障がいと共に生きる

『こんな夜更けにバナナかよ』という映画が数年前に公開されたのですが、その文庫版を最近読み進めています。
実は、かなり前にこの本は購入していたのですが、忙しさにかまけて、完読できていませんでした。

簡単に説明すると、筋ジストロフィーという難病を患った鹿野さんという方と、彼の在宅生活を支えるボランティアとの物語です。そして、なんと実話を元にしているのだとか。

で、最近読み進めているのですが、やはり入所施設で働いているという仕事柄、筋ジスの鹿野さんの言い分が凄く分かるんですよね。

施設ではなく、在宅で自由に生きたい。

施設にいる人のほぼ全員と言って良いほどに、
「家に帰りたい」と一度は口にします。
ただ、その願いは基本叶わず、施設で一生を終える人がほとんどだったりします。
だからこそ、鹿野さんの一見わがままとも言える言い分も、とてもよく分かる内容でした。
障がいを持った方が、ボランティアのみの力を借りて、在宅で暮らすなど、かなり無謀にも近い挑戦。
自分の人生を自由に生きる。
そのことに対して、彼以上に本気で取り組んでいる人はいないのではないかと思うほどに。
彼のわがままは常に命懸けなのです。
もちろん、仕事柄、ボランティアの人の気持ちもよく分かります。
疲れているときに、色んな注文をされると、イラッとする気持ちも分かります。てか業務回らなくなるし、後で上司に小言言われるのが目に見えているし。仕事の場合は特に。
ボランティアだと、お金のやり取りがない分、責任を取る必要はありません。純粋な良心のみで、相手と関わることになる。
仕事以外の時間を削って、ボラに捧げる。それって、並大抵のことじゃない。

でもね、それでも、幸せだったりするんです。
不思議なんですけど。別に障がい者だって1人の人間だし、あくまで対等。上も下も右も左もない。
ただ、誰かと心が通じ合えて、誰かの心を満たせたときって、単純に幸せなんです。
誰かに愛を届けた分、自分にも愛が返ってくるような感覚。

物語を読み進めながら、自分の仕事との向き合い方も、改めて考えるキッカケになったので、記事にさせて貰いました。

早く全部読もう。


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