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映画『すべてうまくいきますように』を楽しむために解消してほしい、4つのネガティブ

ごきげんよう。雨宮はなです。
いよいよ上映開始ですね!

『すべてうまくいきますように』

この記事では映画好きな人はもとより、
「安楽死なんて重いテーマで楽しめるのかな」
「フランス映画なんて普段観ないから、知らない人ばかりでおもしろくないかも」
「爆発や戦闘がないとつまらないのでは」
という方に何か届いたらいいなーという考えで、作品を紹介します!

1.「安楽死がテーマって、重くない?」
→重くない!

この映画の素晴らしいところは真面目だったり憂鬱なシーンで構成されているのに、重くないことです。
だからといって、決して、安楽死や尊厳死を軽く扱っているわけでも、適当に紹介しているわけでもない。
父アンドレの我がままで奔放な態度や、彼を取り巻く人間関係が気になってしまい、巧みに「安楽死」から「アンドレ」に焦点を移されます。

シンプルなのにどこかお洒落な姉妹の装いや、俳優陣の演技のうまさにぐっと引き込まれ、幽霊になってひとつの家族を見守っているような気持になります。

「安楽死」を重くしているのは、タブーにしているのは誰なのか。
この作品を観ているとわかるような気がします。

2.家族に「終わらせたい」なんて言われたら辛くない?
→言った方が辛い!

ほとんどの人が主人公のエマニュエルに自己投影をすることでしょう。
もしくは、その妹や親戚、職業的に病院関係者に共感する人もいるかもしれない。
きっと、安楽死を望む父アンドレに自己投影する人は多くないと思います。
アンドレには自分の親やパートナーを当てはめる人が多い気がします。
つまり、自分にとって大切な人です。

じゃあ、その“自分にとって大切な人”の意思を無視するのってどうなの?
終わらせたいと思う状況にずっと置かれてるほうが辛くない?
大切な人に辛い思いをさせてまで、自分が得たいものは何?

言った人間の辛さが表れるシーンがいくつもあります。
そこに、自分にとって大切な人ではなく、自分を置いてみてください。

3.「知らない役者ばかりでつまらくない?」
→むしろリアリティ!

この映画の主役を演じているソフィー・マルソーや、その父親役の
アンドレ・デュソリエは超有名フランス人俳優です。
でも、映画をあまり観ない人、フランス映画を観ない人にはまったく見覚えのない役者さんたちです。
そんな役者さんたちを眺めるのはつまらないんじゃないか?

そんなことありません。
ちょっと乱暴なたとえになりますが、これが橋本環奈さんと阿部寛さん…いや、小雪さん平泉成さんだったら?
役を観るのではなく、役者を観ることになってしまうと思うのです。

自分たちと遠いからこそ、知らない人だからこそ、自分の環境にあてはめるゆとりがあるのです。

4.「映画は爆発と戦闘あってこそだ!」
→感情の爆発と意見の戦闘があるよ!

日本でデザインされる映画のポスターがダサいのは「イオンにクロックスで行くような人たちでも興味が持てるようにつくられているから」なんて話があります。
それと同じで、「わかりやすい」「テンポが良い」ものが好まれることも最近はよくトピックに上がります。

ただ、私は一つ言いたい。
いついかなるときも、爆発や戦闘は起こっているのだと!
火薬や爆薬を使っていなくても、派手なバトルアクションやカーチェイスがなくても、何かが爆発してるし人は戦っているよと。

感情の爆発や意見の対立がどのように起こるのか、どのように納めるのか。
その観察に非常に良い作品です。

さいごに

どうしても主人公に肩入れしてしまうかとは思いますが、ぜひ、アンドレの立場にもなってみてください。
きっと、観たあとからの生活のみえかたが違ってきます。

死を選ぶ権利(人権)であることを遺族側に配慮して示してくれた良作『すべてうまくいきますように』は、2月3日(金)よりロードショー!

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