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日本人旅行者必見! アルゼンチンペソレートはどれがお得か【2023年4月】-ドル現金、Masterクレジット、Visaデビッドで比較-

4月7日にアルゼンチン、ブエノスアイレスに到着。この国には、1カ月の滞在となります。到着後すぐにパタゴニアを旅行していたので、ブエノスアイレスに落ち着くのはこれからというところ。

日本出発前にアルゼンチンの為替情報、両替情報などをチェックしてきましたが、最近の確かな情報が見当たらず、不安な気持ちのまま、ひとまず『ドル現金』『クレジットカード』『デビッドカード』の三種の神器を携えてやってきました。パタゴニアでは、フィッツロイ周辺の山々をトレッキングしてきたので、その多様で壮大な自然の景観についても書き記したいところですが、ひとまずは、為替レートについて、この1週間ほどの買い物記録などからわかったことを詳らかにしていきます。

アルゼンチンの為替レートは複数存在する

まず、この国の為替レートについて、基礎情報を確認しましょう。

日本語の検索サイトで「日本円 アルゼンチンペソ レート」と検索すると、例えば、
4月7日    1円=1.58アルゼンチンペソ
4月18日   1円=1.62アルゼンチンペソ

と出てきます。私自身、当初はこのレートを念頭に買い物をしていたので、ほとんどのものが高く感じていました。しかし、これはアルゼンチンで使用される為替レートの一つではありますが、メインのものではありません。(下記の公式レートにあたる)

アルゼンチンでは、複数のドル・ペソ為替レートが使用されており、例えば、4月18日の全国紙La Nacionウェブサイト上の『今日のドル(Dólar Hoy)』サイトを開けると、7つものドルレートが出てきます。

https://www.lanacion.com.ar/dolar-hoy/

アルゼンチン入国前には、ひとまず左上の二つのレートをチェックし、頭に入れておきましょう。

政府公式レート Dólar oficial  1USドル=214.50アルゼンチンペソ
いわゆる闇レート Dólar Blue  1USドル=404.00アルゼンチンペソ

その他、カード用ドル Dólar tarjeta、ツーリスト用ドル Dólar turista、、、などがあります。

なんと政府公式レートに比べ、他のレートでは、ペソ価格が半減しているではないですか。そして、現地の人が見ているのは、基本的にDólar Blue。「(ドラル)ブルー」とこちらの人も発音します。日本語では「闇レート」と訳されている場合が多いですが、その言葉が表すほど“闇”ではなく、アルゼンチン国立銀行のウェブサイトにも、『Real(実際レート)』として記載されているほどで、(少なくとも摘発されるような)怪しいものではありません。

結局、日本からの旅人にはどのレートが適用されるのか?

以下、旅日記的に為替レートの体験談を書いていくので、急いでいる方はポイントだけ読み進めてくださいね♪ 

【ドル紙幣からアルゼンチンペソ(ars)への両替、およびアルゼンチンペソ現金の入手方法】

ここでのポイント
☆ドル現金の持参は必須だが、100ドル紙幣のみにしよう
 少額紙幣では、両替時に拒絶される可能性大。
☆インフレが刻々と進むアルゼンチンで、一気に両替するのはやめよう
 レート変動もしかり、ペソからドルに戻すのはほぼ不可能。
☆日常生活のほぼ全ては、カード払いOK:クレジット&デビッド
☆ローカル商店や旅先ではペソ現金が必要な場合もあり
 ペリート・モレノ氷河入場料はペソ払いのみ可。
☆スマホへのチャージはペソ現金のみ可
 数百ペソからチャージ可。
☆銀行ATMで常にペソ現金が引き出せるわけではないことを肝に銘じよ!  
 現金不足は常態化しているよう。特に、土日、祝日前日などは要注意。
☆スーパーで現金の引き出しが可能(たぶん)
 日本のコンビニの頻度で点在するCarrefurスーパーでは、カード支払い時に現金の引き出しも可能。

私は日本から、50ドル札と10ドル札で、計1000ドル持参しています。小額紙幣にしたのは、両替時に偽札を掴まされたりするという情報を見たためと、インフレが酷いならばドル紙幣を直接使えるのでは?という理由(想像)によるものです。これが後に災いします。

4月7日金曜日の早朝にブエノスアイレス着。カード使用が普及しているとのネット情報もあったので、ペソへの両替などはせずに空港タクシー(ユーロ紙幣で支払い)でAirbnb宿へ直行。

到着当日は、スーパーで、クレジットカードを使用して食料購入のみ。

土曜日になり、翌日のパタゴニア行きに備えて、スマホのSIMカードを購入(街の携帯ショップは簡単に見つかります)。代金の300アルゼンチンペソ(以下ペソ)は、デビッドカードで購入(今思うと、驚くほど安い)。為替レートも分からないので、ひとまずいろんな手段を使って支払いをします。さて、SIMカードは簡単に購入できたものの、試行錯誤しても回線が繋がらず、わかったのは、チャージを別にしないといけないということ。そして、ここがミソなんですが、、、

ペソ現金でないとチャージできない!! このままでは、Uberタクシーも、街中での検索も不可能なので、これは急務です!

