助けてください!

スーパーで、あるおばあさんと目があった。
彼女は大きく開眼し、その瞬間、藁をも縋る思いで、わたしの腕を捕まえた。

助けてください!
鍵をどこかに落としたんです。どこにもなくて、、

かなり動揺している。
店内のインフォメーションセンターに落とし物にないか、聞いてみてはどうですか?と言うと、
ええ、そうなんです、さっき、行ったんです!
でも、どうしよう、鍵どこに落としちゃったんだろう、、

私は仕事の合間だったので一緒に探すことができず、
もし見つけたら、インフォメーションに預けておきますね、とだけ伝える。

おばあさんは急に我に戻った表情をした。
そうですね、そうですよね、すみません、ありがとうございます。

深々と礼をされ、おばあさんと別れた。


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