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ヘイトクライマーの”問いかけ”

2021年8月6日夜、小田急線で痛ましい事件が起きた。

走行中の車内で、36歳の男が乗客を無差別に切りつけた。逃走後逮捕された男は、「幸せそうな女性を殺してやりたいと思った」と供述しているという(容疑者の供述はすべて東京新聞からの引用)。

おそらく典型的なヘイトクライムフェミサイドだろう。

ヘイトクライムとは、「人種、民族、宗教、性的指向などに係る、特定の属性を持つ個人や集団に対する偏見や憎悪が元で引き起こされる、嫌がらせ、脅迫、暴行等の犯罪行為」のことだ(Wikipediaより)。

フェミサイドとは、「性別を理由に女性または少女を標的とした、男性による殺人」のことだ(Wikipediaより)。

そして僕は、被害にあった女性よりもむしろ、加害者の男性の方に心を寄せて、胸が締め付けられる思いになったのだ。

男は「俺はくそみたいな人生。幸せそうな人生を送る女性を見ると殺してやりたいと思うようになった」「かつてサークル活動で知り合った女性に見下された」「出会い系サイトで出会った女性とデートしても途中で断られた」「勝ち組の女性やカップルを標的にした」などと供述しているらしい。

なんと悲しい動機だろう。


ヘテロの男にとって、女性にもてないことほどつらいことはない。

僕は若い頃モテなくって、彼女もいなくって、童貞を卒業したのは27歳のときだ。だから女性にもてないつらさはよくわかるつもりだ。

愛こそすべてと思い込んでしまう。恋愛と性愛と快楽という幻想が膨らんでしょうがない。金や名誉がどんなに得られても成功とは感じられない。自己否定感がどんどん募る。もてない。もてない。もてさえすれば、すべてがうまく行くのに・・・


ふと、この本のことを思い出した。

宮台真司と二村ヒトシは、性愛についてなんて言ってたっけ?

気になりながらも読んでいない本だ。もう読まずにはいられない。だがkindleはないので中古をポチッとした。久しぶりに本を買った。

この本については、読んだ後にあらためてnoteに感想を書こうと思う。


もちろん犯罪は憎むべきものだ。だが、犯人のことは気になる。今回の犯人について、できるだけ理解をしたい。そして自分自身を理解したい。そう思っている。


最後に、神奈川県相模原市の障害者福祉施設「津久井やまゆり園」で19人を殺害した植松聖死刑囚と面会をし、その後も事件の意味について考え続けている、奥田知志氏(NPO法人「抱樸(ほうぼく)」を運営し、路上生活者の支援に当たっている)のインタビュー動画を掲載する。

この事件についても、植松聖という人物についても、もちろん奥田氏の言葉についても、よく考えて消化を試みて、またnoteの記事にできればと思う。


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