まずは、持参のクレジットカード、デビッドカードを使って、銀行のATMに駆けつけるも、なんとATMから現金が引き出せない! どのATMに行っても、現金を探し求めるアルゼンチン人の列があり、皆も困り果てている様子。

ブエノスアイレスの街並みは、かつて「ラテンアメリカのパリ」と称されたほど美しく、その点、ヨーロッパとなんの差も感じていなかったのですが、ここに来て突然超インフレ国家の現実を突きつけられました。ちょうど土曜日だったこと、聖週間の始まりだということも大きく影響していたようです。

ここで通りすがりのアルゼンチン人が教えてくれた現金引き出しのもう一つの方法が、スーパーでカードを使うというもの。私が知る限り、Correfur Expressというそこら中にあるスーパーでなら、外国人でも引き出しが可能。何か買い物をして、レジに並び、そこで現金を引き出したい旨を告げる、という形です。しかしこの日は、みんなが現金を求めていたせいで、「あなたの前の人で、現金は終わりました!」と言われてしまった。そうでなければ、多分ゲットできた模様。とにかく、ATMもスーパーも、いくつか回っても全滅だったので、この日、カードを使っての引出しは諦めました。

というわけで、ドル現金の出番です。宿周辺の両替所で、いざ! 

窓口で50ドル紙幣を差し出したところ、スタッフの女性がばっさりと拒絶。

「100ドル紙幣じゃないと誰も欲しがらないわっ(ふんっ)」

とのこと。カードがあればほとんどすべて解決してしまうので、たかがスマホのチャージ、されどチャージ。結局、この日はほぼ一日中現金を求めてあっちこっち歩き回り、空しく帰宅。Airbnb宿主に、500ペソを借りて、Kioskoへ行き、ようやくスマホにチャージ、ほっと安堵。

さて、ドルからペソへの両替の話の続き。

結局、ブエノスアイレスでは50ドル紙幣を受け入れてくれなかったので、パタゴニアのチャルテン村(El Chalten)に到着してから、宿で両替してもらいました。ちなみに、50ドルまでぎりぎりいいけど、10ドル紙幣はだめね、とのこと。

宿で、4月10~13日に両替したところ、1ドル=380~390ペソ でした。8日のブエノスアイレスの両替所でも、1ドル=386ペソと記憶しているので、どこで替えてもらってもそんなに大きな違いがあるとは思えません。ちなみに、4月17日の現時点では、1ドル=400ペソになっているので、長期滞在の場合は、少しずつ両替するのが吉。毎日観光ツアー三昧というのでないかぎり、ペソはそれほど減っていきません。

とはいえ、パタゴニアという国際的な観光名所でも、ペソ現金のみ支払い可、というところがいくつかありました。宿泊、食事や買い物はカード払いで問題ありませんが、国立公園の入場料など、5000ペソ~8000ペソくらいの結構な料金をとられる場所で、ペソ現金のみの制限がありました。ですので、ネイチャー系の観光地でも、100USドル相応のペソ現金を持参した方が良さそうです(もしくは現地宿などで両替)。

4月24日の週には、イグアスの滝に行きますが、その宿(ホステル)に確認したところ、支払いには10ドル紙幣も受け入れてくれるとのこと。しかし、どこでも替えられる利便性からすると、やはりドル現金は、100ドル紙幣がベストですね。

ちなみに、私は出発前の3月半ばに、1ドル=140円くらいでドル紙幣を購入したので、実際の換金レート(円→ドル→ペソ)は下記のとおり。

◆ドル紙幣の両替から計算した円・ペソレート◆

1円=2.785アルゼンチンペソ
1アルゼンチンペソ=0.358円

円安でなければ、、、、と悔やまれるところですが、もうこれが日本人の現実かもしれないので、受け入れるしかないですね。

【Masterクレジットカード VS VISAデビッドカード】

ここでのポイント
☆(VISA)デビッドカードの圧倒的勝利!
☆(Master)クレジットカード⇒公式レート
☆(VISA)デビッドカード⇒ブルー・レート!
☆アルゼンチン旅の一押しは(VISA)デビッドカード!
 
これに、両替用の数百ドル紙幣を持参すれば完璧。
☆旅の必勝法は、いかにブルーレート(Dólar Blue)を使いこなすか、だ!

