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肺に秋をみたす

久しぶりに空を見上げたら、
いつしか秋になっていた。

袖口を乾いた風が通り過ぎる。
深く透き通る空に、
雑踏の音が吸い込まれてゆく。

見上げたまま目を閉じて、
空を肺に吸い込んでみた。

自分の中が、
秋の空気に満たされる。

高い空。
吹き抜けてゆく、
爽やかな風。

地面から上、
私の立っているこの空間は、
あの青い空と繋がっているのだ。

それを感じられたから、
少しだけ救われたような気がする。


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