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映画『猿ノ王国』はディレクターズカット版も面白い!

ごきげんよう。雨宮はなです。
20日(金)より映画『猿ノ王国』ディレクターズカット版がアップリンク吉祥寺にて上映開始されました。なんと、1週間限定。しかも、ディスク化の予定は今のところ無し…。これはすぐさま観に行かなくては!

※すでに公開済みの作品のため、この後はネタバレアリで進みます。ご了承ください。無理な方はご遠慮ください。

通常版との違いは?

映画初心者の私にとってディレクターズカット版とは「大人の事情で監督が作りたかった作品において、”これが本物やー!”と監督が思いのたけをぶつけたバージョン」だと思っていました。ところがどっこいしょ。このディレクターズカット版はそうではありませんでした。

言うなれば、「ミニシアター系作品に慣れていない人にも楽しんでもらえるように」という監督からの配慮で出来上がったものでした(これは舞台挨拶で監督がおっしゃっていました)。
全てを拾えたかはちょっと自信がありませんが、説明用テロップの追加やカットインによる情報の追加が見られました。作品に迫る情報の追加は見た目にもかっこよく、それだけでなく何気ないシーンが追加されていたりとわくわくがいっぱいでした。

3回目の楽しみ方

通常版の2回を経て今回で『猿ノ王国』を鑑賞するのは3回目でした。バージョン違いなので初見といえば初見なのですが。
初回は「どんな作品なのだろう」「理解できるか、意図を汲めるか」、2回目は「前回見逃したものは無かっただろうか」「あのシーンをもう一度じっくり観たい」、では3回目は…?

ディレクターズカット版ということもあって「通常版との違いは何か」があるのはもちろん、「役者さんの演技を堪能したい」でした!もう、ずっとニヤニヤしっぱなし!

「日本社会の寓話」というキャッチコピーなこともあり、内容や台詞についつい注目しっぱなしになってしまうのですがそれだけではもったいない。役者さんたちの分、目が欲しいレベルでどの役者さんの演技も素晴らしい。別記事で「ココが好き」と語るレベルで(じゃあ語れよ)素晴らしい。個人的には笑顔に注目してほしいです。”誰の”とはいいません。ただ、笑顔にゾクっとしたり「キタキタァァァ」となります。ぜひ。

私は3回目の鑑賞、笑顔に注目していました。(今気づいた)

ニヤニヤとヒェッ

基本的にニヤニヤしながら観ていました。一番ニヤニヤしちゃうのは、”名越の同僚をうっかり殺してしまう”シーンかもしれません。「そこまでしなくてもよいのでは?w」と思いつつ、パニックになってる人間がよく表れていて好きなシーンです。たかがUSBメモリ1つのために人を殺してしまう、それでいてそのUSBメモリを紛失してしまうんだからしょーもない。

ヒェッとなるのは社長秘書の黒田が「千葉ァッ!!」と怒鳴るシーン。え、貴方がそんなに声を荒げます?って初回はびくつきました。権力と声の大きさにリンクを感じます。部屋の中で明らかに一番若いのですよ。そんでもって、女性なんです。ぶっちゃけ、社会的には一番弱く見られる条件が揃っているのに「社長秘書」という肩書だけで彼女はこんなにも力がある。対面の直前に慌ててマスクをつける人なんていない。「彼女が来る」とわかればすぐさまマスクは取り出され、マスクをつけた状態で全員が起立して彼女を迎える。「秘書」なのに。「社長」の「秘書」だから。これにも毎度、ヒェッとなります。

さいごに

他にも、「地下室3人のタワーは所得のピラミッドにみえる」とか語ろうと思えばキリがないのですが、何でもいいからとにかく観て欲しい。イベントの締めくくりに主演の越智さんがおっしゃっていた「あなたはこの作品の中の誰ですか?」という問いに答えを見つけるべく、劇場に足を運んでほしい。

モヤッと、スカッと、ジワッとの三拍子があなたを待っています。

最後まで読んでくれてありがとうございます。
ではまた次の記事で。ごきげんよう。

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