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『煌めく星に恋をした、羊の話』

届かない君に恋をした
見ているだけで幸せだった
永遠に交わらない命と光が
同じ時間に在るのが愛おしかった

僕らは大地を駆け 草を食む
君の元にはいけないけれど
毎晩会える 薄闇の中で

消えない君に恋をした
僕が草の根になってなお
君は何万年 何億年

いつしか僕が大気になって
君の光を跳ね返したら
君にも僕が見えるだろうか
君から僕が見えるだろうか

『煌めく星に恋をした、羊の話』

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