見出し画像

新しいトースターがやってきた!

 バルミューダのトースター、例のちっちゃなコップが付属している、蒸気とかを使ってカリッとふわっとパンを仕上げるあいつ。それが家にやってきた。朝は絶対に6枚切りのトーストとハムエッグ、少し濃いめのブラックコーヒーしか認めんぞ! というようなパン信者でなくとも「パンパパン♪朝はパン♪」と歌いたくもなる。
 早速今朝は新入君でパンを焼いて食べてみた。本当にサクッとふわっと、大したこともしていないのにいい焼き具合になっている。うーん、美味い。
 これ、生食パンとかのちょっといい食パンならもっと美味かったりするのだろうか。もしくはもっと安い、私が一人暮らしの時に買って「何か若干粘土のにおいがする」と思いつつ食べたド〇キの食パンでも美味くなるのだろうか。というか何で粘土のにおいだったんだ? あれ以来食っていないので、まだそのにおいかはわからない。
 そのうち試してみたいが、まあしばらくは適当に家にあるパンを焼かせてもらおう。

 大体二年くらい前、まだ一人暮らしだった頃に生食パンを半斤いただいたことがある。持って帰ったはいいがその家にパン切包丁はなく、また普通の包丁も切れ味が悪かった。さらに言えば私はパンを切るのがべらぼうに下手だ。パン切包丁でもうまく切れたことがない。そうなれば食べ方なぞひとつ、かぶりつきだ。その日の夕飯はパン半斤となった。
 もしゃもしゃとちぎったりそのまま噛み付いたりして食べていく。もうあまりに面倒だったし何もなかったしで何もつけずに素材の味を存分に味わった。それでもまったくもう、美味いのだ。生食パン、恐るべし。何もつけなくても十分に甘い。もう生食パンブームはとうに去ったとのことだが、普通の食文化としては残っていただきたいところ。
 まあさすがに半斤全部をもちゃもちゃ食っていくのも途中で味というか食感に飽きてしまったので、そのまま直火で炙った。少し焦げてまた美味かった。生食パンというそこそこお上品な気がする食物をこの上なくワイルドに食ったが、それでも美味いからいいのだ。

 そんなことを思い出しながら、バルミューダのトースターを眺める。多分あの日お前がいても使わなかったんだろうな、切ることができなかったから。私の心中などどこ吹く風、バルミューダはつんと澄まして台所の片隅に鎮座している。


頂いたサポートは印刷代の足しになるか一太郎の購入資金になります。