見出し画像

これまでの人生たった一度、このまま死ねたらと願った。

昨日音声を投稿しましたが
音声ばかり投稿して「物書き?」と反省したので投稿いたします。
太もも露わな浴衣男子ですが
(浴衣でなく実際はトレーナー上下だったけど)
作品のイメージに合うのでこれにしました。

さぁ、黒歴史公開ですよー!
大阪文学学校で初めて合評会で提出した作品です。
タイトルは詩のフレーズ抜粋です。
もちろん、下手すぎて詩集にも掲載しておりません。
恋愛詩!!!
小学校の頃詩を書いていたとは言ってもさ
それ以降誰にも見せてないわけよ。

ほんで、ながーーーーい時を経てこの詩。
これ読んだら、わかる。
うん、今はましになっとる作品。
読んでみて読んでみて
ぜーんぶ、感情書いとる(恥)
ただ行あけして詩だと思っとる(恥)
めちゃくちゃどっかで読んだ感(恥&号泣)
ただ、素直さだけは爆発してる。

21歳の時出会って福岡に住むきっかけになった男性のことを
書いてます
(当時私は既婚者でしたわ。夫の転勤でまた関西へ
住み始めたと同時に文学学校に通っていたのでした)

辛くて死にたいって思うことは人生いっぱいあると思うけど
悲しい経験重ねて福岡で心底惚れられる人と出会うことが出来て
幸福で死にたいって思ったのは今まででこの瞬間だけ。
それについて書いた稚作です。

さぁ、いきなりロマンスモード入るよー。

詩集を読んだことある人わかると思うけど
「クロッカス」のモデルになった男性ですね。
noteの「噴水1」でも触れているけど2が書けずここに書くと
これ(幻の噴水2)は文学学校に行った後の、私の離婚後のこの詩の数年後のこと。
彼とは私の当時の転勤先岡山で1日だけ再会しました。
私が

「あなたが家族を大事にしていることは誰よりもわかっている。
家庭を壊すつもりも毛頭ない。
ただ〇〇のこれからの人生のうち一日だけ、私に下さい」

岡山行の片道チケットを同封して職場も知っていたから部署に手紙を送ったのを今でも覚えている。勇気だけしかない人生!(笑)
一週間近く返事はなかったと思う。
やっときた返事はメールで一行だけ。
「強引な人w」だったと思う。

平日休みだった私の指定日に合わせて彼は岡山に来た。
父と別れた岡山駅の噴水の前での再会だった。
噴水の前に立つ彼を見た時
こんな想いをするくらいなら
なんで出会って付き合ったりしたんだろう?
ずっとそう思い続けていた
21歳の自分に教えてあげたかった
苦しかったよね、本当に苦しかったよね。
結婚したって忘れきれなかったよね。
だけどこうしてまた会える時が来るよ。
彼がわざわざあなたに会いに来てくれるんだよ。
どうか絶望しないで。と。

大事な会議があったのに。とMは開口一番私にぼやいた。
彼も私も職場でかなり出世していた。
ごめんね。
ぼやいたくせに遮るように言ってくれた。
「自分で決めたことだから」

岡山の街を散策した。名物の鰆ランチコースを一緒に食べた。
彼の写真を撮った。
ふたりでは、映らなかった。
「二人の女性を愛することは出来ない。今の人を大事にしたい」
わかっていた。
それでも来てくれたのだ。
大事な会議を欠席して。
それだけで(きっと心の底では違ったけれど。だって結婚相手と出会う何年も前から私とは出会っていたのだから。順番なんて関係ないと分かっていても)
幸せだった。
西川のほとりを手をつないで歩いた。
なんにも喋らず、手をつないで
ただ歩いた。

あの頃の君の愛情は異常な愛情だったよね。
思い出したように彼に言われた。

本当にごめんね。
失うのが怖すぎて大切すぎて
強く強く握りしめてしまったの。
失くしたくないものほど
そっと握らなければいけないことを
当時の私は気づくことが出来なかったの。
出来たことはひとつだけ
新しい景色を見たいと言い出しきれなかったあなたに
最後には自由をあげること。
それだけだった。

お互いのことをきっと誰も知らない土地でも
私達は抱擁と手を繋いで歩いた以上のことをしなかった。

私は親の不倫がきっかけで家庭が崩壊した子だ。
それがどれだけ私を苦しめたか彼も知っていた。
重ねて平然と不倫できる男を私が惚れる訳もなかった。
日本では当たり前みたいに自制の効かない既婚者が不倫するけど
正直こどもがいなかったら…と思ってさえいるけど
子供がいたら話は全く違うと私は思っている。
たぶん子供がうすうす気づいて傷つくことにも考えが及んでない。
(子供は大人が思っている以上に大人なのだ)

子供はいつか不倫した親の心情は理解する日が来ても
尊敬の念だけは消え失せる。少なくとも私はそうだった。
そのことだけは肝に銘じていて欲しいと強く思う。

あ、話が逸れた(苦笑)

逢瀬は半日にも満たなかった。
彼を新幹線のホームから見送った後
(正直覚えていない)
当時心を許していた同僚に電話して泣いた。
「終わった。もう本当に終わったよ」
きっと彼女も泣いてくれていたと思う。
「良かった…。
ずっと仕事漬けでお母さんのこともあって…
あなたに、そんな人が居てよかった…」

大阪文学学校初提出作品「イマージュ」


月にいちどはあなたの夢
もう十年になろうというのに
夢でさえ 背を向ける人
探して 探して 
醒めるまで見つけられない
それでも得した気分になる
そんな自分が情けなく愛おしい

四畳にも満たない物置のような部屋で
伸びやかな寝姿をかたわら
あなたとの出会いを書いていた
まどろんだささやく声が聞こえる
何をしているの?書いているんだね
なげだした私の太もも
大好きだった横顔が触れる
大好きだった絹の髪が撫でる
寄せては返す心音を受け取りながら
この瞬間で死ねたらと思った
これまでの人生たった一度
このまま死ねたらと願った

あの頃
爪の跡が痛むほど握りしめた記憶は
いつのまにか
指のすきまからこぼれていった
残されたのはイマージュ
擦り切れがちなその映像はなお
ほのかな疼きを伴って
確かな心音を響かせながら
私の奥へと還ってゆく

                 
※長い長い投稿を最後までお付き合いいただきありがとうございました。
                               (了)

アンビリーバーボーな薄給で働いているのでw他県の詩の勉強会に行く旅費の積立にさせていただきます。