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継承していきたい栄養の宝庫「キトゥルの木」とは?

キトゥルとは、スリランカ、インド、ミャンマーなどの熱帯雨林地域に自生するヤシ科の植物。
和名で孔雀椰子、英名でfishtail palm(フィッシュテールパーム)と呼ばれ、Kithul(キトゥル)というのはスリランカでの呼び名です。

キトゥルの木

上がキトゥルの木全体の写真。
鎖状に束になって垂れ下がっているものが花の部分になります。
最初に現地の友人に聞いた時は、これが花?!と驚きました。

この花の部分から採れる樹液を薪の直火で長時間煮詰めココナッツの殻で作った型で冷やし固めたものが「ジャガリー」と呼ばれるとろけるような甘さが特徴の天然の固形菓子です。
スリランカでは、紅茶やハーブティーと一緒にかじって食べたり、天然の甘味料として砂糖の代わりに料理に使用されたり、アーユルヴェーダ薬としても広く利用されています。また煮詰める時間を短くすると「キトゥルパニ」と呼ばれるスモーキーな香りの甘いシロップになり、こちらもデザートにかけるなどして現地の人々に親しまれています。

ココナッツの型で固めたジャガリー。スリランカでは「ハクル」とも呼ばれています。
紅茶と一緒に添えられるジャガリー

キトゥルの樹液はとても高価なものなので、ジャガリーには砂糖を加えキトゥルパニは水で薄めたりして多く個数を製造し売られることも少なくないと聞きます。

砂糖が混ぜられていないピュアなジャガリーには、鉄分・マグネシウム・カルシウム・カリウム・リンなどの必須ミネラルやビタミンが豊富に含まれており、その量は白砂糖の60倍との研究結果も出ています。食物繊維も豊富なためスリランカ式アーユルヴェーダでは便秘や消化不良の改善などに用いられることも。ambara「キトゥルジャガリーボールズ」は、このピュアなジャガリーをひとつひとつ職人の手によって、ひとくちサイズに形成したものです。

キトゥルジャガリーボールズ

「ネリアディヤ ハーバルポリッジ」もまたキトゥルの木の髄から少量しか採れない貴重な原料から作られており、鉄 ・亜鉛・カルシウム・食物繊維など豊富な栄養素が含まれています。

天然の奥深い甘みがデザートにも最適なネリアディヤ ハーバルポリッジ

このようにとても栄養価が高い原料が採れるキトゥルの木ですが、多くの要因により、かつて豊富に存在していたキトゥルの木が近年不足しているそうです。そのうちの 1 つは、キトゥルの木にとって好ましい環境である熱帯雨林が他の産業のために部分的に伐採されること。

また、キトゥルの木が花を咲かせ樹液を生成するまでには最大15年の絶え間ない手入れが必要であり、風雨の変化にも敏感で、先行投資が必須。そのため、お茶やコショウなど安定的な収入となる作物の栽培にシフトする方も多く、若い世代の後継者が減っていることも要因とか。

私たちは、キトゥルの木から採れる原料を生活に取り入れやすいよう製品化し日本の人々に使ってもらうことで、この古代から受け継がれてきた素晴らしい植物を絶やすことなく、継承問題へ微力でも役立つことを願っています。

ambara ディレクター
Miu


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