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#24 熟字訓まつり②

今日でnote2周年。

よく続いている。偉い偉い。

1周年のときはまさか1年も続けられるとは思っておらず、ハイテンションな記事をお送りしたが、2周年ともなれば慣れたものである。

3年目もこの調子でやっていきたい。





そんな今日は、前回の続きをやっていく。

📝前回までのあらすじ📝

熟字訓とは、七夕(たなばた)/梅雨(つゆ)/紫陽花(あじさい)/田舎(いなか)など、
決められた漢字の並びのときに初めてそう読む
特別な読み方をする言葉
のこと。

本来、漢字と読みを切り離すことはできないが、それらをぶった切って名前に使用する例が数多くあり、③熟字訓ぶった切りと呼んでいる。

私が生まれ年関係なく収集した大量の名前の中に③熟字訓ぶった切りの名前がたくさんあったので、せっかくならnoteに放出しようということで、現在熟字訓まつりを開催している。

というわけで、
私が見つけた熟字訓を使った名前を
どんどん紹介していこうと思う。



続・熟字訓ぶった切りいろいろ

▼雪崩【なだれ】

🚹桃(と

✍️どうして「雪」が「な」なのか、気づいた瞬間とてもスッキリした名前だ。「な」と読む漢字はたくさんある中で、これを選択するオリジナリティーも面白い。



▼海苔【のり】

🚹亜(あ) 琉(る
🚺愛(あ) 乃(の)
  未来(みら

✍️「の」と読む漢字は「乃」「野」など数少ない。「望」や「希」といった漢字を①ぶった切りで「の」と読ませる名前はよく見かけるが、こういうパターンもあるのだなと思う。



▼南風【はえ】

🚺野(の

✍️「え」と読む漢字の種類は豊富だが、「風」を用いる独自性たるや。


▼疾風【はやて】

🚹隼(はや) 勇(はや
🚺奏(かな

✍️「風」の熟字訓ぶった切り第2弾。「はや」の部分に他の漢字をあてる例が多く見られるが、女の子の名前でも使われていた。



▼一人【ひとり】

🚹悠(ゆう) 海(かい
  凰(おう) 絆(ばん

✍️「人」という文字が最後にあると、「と」や「ひと」と読まれる可能性が高そうだが、いろいろなパターンがあった。



▼日向【ひなた・ひゅうが】

🚹飛(ひなた) 緋(ひなた
  夏(かなた) 翔(かなた
  優(ゆなた
  彪(ひゅう
🚺姫(ひなた
  光子(ひこ) 姫(ひ
  雛(ひな) 妃菜向(ひな

✍️「向=なた」「向=が」「向=な」「向=た」の4パターンが見られた。
「陽向」で「ひなた」や「ひな」と読ませる名前も多くあったのだが、こちらは⑷置換に分類できるため、ここでは除外する。



▼向日葵【ひまわり】

🚹翔(しょう) 悠(ゆう
🚺向日葵ひまり) 日葵ひまり
  向日莉(ひまわり) ひまり
  朱(あか) 汐(しお
  心(こ) 々(り)
  陽(ひまり) 妃(ひまり
  利(ひまり) 陽(ひまわり
  ) 姫日葵(ひまり

✍️こちらはとにかく人気が高く、いろいろな形で名前に使われている。上記はその一部である。
中でも「陽葵(ひまり)」は近年名前ランキングで1位に輝くなど、非常に多い。
ぶった切りのパターンとしては、「葵=り」の形が男女ともに用いられており、人気のようだ。



▼吹雪【ふぶき】

🚹一(いぶき

✍️「いぶき」には「春の息吹」といったイメージがあるので、「雪」は若干違和感があるような気もするが、逆に冬から春へ季節の移ろいのようで綺麗な感じもする。



▼大和【やまと】

🚹斗(やまと) 翔(やまと)
  朔(さく) 結(ゆい
  樹生(きお)

✍️「大=やま」と「和=と」、どちらのぶった切りも存在している。
「和=と」は前回紹介した「永=と」同様、最近の子どもの名前にはよく見られるものだ。



▼百合【ゆり】

🚺彩里(さり)
  理果(りか) 花子(かこ)
  朱(あか) 茉香(まか)

✍️女の子の名前に多く、「百=ゆ」と「合=り」のどちらも見られた。




これで以上となる。

前回と合わせて25種類の熟字訓が、
こうしてさまざまな形で
名前に用いられていることがわかった。

でも世の中にはきっとまだ見ぬ名前が
たくさんあると思うので、
これからも名前の収集・研究を続けたい。





と、「熟字訓」のぶった切りネームの紹介は終わったのだが、もう少し書きたいことがある。

日本語の中で特別な読み方をするものは
地名」や「名字」にも多くあり、
それらをぶった切りした名前も見つかっている。
昔から存在する例として、「愛媛県」からとって「愛=え」と読ませる名前がある。

そういった名前を"熟字訓ぶった切り"と
呼んでいいのかどうかわからないのだが、
とりあえず亜種として、ここに記しておきたい。


地名・名字のぶった切りいろいろ

●英田【あいだ】

🚺美(あいみ)

🗾岡山県北東部にある郡。


●愛子【あやし】

🚺華(あやか)  奈(あやな)  あや
  真(まあや)  彩(さあや

🗾宮城県仙台市青葉区の地名。愛子盆地や、JR東日本の愛子駅などが存在する。


●上総【かずさ】

🚹颯(かずさ)

🗾上総国は現在の千葉県中央部にあたる。


●恭仁京【くにきょう】

🚹理(り) 悠(ゆう
🚺莉愛(れあ)

🗾奈良時代に置かれた都城。現在の京都府木津川市に位置する。


●高麗【こま】

🚹暖(はる
🚺由(ゆ) 弥(ひろ)

🗾朝鮮半島や満州に存在した高句麗の別称で、日本の地名にも見られる(例:埼玉県の高麗川)。


●難波【なにわ】

🚹奏(そう) 優(ゆう
🚺実(み

🗾大阪の古い呼び名。


●一青【ひとと】

🚹和(かず

🗾歌手の一青窈で有名な名字だが、石川県鹿島郡中能登町の地名である。


●壬生【みぶ】

🚹士(と)
🚺紅(く) 叶(かな

🗾栃木県にある壬生町のほか、京都市中央区や広島県北広島町の地名である。
また、長野県などに多く見られる名字でもある。


●真岡【もおか】

🚺愛(え)

🗾栃木県南東部に位置する市。
この名前は「愛媛(えひめ)」の「愛(え)」とのコラボレーション。


●阿武【あんの】

🚹亜(あんの

🗾山口県の地名を由来とする名字で、山口県に多く存在する。地名の読み方は「あぶ」。


●樹神【こだま・こたま】

🚺梨(りこ) 香(のか)

🗾愛知県の地名が由来の名字であり、愛知県に集中している。




なんだかんだで長くなってしまったが、
書きたいことは全て書くことができた。

2周年記念に相応しく、盛りだくさんの
中身の詰まった記事になり、とても満足している。

最後に、私が発見した
最強の"熟字訓ぶった切りネーム"を紹介して
#24 を締めたいと思う。



飛沫【しぶき】× 吹雪【ふぶき】=

🚹飛雪(しぶき) ‼︎




それでは、また次回。





※上記の名前は、誰でも閲覧可能なネット上に載っていた名前です。
※やったー2周年だ!!2年も続いたぞ✌︎ すごいすごい♪♪

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