巷で散々出ている通り、ともかく動きが悪いです。加護や戦闘も演出カットできますが、微々たるもので、特に戦闘に関してはカットオンとオフの違いがわからないくらい。もう少しスピーディーにしてほしい。パーティキャラに指示もできないため、回復手段がない、体力が低いキャラは死ぬ、効率の良い戦い方ができないという不便さがある。
このあたりはそのうちアップデートで改善されると思いますが……。RPGとしてテンポが悪過ぎるので！　戦闘が苦痛になるのはマイナスなので！
繰り返しの会話と、主人公の動きはそのままのような気がする。
繰り返しの会話については、あそこに単純なスキップを入れず、会話が高速で流れるだけ、しかもバックログが出ないのは、その中で気になる情報があるならもう一度ちゃんと話を聞け、ということなのかと考えます。この手のゲームでバックログがないのは本当にびっくりしたんですが、一度聞いたな〜と思って読み飛ばすと、同じことは二度と言ってくれないんですよ、この周において。
主人公のもたもたした動きも、宇宙生まれであり、少しのことで息切れしてしまう彼の体質を表している。また、黄泉比良坂内ではそれが時間制限にも掛かってくるので、ゲームバランスとしては変えられないポイントになる。初見だと、何度か迷子になって時間切れで世界を滅ぼすと思う。
でも、そこ含めてがゲーム設計な気がする。
ガンパレもそもそも快適なゲームとは言い難く、その不便さを乗り越えて世界の秘密を知りたい、自分の遊びたいスタイルに当てはめたいとする作業が楽しかったわけで、今作もそこは踏襲している。
変な話、面倒臭い手続きを踏めば踏むほどに、キャラクタなりゲームなりに愛着が湧いてくる作りになっており、そこまでしたくない層は初めからターゲットから外れている。
そこまで大前提として。
このゲーム、やれることが人間関係の構築と世界観の掘り下げだけなので、ある程度の攻略情報が行き渡ったら、飽きられてしまうのではないか？というのが大きな懸念事項です。
ガンパレがあれほどに流行ったのはその情報の少なさにもあったと思います。私がガンパレを遊んだのがかなり後で、当時は特集号の雑誌くらいしか攻略本と言えるものがない中、ネットにはその攻略情報が溢れまくっていました。公式から出ている設定資料でも何でもなく、ウィキや個人サイトの情報から世界観の概要を掴む作業、人様の考察を読み込むのは、2ちゃんねる全盛期にネットを謳歌した世代にはクリティカルヒットだった。そこを含めてのゲームの楽しさであったと思う。
一方で、今の時代は攻略をネットで掴むのは当たり前、考察するにも原典のテキストは溢れかえっています。もっと言うなら、テキストベースではなく、動画で物事を考える時代です。相性が悪いというか、やり方として古さがあるのは否めない。
日本神話ベースというのも、古事記と日本書紀、出雲神話の立ち位置についてとか、もっと細かいレベルでの差異を期待していましたが、そんなこともなく、わりとふんわり用いているようなので、あくまでエッセンスでしかないんでしょう。まぁ、それやっちゃうと別ゲームだからね！
ということで、その世界観もそれほど深いようには思えない。
とはいえ、期待できるところもあって、今は固定の討伐隊とケガイ化のキャラ。これはおそらくそのうちに全員対象になるのではないか、とか。PCがニニ固定になってますが、選べるようになるのではないか、とか。
特に後者はガンパレで非公認裏技として出来たことなので、今作で導入しない理由が見当たりませんから、是非とも期待したいところなのです。13人しかいないからな、今回。

思えば、発売からまだ1週間も経ってないというのに、いろいろ注文をつけてしまった。それくらいは「伸び代」を感じるゲームなので、躍進してほしいなぁ。無理かなぁ。どうかなぁ。
売り上げ次第、反響次第で、そういう仕様の追加を変えます、って感じなのが透けて見えて、それがちょっとやなんですよね。これも時代か。
とりあえず、イチカルートをクリアしたいぞ！