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普通で変な僕

■「カタイ」少年だった

はじめまして。雨天ケッコーです。
自分を説明するのが苦手なので、少し半生を振り返りますので、できればついてきてください。

小学校、中学の始め頃までの僕は、なるべくみんなからはみ出さないように生きていたような気がする。
そのためにルールを守ることが大切で、宿題もきちんとやって、言われたことをきちんとこなしていた。
例えば、中1になってすぐの出来事。
横線が何本かひかれただけの紙を配られ、「中学生活の抱負」を書く宿題が与えられた。僕はすかさず挙手して「何文字以上何文字以内で書けばいいですか?」と先生に質問した。先生からは「お前はカタイなあ。じゃあお前だけ◯字から◯字の間にしてくれ」と冗談半分に言われて、本当にその字数通り書いていった。

■はみだしたい

中1のときにはじめて買ったCDは、モンゴル800の「メッセージ」というアルバムだった。
今はもうない大型スーパーの中のCDショップで買った後、帰りの車の中で早速流した。1曲目の「あなたに」からサブイボ(鳥肌)が立った感触を今でも忘れられない。
それからは、中学生になって与えられた自分の部屋に、小型の銀色のコンポを置き、いつも何かを聴いていた。175R、バンプ、太陽族、ガガガSP、ブルーハーツ、エルレ、ゴイステからの銀杏BOYZ…。挙げはじめるときりがないくらいで、邦楽ロックのCDを借りてはMDに入れて、タイトルを1曲1曲入れていった。(この作業は面倒だけど好きだった)
「はみだし者で構わない」的な音楽への憧れは「はみだし者」への憧れでもあった。
「変なヤツ」と言われたかったし、実際「変なヤツ」と言われていた。「変なヤツ」と言われると嬉しかったし、言われれば言われるほど自分は「変なヤツ」なんだと思い込むことができた。
真夏でも長ズボンで体育の授業を受けてみたり、後輩のカバンを噛みちぎったりしていても、きちんと定期テストの前には勉強して、提出物も〆切までに提出した。田舎の高校ではあるが、クラスの中では上位の成績で、「賢いのかアホなのかわからん」と言われるのが、最上の喜びだった。

■毒への耐性

大学は東京の私立大学に入った。
都会の空気には、「みんなと同じであるべき」という毒も「みんなと違うのがカッコいい」という毒も今までとは比にならないくらい多く含まれていて、深く考えていないうちは、それがなんとも気持ちよかった。
しかし、大学4年生になったときには、「みんなと違いたい」という願いと「その願い自体がみんなと同じ」という自己矛盾に気づいてしまっていた。
4年かけて、どちらの毒の耐性もつくることができず、頭上にモヤがかかり始めた。
結局、就活し始めた周囲の空気に馴染むことができず、将来を保留にして、地元に帰ってきた僕は、数年間、悶々とした日々を過ごす。
「自分にしかできないこと」をやりたい。でも、そんなものは見つからない。でも、妥協したくない。
もはや悩み自体がベタなのである。そして、悩み自体がベタだということが一番つらかった。自分が「変ではない」と認めることができなかった。
ネガティブという名の自己防衛をして、毎日からは何の学びも得られず、ときには服を着たまま風呂に入ることもあった。

■「初恋の悪魔」第3話より

「初恋の悪魔」というドラマでこんなシーンがある。
仲野太賀さん演じる馬淵悠日(はるひ)が
「僕は自分が普通の人間だというのが恥ずかしくて、感受性のない人間だというのが恥ずかしくて、普通派からしたら変わり者はうらやましいですよ!」と言う。
それに対して松岡茉優さん演じる星砂(せすな)が「普通の人とか、特別な人とか、平凡とか異常とか、そんなのないと思うよ。ただ、誰かと出会ったときにそれが変わるんだよ。平凡な人を平凡だと思わない人が現れる。異常な人を異常だと思わない人が現れる。それが、人と人との出会いの美しいところなんじゃないの?」と返した。

■ありがちな「いい話」だけど、

僕にとっての、「その人」はあまり生きるのが器用ではない。
その人は「やりたいこと」をたくさん持っていて、そのキラキラは僕の影を際立たせて暗くなるときもあるけど、その人といると自分の輪郭がわかるのである。
自分には普通なところと変なところがあって、変だけど普通だし、普通だけど変だし。当たり前のことに気が付かなかったのか、気づかないふりをしていたのか、真相は定かでは無いが、
そういうわけで僕は「普通で変な自分」を肯定できるようになったのであったのである。
ありがちないい話だけど、まあそれでも実際そうなんだからいいじゃない。
感動することはないけど、マイナーなサービスエリアの醤油ラーメンはいつも美味しい。

このnoteでは、そんな「普通で変な僕」の日常を不定期に書いていきたいと思います。
ここまで読んでくれて、本当にありがとうございます!

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