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遠くの友達より近くの知り合い

私は地元が奈良県という、地方出身者だ。上京したての頃や、中期までは、年に一回お盆に奈良に帰って、向こうの友達に会うことにやっきになっていた。でもその友人たちも、「仕事、家庭、子育て」と人によっては「介護」も入る年齢になり、年々連絡が取りづらくなったり、連絡が取れないこもでてきた。ある時期、こちらが必死になって帰っても、会ってくれるつもりのない子も多く、急に時間とお金をかけて帰省をするのがバカバカしくなった。今の私の住んでいるところは、友達こそほとんどいないが、知り合いがたくさんできて、私の名前を覚えてくれて、話しかけてくれる店員さんや、習い事の先生、役所関係の人がいる。
見知らぬ人でも挨拶してくれたり、ドアを開けてくれたり、パニックに陥ったときには、自治会の会長さんが家まで来て助けてくれたこともあった。徐々に私の心は「遠くの頼れない友達」より、「近くの私に関心を示してくれる人」の方にシフトしていった。そうしたら私自身の心は随分楽になった。遠くの友達より近くの知り合いということだ。
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