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気がついたら終電を逃していた。
朝までゴールデン街で飲んだ後、朝食に訪れたねこ膳でカレーライスを頼んだら食べきれなかった。
最近いつもそうだ。何もかもが多く感じる。
胃の許容量が減ってきている。

家へ帰ったのも束の間、歯医者へ行き、レントゲンを撮った。帰りに歯医者が飼っているハリネズミを見せてもらった。地団駄踏んでイライラしているみたいだった。

もう一度家へ帰り、置いてあったパンを食べ、風呂にはいる。体を隅々まで泡で包み、染み付いたタバコの匂いを落としていく。

すぐに、電車に乗って国立へ行く。
男と待ち合わせていた公園で5分ほど昼寝した。晴れていて、光が美しく、子供たちの声が子守唄のようだった。男は連絡するとすぐに現れ、公園のすぐ近くのアパートに入った。

セックスのあと、シャワーを浴びるか聞かれ、すこし眠ると答えた。二人してシングルサイズのベッドで眠った。シャワーさっき浴びたんだと言っていた彼の体はいい匂いがした。浅い眠りのような時間の中で、手を繋いだり、淡いキスをした。その間中彼の香りに包まれており、閉じたまぶたの裏で黄金の草原を歩いているイメージに包まれていた。
おかざき真里が「セックスのあと男の子の汗はハチミツのにおいがする」という作品を描いていて、読んだことはないけどずっとタイトルが引っかかっていたのだけれど、こういうことなのかもしれない、と思った。

中央線を上り、山手線で乗り換えて恵比寿に行き転職のエージェントと話した。
「辞めたい理由は転職したい理由にはならないですよ」と言われ、人生でやりたいことってなんだろうと考える。

新宿に出て、本屋を眺める。
行きたかったラーメン屋に行く。気持ち悪くなる。
美容室の予約の時間が夜の9時で、それまでマックで本を読んでいたが、気づいたら寝ていた。

美容室で髪型を整えた。話が合わなくて、女を疑えみたいな話をされる。
髪型はなんとなく。いいとは思うけど付随する思い出が嫌だと、百点をつけられる髪型ではなかった。

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