2024年1月読書①:リーダーシップ系

1.ビジョナリーカンパニーZERO(ジムコリンズ)


さまざまな企業がそれぞれのビジョンを掲げながらも社会の公器として根付く企業が限られているとの事実は、偶然ではなくリーダーシップと組織の作り方にあると自助努力の道筋を考えさせられます。
「真のリーダーシップとは、従わない自由があるにもかかわらず、人々が付いてくること」との一節が実践が難しいテーマだからこそ、そのリーダーシップを養えるかが岐路となる。

<Point>
・最高の人材がいなければ最高のビジョンに意味はない。正しい事業のアイデアより、正しい人材のほうがはるかに重要。
・一番重要な指標は、バスの重要な座席のうち、そこにふさわしい人材で埋まっている割合。
・偉大なリーダーは人の成長するカを決して過小評価しないが、成長できるか否かは謙虚さと強い向上心の有無にかかっていることを理解している。高い水準のパフォーマンスを求める一方、社員の自信を育み、自分自身と自らの能力を肯定できるようあらゆる手を尽くす。
・偉大な企業には、組織内外に素晴らしい人間関係がある。
・高いエネルギーレベルを維持する最高の方法は、常に変化すること。
・アイデアは潰しても、変更しても、発展させてもかまわないが、会社は絶対に諦めてはいけない。
・規律ある思考ができれば、煩雑なルールや手続きは要らない。
・文化が希薄化する主な原因は誰でもいいシンドロームにある。


2.リーダーシップ論(ジョン・P・コッター)


リーダーシップとマネジメントの違い、多くの組織でマネジメントスキル開発が行われども、リーダーシップ開発が盲点になっていることを振り返ることができ、そしてリーダーシップとマネジメントは二者択一ではなく両輪が必要だと理解することができます。
市場の変革に視点を置いて組織を動かすには、人間関係の難しさを直視して、組織の力学を制することが勝負となる。

<Point>
・マネジメントの目的は、既存のシステムを動かし続けることであり、リーダーシップの目的は効果のある変革を生み出すこと。
・リーダーシップ
└ビジョンと戦略を策定すること、戦略に相応しい人員を結集すること、障害を克服しビジョンを実現するために、社員にエンパワーメントすること。生身の人間が企業文化が相手であり、ソフトで熱い。
・マネジメント
└計画と予算の策定、組織編成、人員配置、統制、問題解決を通じて、既存のシステムを動かし続けること。組織の階層の制度を介して実行されるハードで冷たいもの。
・組織を動かす仕事におけるリーダーシップの重要度が高まっている。リーダーは複維な人間の依存関係のなかで仕事をするため、単に他人に対して公式の権限を行使するよりも、インフォーマルな人間関係の駆け引きが必要となる。
・組織での地位が高くなるほど、リーダーシップの比重を増やす必要がある。
・成功している企業は、リーダーが現れるのを待たない。リーダーの資質を有する人材を積極的に探し出し、その資質を伸ばすように設計されたキャリアを経験させている。
・組織の成長を妨げる最大の要因はマネジャーの自己改革の遅さにある。
・マネジャーは直接コントロールできない人たちや組織、協力的ではない人たちに依存しているため、常に極度のフラストレーションを感じるため、忍耐と調整力が不可欠。


3.ダークサイドスキル(木村尚敬)


組織は人の集合体である以上、人を説得できなければ組織を動かせない。
空気を作る力、人を見極める力、厳しい意思決定を断行できる力、といった泥臭いヒューマンスキルを有することがリーダーシップの発揮のために必要と日常の過ごし方を再考させられます。
人に対する深い理解がリーダーシップには欠かせない。

<Point>
・トップと現場のどちらとも接続できるミドルマネジメントがどれだけ機能するかで組織の力は変わる。
・清濁併せ吞む判断の回数を積み重ねてきた数が重要。
・ミドルマネジメントは、表向きはファイティングポーズを維持しつつ、裏で先を見通したネゴシエーションCND(調整、根回し、段取り)を進めておく強かさを持たなければならない。
・ミドルマネジメントは、借り物競走で使えるものはなんでも使って、総合力で勝負すべき。
・普段から人を観察して、組織図とは別に、自分なりの神経回路のマップを持つ。転職ばかりしている人は神経回路を築く経験が持てずに組織を動かす力を伸ばせない。
・好かれているだけでは責任を果たせない。いい意味の緊張感がチームを強くする。何枚ものカードを使い分けるためにも、適切な距離感が保つ。
・目の前の仕事に忙殺されていようが、自己と向き合うこと時間を確保しなければならない。
・事業の強さ、リーダーの強かさがないと踏み絵は踏み、求心力を失うリスクがある。

4.経営におけるアートとサイエンス(山口周)

論理的・理性的スキルに加えて、 直感的・感性的スキルを磨かなければ、誤ったリーダーシップを形成してしまうと、忙しいほど疎かになりやすい価値観を日常的に養うことの重要性を考えられます。
「ビジネスパーソンであれば自分の仕事を、アーティストとしての自分の作品だと考えてみる」とのメッセージを意識できるかで、細部のこだわりが変わる。

<Point>
・多くの人が分析的・論理的な情報処理のスキルを身につけた結果、正解のコモディティ化が発生している。論理と理性ではレッドオーシャンの市場で戦うことになる。
・システムの変化に法律の整備が追いつかないこともあるため、明文化された法律だけを拠り所にせず、美意識が重要となる
・ビジネスは人と人のコミュニケーションによって成立以上、数値だけでは経営の健全性をチェックできない。
・物事が複雑に絡み合い、予測できない状況の中では、論理と理性では「今は決められない」という袋小路に入り込むことがあるため、直感と感性が必要となる。
・アート型、サイエンス型、クラフト型それぞれのパワーバランスを均衡させ、チームをつくる。
・人を魅了する世界観とストーリーの形成には高い水準の美意識が求められる。
・実際の社会は不条理と不合理に満ちており、清濁併せ呑むバランス感覚が不可欠。
・人の心を動かす表現には優れたメタファーが含まれる。

5.変化を生み出すモチベーションマネジメント(小笹芳央)


変化し続ける人は強いという命題の下、多くの人が持つ現状維持バイアスに打ち克つリーダーシップの発揮を3段階の変化プロセスの実践的なテクニックで考えることができます。
人の行動心理を捉えて日々のコミュニケーション設計を考え抜けるか。

<Point>
・時間観を把握して、モノサシを変えるサポートを行う。
・初心を思い出すことは、人に大きな揺らぎを与える。
・濃い時間を過ごすために期限を設ける。時間に区切りを意図的につけなければ、ただ漫然と流れていくだけ。
・視野狭窄に陥いらないように、対象から離れて、広い視野を持って考える
・物事は視点をどこに置くかによって見え方が変わる。
・抽象化を工夫して目標の魅力を高める
・やり方を押し付けられると抵抗感が芽生えるため、選択肢を用意する。
・個々人の自尊心をうまく活用すると組織は活性化する。
・宣言の機会がコミットメントを高める。
・感謝を通じて、自分の貢献度がよく理解できなければ意義を感じられない。

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