世の中には失恋ソングを聴いてそのシーンを想像できる人間とできない人間がいると思う。私は前者だ。過去や現在の自分を重ねては悲しくなり、励まされ、たまに泣く。そんな聴き方をする。

思い出のLOVE SONG
昨日久しぶりに聴いて懐かしい気持ちになった曲がある。「神様お願いだよ」からサビが始まるあの曲、LOVE SONGだ。失恋ソングのプレイリストを流し聴きしながらあれこれ話していた時に流れてきた。

3年ほど前に付き合っていた元々彼との思い出の曲だった。もう未練はないしお互いに新しい相手と楽しくやっているはずなのだけど、どうしてもこの曲を聴くときだけは思い出してしまう。もう朧げにしか記憶できてないのに、その時だけはわりと鮮明に。それも、楽しかったことばかり。

本当に大好きだった。大切だった。ずっと大事にするって、幸せにするって、言ってくれたのに。
LOVE SONGを歌いながら言ってくれたことは嘘だったのか、なんて考えれば考えるほどに落ち込んでしまって、別れてすぐの頃は聴けなかったこの曲。いつの間にか普通に聴けるようになっていた。時間が解決してくれたのか何なのか。些末な傷つきを忘れることで前に進めたんだと思う。

もう振り返って悲しくなることはないけど、絶対に私を振った彼よりも幸せに生きるんだと踏み台にしている私は弱いだろうか。

示準化石？
私は音楽を聴くのが好きだ。広く浅く、邦楽なら割と何でも聴く。ずっと好きな曲はたくさんあるけれど、よく聴く曲はその時仲良くしている人や影響力のある人の好みに大きく左右される。高校生の頃は片想いしていた先輩の影響で柄にもなくB'zやコブクロをたくさん聴いていた。もう聴かないし聴けないけど。

何年も使っているアプリのプレイリストを遡ると、ある時を境に聴かなくなったアーティストや逆に頻繁に登場するようになったアーティストが出てくる。これによっていつ頃作ったプレイリストなのか、考えたくなくても分かってしまう。

恋愛体質な私は大半が恋愛関係の記憶と結びついているので、先輩に片想いしていた頃のプレイリストに出会っては楽しかったなと懐古し、彼氏と上手くいってなかった頃に聴いていた曲に再会しては感傷的になる。プレイリストは地層みたいだし、１曲１曲が示準化石みたいだなとふと思った。

思い出したくないことを想起させられることもあるけど、大切な記憶を感情ごと呼び起こしてくれるからやめられない。この先も同じアプリを使い続けるのだろう。願わくは、幸せな記憶を伴った曲が増えますように。

初めてちゃんと書くテーマが元々彼の話になってしまうのはどうなんだろうと思ったりもしたけど、感情は生物だから、という事で。