…?(地味にストレス!
「憑き物が落ちた」のイベントを見たかったのですが、なんか上手くいかなくて結局、1回目以降は見れず…。また何かの機会に見られたら追記するかもしれませんが、とりあえず朧げな記憶で書きます。
憑いた神によって運命を狂わされた人、と考えれば、コノハやニニに境遇が似ているかもしれません。大好きな実の家族から離れて葦原中つ町に来るほどの望郷。その感情自体は本人の実感になるので、イチカやコノハが感じたように、ニニに対する想いも深めていくわけですが、それが家族愛から恋愛的な意味に発展していくのが、おーん…?となり、プレイヤーとしてはかなり混乱しました。
個別エンドがまた…仮初の家族だったコノハを殺しておいて、彼を「家族」として新たに迎えるニニのモノローグについていけなくて、そういう感じの依存なの? は? となってしまった。
テラス同様に、手放しで応援できないエンドなんだよなぁ。
普通に、「友達」として出会って交流できていたら、すごくいいこなんだろうに…。
葦原中つに対する望郷も、憑いた神によるものですが、その中心たるニニくんは実際に生まれ育った宇宙に対する想いの方が強いので、彼がどんなに前世のことや地上における有用性を説いても、すれ違うところがまた切ないなぁと思いました。

テラス
イチカの次かその次くらいに見た個別エンド。ともかく、後味が悪い。
「みんな大好き、近所に住むちょっとえっちなお姉さん」属性なんだが、その正体はニニの実祖母。彼女自身のイベントで明らかに祖父(旦那)とニニを重ね合わせているとわかる描写があり、個別エンドはそれを踏まえても、なんか背徳感がある…。元より、自身の命運(実家とのしがらみ)で旦那と娘と別れることになったわけで、どちらに対しても愛情が薄れぬままなところも、孫から逃げる理由としては理解できるけども。けども!
最後の最後に、ニニの視点から実母と重ね合わせるような発言が出るところも…。ちゃんと「家族」としてやっていけるのか、この人たちは。一線超えない? 大丈夫?
テラスが気を遣ってなのか何なのか、コノハに対して何も言及しないこと、ニニもそれを避けているかのような描写が目立ち、彼らの中で彼女の死は「仕方がないもの」として処理されているような錯覚すら覚える。それが悲しい。ニニが来る前まで、コノハとテラスは同居していたから、ニニと似たような関係だっただろうに、そこは切り捨てるんだ…っていう。
テラスさん自身、性格もキャラデザも大変好みで嫌いではないのですが、クリアしたあとでは手放しで「えっちなお姉さんだ、わーい!」とはなれない気持ちです。コノハにニニの世話を押しつけておいて、彼女の個別エンドを見ると、おいしいとこだけ持っていきやがってという気持ちになります。
一見、明るそうな終わりですが、そういう仄暗い罪みたいなものを共有しているという意味では、大変好みの組み合わせではありました。
ところで、後日譚のインタビュアーはテラスさんだよね?

タカコ
ちょっと背伸びしたい女の子──と思いきや、複雑な家庭環境と、ギフテッド?だとかなんとか、いろいろと抱え込んでいる娘さんでした。
後日譚は女子高生になった彼女が見られます。まだ「妹」扱いの模様。…まぁ、この「妹」ってやつも、神話ベースを考えるとほぼ「恋人」「妻」と同義に思えるんですが。「お姉ちゃん」はテラスさんかな? 「私の学費まで稼いでる」って、タカコの家族はどうしたんだよ…と不穏な気持ちになりました。まさか、亡くなったのか? 3人とも? 「デジタルではない日記」「サクヤ」やナナチの「スマホ」発言など、細かなところで世界観が共有できてない粗があるけど、その類か?
全イベントを見ましたが、基本的には懐いてくるだけの女の子で大変かわいかったです! 脇クンはフェチ!
家庭環境もあるせいか、口調は子ども子どもしていますが、その内容はかなりの良識を持っています。そのフラットさが、全然ストレスにならない。素直に居心地がいい。
ホオリ、テラスエンドでは、コノハの死について何も触れなかったのに、こちらではちゃんと「まだ悲しい気分が残るが、妹に慰められている。時々ウザいけど」という流れで、それもよかったな…。タカコもわかってて寄り添っててくれているような気がする。
余談ですが、タカ姫を加護しているシタテルヒメノミコトは、大国主から葦原中国を取ろうとした男神の妻でして、高天原からの矢に射られて殺されます。「夫と同じようにならないように」的な発言が救出後の会話にあるのですが…。これもまた、不穏さが残る。

ベニ
最初の話が長いので、彼女のルート以外で話しかけることはもうないと思うんですが、めちゃくちゃかわいかった…!
正直、他のキャラだと「遊ぶ」と「デート」の違いがよくわからない人も多いのですが、ベニははっきりとデートってわかる!! 接触がある!!
終わった後も「ドキドキした」って目をまんまるにして言ってくれるとこ、はぁー、かわいい…。撫でたい! 守りたい! この笑顔!!
ニニ→ベニの感情が、しかし、恋愛的なそれかと言われると、そうでもないような? サルが言っていたように、犬的な…。デートでのスキンシップも、モフの延長のような気がしてならない。ペット的な立ち位置でのパートナーを手に入れた!みたいなエンディングに思えました。個別エンドは、すべてが終わったら、高天原へ帰ると思っていたので、ちょっぴし拍子抜け。
そんで、やっぱりコノハを殺すことで、この世のケガイもすべて消えるという理解でいいのかな?
真エンドは初めからその存在がなかった=被害もない、ニニコノは別世界エンド?

