そこに事実はあるんか?仕事の悩みに役立つ、サイボウズ流の問題解決メソッド
仕事には、トラブルや悩みがつきものです。日々のタスクに追われ、人間関係のしがらみに揉まれながらも、新たに生まれた課題をひとつずつ解決していくことは、どんな職種においても欠かせないことだと思います。
サイボウズのWebチームでも、今すぐ対処すべきトラブルや、中長期的な最適解に近づくために対処すべき課題などが日々発生しています。たとえばWebチームへの相談箱に寄せられる要望や質問から生まれるもの、日々のWebサイト更新を見守るうえで見えてきた運用の問題……。
ミーティングでチームメンバーに相談し、議論をするものの、話があっちこっちへいってしまって、結局何の解決にもならない。そんな経験はありませんか?
今日は、そんな「仕事で悩みが生まれたとき」に、ちょっと聞いてみてほしいお話を書いてみたいと思います。
サイボウズの「問題解決メソッド」
サイボウズには「問題解決メソッド」という考え方のフレームワークがあります。
これは、チーム内で何か問題について話すとき、議論があちらこちらへいってしまわないための、いわば「共通言語」のようなものです。
問題解決メソッドは、次の5つのステップで取り組みます。
①問題を一言で言い表す
②問題を「理想」「現実」「事実」「解釈」のマトリックスで表す
③問題の「原因」を見つける
④問題の「課題」を列挙する
⑤課題に優先度をつける
この問題解決メソッドを使うことで、私たちはかなりスムーズに問題を解決することができるようになりました。
くわしくはこちら:サイボウズ総研のブログより
https://teamwork.cybozu.co.jp/blog/problem-solving-method.html
「事実と解釈」を分けて考える
この「問題解決メソッド」の中で私がよく活用するし、好きなのが、②の「事実と解釈」を分けて考えるという点です。
たとえばHP更新依頼をするための社内ツールがあったとして、そのツールの使い方に、チームみんながモヤモヤしていたとします。みんなの言い分はこんな感じです。
①このツールが使いにくいとみんなが言ってる
②aminaxさんは3回も更新対象ドメインを間違えてた。
③公開日が翌日または翌々日の緊急依頼が15件あった
④ツールに登録するための項目の名称が分かりにくいと思う
対象事項がなんであれ、こんなシーンってよくありますよね。
こういったさまざまなモヤモヤが出てきたときに役に立つのが「事実と解釈」。全員の発言を、あらためて事実と解釈で分けて考えてみると、①と④は解釈であって事実じゃないんですよね。
事実じゃない材料をもとに議論をしても、議論に参加しているメンバーの立場やとらえ方もそれぞれなので、各自の今までの”あたりまえ”に引っ張られた意見となり、実際に問題と感じてる人のゴールからずれてしまったりします。
なのでこの時点で議論を始めるのではなく、もっと事実を集めてみましょう。
①みんなという人はいない
使いにくいといった人にヒアリングさせてもらって、誰が何をわかりにくいと言っているかリストアップしてみる
※「誰が」は、立場によって異なる視点があるため大事です。
④項目と中身を実際間違えて登録した人に、なんの項目に何を入れてたのかリストアップしてみる
というように、まずは集められる限りの具体的な事象を集めてみてください。
すでに具体例が上がっているものだって、もっと深堀りができます。
②aminaxだけが同じ間違いをするのか、他にも誰か間違えるのか
③何か他の要因(イベント直前の滑り込み依頼)があったのか、毎度同じ人が依頼してくるのか
事実が集まってきたら、我々の望む「理想」は何なのかを考え、あらためて突き合わせます。
すると課題が明確になり、個人の問題なのか、ツールの改修が必要なのか、注意書きレベルなのかなど、解決に向けた選択肢が絞れてくると思います。
「事実」の大切さ
すっごい当たり前のことを言ってますが、意外と議論がヒートアップしてくると想像の翼が広がってしまい、お話しすること自体が楽しくなっちゃうんですよね(わかります)
でもそんなときほど、一度立ち止まってそれは事実なの?解釈なの?と分けてみる。
そして「理想」に対して何が課題となっているのかを議論する。それが、チームの問題や悩みを解決していくためのひとつの方法だと思います。
そしてその時点ではまだ事実が足りないと感じたら、「これから実際誰が何をして何と言っていたか、記録していきます」という前向きな問題の先送りをして、事実が集まった時点であらためて議論しなおしてみると、逆に近道になることもあるじゃないかなーっていうお話でした
※写真はスパイス食堂 遠路円盤@吉祥寺
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