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埃を被った小箱

10代の頃、教祖の様に崇めたバンドの新譜を聴いた。


有名になると聴きたくなくなる古参気取りの天邪鬼が理由で、最近はめっきり聴かなくてなっていたバンド。


久々に聴いて思ったのは、

「変わったのは私だ」

ということ。

私の青春と言っても過言でなかった音楽は、
やはり少しは変容しながらもそのままだった。

小さな擦り傷が致命傷みたいに、多感だった10代から
自分の心を守り、癒す術を知った20代では
音楽の感じ方も、得るものも違って当たり前だ。


変われて良かった
でも少し寂しい

その相反する感情が私を作っているんだ、きっと。


昔聴いてた曲、ハマっていたもの、好きだった映画、纏っていた香水。


埃を被った小箱を開けて、
思い出に触れてみるのもたまにはいいのかもしれない。

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