マックス
救出後に加護の会話が出て来ないのは仕様? 外国人だから、加護がつかないのか?
→後日、夜のリビングにて回収できました! わかりづらいよ!?
ワダツミもイザナミも、葦原中つとケガイの国との境界をあやふやにし、生と死が混沌とした世界をもたらしたい…のかな?
異邦人という意味で、ニニくんに共感と同情を寄せてくれる。愛情よりも友情が上がりやすく、師弟関係というか、居心地の良い空気感がよかった。後日譚を見ても、そんな関係を続けているようで◎
状況的に、一番そばにいて欲しかった大人、という感じで、自分は教師として適任ではないとか言いつつも、ニニに対してはよい先生だったように思います。
マキナとの関係性に始終悩んでいたわけですが、同時に彼女は作り物でしかないという思いもあり、「娘」と呼ばせつつもどこか距離を置こうとしている感じがある。素直に親子関係に甘んじられないところが不器用な人だと思う。

ミッチ
まだ一度も刺されてないんですよ…!? このまま終えそうな気がする!!
というのも、1キャラごとに攻略してて、他キャラの友愛度を上げないから、彼女を攻略してても刺される危険性がないみたい。
他の同級生キャラが神討ちの巫女やら女神憑きやら機械やらで、まともな人間枠が彼女だけなせいか、刺される心配さえなければ、至極真っ当な彼氏彼女の関係を楽しめるルートだった…。キス魔だったり、肉がついて喜んだりしているのが、いちいちかわいい。その分、そこの具体的なイベントないのが不服なんだけど!
ミッチ以外に目もくれないルートを取らざるを得ない仕様なので、エンディングも後日譚も違和感なく受け入れることができました。これに限っては、コノハがどうこうと思わなくても、ミッチと二人だけの世界エンドなのでそれはそれでよし。コノハが普通の女の子だったら、…みたいなifを見せつけられているような気はした。
彼女だけを愛することができたのなら、一番普通の人生が送れそうなエンディングだと思った…。

マキナ
初めにいっておくと、この手のアンドロイドが人間に憧れるという物語が私は好きではないです。なので、見た目はかわいいけど、話していて「うっ」となる部分が多くありました。「人間になりたい」という想いに、しつこさすら感じてしまった。ロボットキャラに対しては、ロボットそのものであることを含め、愛したいのですが、そこを本人に否定されるとなぁ。
マキナ自身は良いキャラで、マックスとの関係もあり、掘り下げも広がりもありそうなのですが──これも、システムとシナリオの問題ですが、会話イベントでマックスと最後まで絡まないまま進むとか、戦闘でも大きな変化はないとか、完全に手落ちだと思いますね。本当に惜しい。
機械であることをはじめから隠す様子もありませんし、そのくせ、そうではない体での会話があったり、と時系列がめちゃくちゃで。シナリオの部分で一番ワリを食ったんじゃないでしょうか。
デートや食事イベントでも普通に人間の食べ物を食べるようなので、どうなってんだ?と。電気がうまい!とは何だったのか。どこかで詳しく説明されたっけ? 小説版?
元から代用品として作られ、その役目を押し付けられている中で、たまたま「神(とします、ここでは)」の介入があり、実用化した。そのため、作成者のマックスの意図と違う動きと心情を得てしまったのが彼女の悲劇なんでしょうか?
機械にも人間にもなりきれないという意味で、確かに中途半端な。この場合、根幹である「神」が降りているという話も、小説版を読まないとわからないところなので、ともかくシナリオがひどいとしか思えなかった…。
ニニとの距離感は、友人ベースの恋人という感じで微笑ましく。エンディングでさりげなく「お義父さん」とか言い出したときはヒエっとなったけど。マックスの後日譚が、そのままマキナのものにもリンクするのでそれは良かったです!

コノハ
多くのところは「ネタバレ感想①」の記事で書いたままなので、そちらを参照してください。

システム上、ヘイトを溜めやすいキャラのでネットでは散々言われてますけど、私はこの娘さんを嫌いになれないです。何せ初日に寿司を取ってくれますからね。引っ越し蕎麦でもよいところを、寿司!? 絶対にいい子じゃん!と私は初見で思いました。
「神憑きになってしまった女」が「ループという手段を持ってしまった」が故の悲劇だと思うし、彼女自身がイワナガヒメに影響を受け過ぎてて…。宇宙育ちのニニですら、その神憑きの影響はあって、イチカに対して初対面でいきなり愛情値が上がる仕様になっている。
本来ならば、その因縁からの解放が求められるところなのですが、本ゲームはその前に物語を閉じてしまいます。これが作品自体が訴えるテーマなのか、ゲーム的な未熟さなのかはわかりませんが(以下略) 憑かれた神による恩恵と同等以上の悲劇が、各キャラにあって、その濃淡が人間関係に及ぼす影響が、世界観としては面白い。
テラスがすべての因縁を振り切って惚れ込んだ旦那の存在、その結果に生まれたニニ。その彼に「弟だよ」「家族だね」と受け入れてくれたコノハ。
神話の体系にないこの関係性こそが、真なる絆のような気がして。それを許さないこのゲームの仕様には首を傾げるばかりです。繰り返し遊んでいて不満を持つ、そこが自由への一歩だという設計が、ガンパレにはあったんだけどなぁ?

発売から約1ヶ月。ここまで来て、公式がダンマリなのでアップデートもDLC的な要素も望めない模様。一部で売り逃げと言われてますが、本当にそんな印象を感じます。可能性があるゲームだっただけに非常に残念…。

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