まず理解いただきたいのは、私はアルゼンチンのカード事情に詳しいわけではなく、あくまで自身の使ったカードでの実体験を記しているのみということ。

また当初は、クレジットカードかデビッドカードかによって、レートの差が出ていると考えていましたが、現地新聞で関連情報をチェックしたところ、カード会社の違いによる可能性が大です。私の情報も参考にしつつ、みなさんが現地で実際に確認してみてください。

念のため、私の使用しているカードの種類を記載しておきます。

クレジットカード ➡ 楽天カード、Masterのクレジット
デビッドカード ➡ SMBC信託銀行カード(Global Pass)、Visaのデビッド

さて、ブエノスアイレス到着の当日、宿主に言われたのは、アルゼンチンには5つくらい為替レートが存在してね、、、というさきほどの話。私に適用されるレートがどれなのかさっぱりわからず、なんとなくVisaデビッドを多めに使用。たまにこのカードが使えないときに、Masterのクレジット、という感じで1週間くらい過ごしてみました。適用レートがわからないので、すべてが高額に見えて怖かった・・・。

パタゴニア旅から戻り、二日間の休養もして元気が回復し、ようやくレート検証してみました。

~Master クレジット(4月7日、15日の買い物)~

スーパーで買い物 1176.15 ars=749円
薬局で買い物   1421.75ars=899円

◆Masterクレジットの明細から計算した円・ペソレート◆

1円=1.570~1.581アルゼンチンペソ
1アルゼンチンペソ=0.6368~0.6323円

このレートだと、食料品でも日本との物価の違いはほぼ感じられない。

~Visa デビッド(4月15、16日の買い物)~

ネットで購入した航空券     19607.50 ars =7384円
話題の小説          9850.00 ars = 3709円
スーパーで買い物        1180.86 ars=445円

◆Visaデビッドの明細から計算した円・ペソレート◆

1円=2.6557 アルゼンチンペソ
1アルゼンチンペソ=0.3765円

ブエノスアイレス⇔イグアスのフライトは、往復で7000円ちょっとなので、馬鹿安い。小説は、もちろんかなり厚みのあるものだけど、4000円近くしたので、これは日本と変わらないかそれ以上。メキシコと同じで“知的な部類”のものは高いようだ。飛行機が安すぎるのか、本が高すぎるのか、、、。食料品の買い物はこのレートならとても安い!

以上より、私のカードでの検証では、

Masterクレジットカードには公式レート(最悪のレート)が適用 

VISAデビッドカードには(ブルーレートに近い)カード用レートが適用

ということが判明しました! この差はかなり大きい!! 

現地在住者による最近のブログ(2023年3月付、アルゼンチン駐在リーマンのしずろくさん)では、「日本発行のクレジットカード&デビッドカードに、ツーリストレートが適用されるようになった」と話されています。また、現地新聞の情報では、(昨年の12月以降)MasterとVisa、クレジットとデビッドの双方でカードレートが適用される、と記載されています。同情報源によれば、Visaは即時カードレートが適用されるが、Masterの場合は、一旦公式レートが適用され、その後差額が返金されるとの説明あり。がしかし、現地での最初のカード利用から12日経過した今も、Masterクレジットカードでの差額分について返金された記録は見当たりません。

もしかすると、来月に差額の返金ということがあるかもしれませんが(その時は追って情報を記載します)、これでは旅の予算が立てにくい。やはり公表されているものだけを信じてもだめですね。

アルゼンチン旅行には、『VISAデビッドカード』が一押し!

というわけで、私個人の経験からは、ブルーレートが適用されるVISAデビッドカードがアルゼンチン旅行に持参すべきベストカードということになりました(適用レートもすぐに確認できるので)。加えて、カードではペソ現金が入手できないことがあるため、両替用のドル現金も必須となります。

※お詫び
当初の記事アップ時には、「クレジット VS デビッド」としていましたが、後日の情報確認から「Master VS VISA」の方が事実に近いと考え、記載を若干変更しています。

これからアルゼンチンを旅しようという方々、参考にしてみてください。

ちなみに、ブルーレート(闇レート)で考えると、アルゼンチンの物価は、日本より安いと感じられます。外食などは、日本のコスパと質が良すぎるのであまり比較できませんし、百均ショップなどで買える雑貨類も日本の方が安いですが、スーパーや個人商店で買う食料品はアルゼンチンが断然安く、交通機関、旅先での支出なども基本的にはこちらの方が安いです。

とにかく、アルゼンチンで日本よりも安く過ごすための技は、いかにブルーレート(Dolar Blue)を利用するか、にかかっています。ドル現金は確かに最良のレートですが、現金を持ち歩くリスクが高いうえ、カードレートとの差も微々たるものなので、ブルーレートが適用されるカードを使いましょう。

繰り返しますが、上記内容はあくまで私の経験なので、これから旅行される方は、カードを2~3種類(かならず、VISAとMaster、デビッドとクレジット)持参して、どれに一番お得なレート(手数料等も含めて)が適用されるか見極めた方がいいと思います。

たまに、カードの読み取り問題などが発生するので、その為にも通常使用のカード+1枚は持っていると良し。今のところ、VisaとMasterの両方とも使えるお店しか見たことがありません。(アメックスも大抵あったように思います)

公式ドルかブルードルかで2倍近くのレート差があるので、旅の予算にも大きく影響します。ブルーレートをしっかり活用し、楽しく余裕のあるアルゼンチン旅をしましょう!

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